| 「冷静と情熱のあいだ」を鑑賞して
映画「冷静と情熱のあいだ」のヒロインに私は何を見たのか。過去というにはまだ近すぎる過去の記憶をめくりながら通り過ぎてゆく 悲しみと喜び そして 悲しみを繰り返した日々か 誰にも見せることなく流していた彼女の涙か それとも 自分の弱さ。
そもそも 自分に何かできるというのが 間違いであり 傲慢だったのだろうか。 弱さを捨て 強くなることを望んだが つまらないことのように思われ始める。
冷静であるように装う姿が 際限なく自分の弱さを露呈してゆく。いや 弱さではなく 孤独感 居場所のない悲しみから逃れ 再び繰り返される悲しさ。
情熱を誰にも見せることなく過ぎ去ったあの後ろ姿は もう 記憶の中でしか見られない。十年後の約束はできなかった する暇も 余裕もなかった 未来のことなど ずいぶん先のことだった。
私の言葉はどこに行ったのだろうか 直接届けられることのなかった言葉たちは・・・。
君たちは 宙に舞い どこかの島に流れ着けたのか。
今はすべてを消し去りたい 過去にしがみつくことは惨めであるし 未来に夢をかけられるほど明るくはなれない。
ただ 現在をひたむきに生きることだけが 私の最後の砦になりうるのか 過去も未来も語るこのできない私には 沈黙しか残されていない。
だが 私は祈りたい
ただ ひたすら 幸あらんことを
そして いつか微笑み合えることを
(K.H) |