IEEE1394
IEEE1394とは、ひと言で言うならCOMポートのようなシリアルバスの1つです。パソコンと周辺機器をつなぐだけでなく、ビデオカメラなど家電製品ともつないでしまうインターフェースです。
 IEEE1394の規格はもとは1986年に米アップル社が「FireWire」という名称で開発していたもので、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)によって標準化作業が行われ、1995年にIEEE 1394-1995規格として承認を受けました。現在、日本ではソニー社がつけたi.Linkという名称になっています。
 1990年代半ばにマルチメディアが大きな話題となった頃、パソコン用にはCOMポートやPRTポート、SCSI、IDEなどのインターフェースがあり、家電用にはビデオ入出力用にS端子やアナログ端子、音声用端子などいくつもあり、これらを製品に搭載するだけでもかなりのスペースが必要でした。さらにそこにつながるケーブルも何種類も必要となります。
 また当時の伝送速度はマルチメディアで必要とされるデータを伝送するには十分なものではありませんでした。そこでコンピュータ機器と家電機器を接続し、低コストで高速なインターフェースとしてIEEE1394が注目されたわけです。
   IEEE1394の接続方法としてはSCSIのようなディジーチェーン型とツリー型の2種類があり、接続可能な機器の台数は最大63台と、SCSIの15台に比べるとはるかに多いのです。
   IEEE1394に接続された機器を「ノード」と呼び、水色ノードのように接続口が両端に1つずつあるものをリーフノード、赤色ノードのように片側に複数の接続口があるものをブランチノードと呼びます。ノード間のことをホップと呼び、1ホップの最大長は4.5m、最大16ホップまで使用できます。  このことからわかるようにリーフノードだけを使用すればディジーチェーン型となりますが、最大接続台数は17台になります。18台以上の機器を接続したい場合にはブランチノードの機器が必ず必要となります。
 接続ケーブルはIEEE1394として3種類発売されており、両端のコネクターがそれぞれ6ピン、4ピンのものと、6ピン・4ピンを組み合わせたものがあります。
 IEEE1394で基本的なのは6芯のシールドツイストペアケーブルで、2芯1組でシールドされている信号線が2組(合わせて4芯使用)と電源線が2芯使ってあります。2組の信号線はひとつをデータ信号用、もうひとつをストローブ信号用としています。
 これはデファレンシャル方式という技術で、データを伝送するために使っています。この方式を使うことによりデータの転送速度をあげたりケーブル長を長くしたりできます。この6芯に対応したケーブルが6ピンコネクターのものとなるのです。
 しかし家電などで必ずしも電源線は必要としない機器もあったので、6芯のうち電源線2芯を省略した4芯のケーブルが出てきてました。デジタルビデオに搭載されているDV端子(i.Link)はこの4ピンコネクターのケーブルを使用しています。
データ信号とストローブ信号、この2つの信号は、 IEEE1394で基本となる6芯シールドツイストペアケーブル中の信号線の中を流れる信号です。
6芯シールドツイストペアケーブル中には信号線が2つあり、ひとつはデータ信号用、もうひとつはストローブ信号用です。IEEE1394では、この2つの信号線を利用し、Data-Strobe符号化方式と呼ばれる方式によりデータ転送を行っています。
 Data-Strobe符号化方式というのは、データ信号の値が0から1、または1から0に変わった時、ストローブ信号の値を変化しないようにしています。一方、データ信号の値が変わらないときにはストローブ信号の値を変化させます。  受信側でデータ信号とストローブ信号の排他的論理和(eXclusive OR:下記参照)を計算することにより、それを同期信号用のクロックとすることができるからです。同期信号用のクロックというのは信号受信のタイミングを取るために使う機能です。
 これにより、転送データ中に同期をとるためのデータを入れなくて済むので伝送効率が100%になるという利点が生じます。受信用のクロック生成回路が必要なくなるのもメリットのひとつです。こうした利点は、少しでもコストを下げたい家電メーカーにとっては重要なポイントなのです。
 また、IEEE1394のデータ転送速度には現在100、200、400Mbpsの3種類ありますが、どの速度でもリアルタイムなデータ転送が出来るような仕組みが用意されています。リアルタイムなデータ転送ができないと再生中の映像がコマ送りになってしまったり、音楽が飛んでしまうなど問題が出てしまうのです。
 リアルタイム用の転送をIsochronous転送、時間の制約に厳しくない方をAnsynchronous転送と言います。
 OHCIとはIEEE1394コントローラとパソコン間のインターフェース規格です。SBP-2はハードディスクやCD-ROMドライブなどをIEEE1394につなぐためのプロトコルです。両規格をOSが標準で提供してくれれば周辺機器メーカーはこの規格に対応した製品を製造すればOS上のドライバーを作成するコストを下げられます。
 IEEE1394は今後も進歩する見通しです。具体的にはIEEE1394aとIEEE1394bと呼ばれる2つの規格が現在検討されています。IEEE1394aはIEEE1394の補完的な規格です。検討されているものはいくつかあるのですが、その中でもデジタルビデオカメラで使われている4芯用のケーブル&コネクタの規格化が注目されています。というのも、IEEE1394はもともと6芯をもとに規格化されているので実はまだ4芯用は正式規格ではないからです。一方のIEEE1394bはIEEE1394やIEEE1394aの発展系という位置付けとなっています。転送速度を800〜3200Mbpsまであげるとか、光ファイバやLAN用のケーブルを使って最大長を伸ばすなどが検討されています。
参考資料 http://www.yomiuri.co.jp/bitbybit/bb_head.htm