カールソン氏は、個々の意思決定を企業の上層部ではなく、現場で行なうように責任を分散すべきだと述べている。(P.46,l.3〜4)そうしてなされた決定の中には自分の意に添わないものも当然あるが、肝心なことは責任者が意思決定を行なったという事実だ(P.46,l.13〜14)とも述べられている。
このように責任者が自ら意思決定を行なうことにより、その責任者は責任を負い、新しい総合戦略を自分で考え出し、全体の戦略構想が出来上がったらいろいろな人の力を借りそれを戦略目標に置き換え、目標達成のための経営戦略を立てるといったように自分たちで経営ビジョン実現に必要な条件を整えなくてはならないという環境を作り出すことができる。
これは、企業にとってとても有益なことであると思う。より現場に近い人間が、経験から感じたことを実行に移すことができる。現実を知らない上層部では到底実行不可能であったこと、本文で言う多くの社員が、どんなにいいアイデアを提出しても、上層部は実施には踏み切らないだろうと消極的になっていた(P.48,l.10〜11)であろうことを可能にするチャンスが与えられているのである。
現場の社員は、顧客のニーズを感じているはずである。それを実行に移せるかもしれないのである。
この本全体を通していえることは、客は何を望んでいるのか。その、客の望んでいることを知っているのは誰か。それは、最前線で働き客と直接接する現場従業員である。では、現場従業員が客のニーズに応えるためにどうするのか。最前線の従業員が上層部の意向を確かめていたら貴重な15秒が無駄になってしまい、顧客を増やすせっかくの機会を失ってしまう。
これを防ぐために最前線の従業員に、アイデア、決定、対策を実施する責任を委ねることが必要である。
またすべての従業員は、1つの明確で大まかな方向性をもった目標が必要である。この目標は、顧客本位のものでなくてはならない。また、この目標を戦略と実績を評価する基準にすべきである。評価基準を持つことで、問題を確認し、サービスを向上させる解決策を見出すことができる。
つまり、本当の顧客のニーズを知っているのは直接客と接する機会のある最前線の従業員であるのだから、現場従業員こそ最も多くの責任と権限をもつ必要があるということである。
そして、上層部はそれが実行されるために様々な角度からサポートをし全体として企業の目標を実現していくことが理想であると思われる。
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