十二族長への遺訓
                   Testament of the 12 Patriarchs

この12の書は創世記49章に倣い12人の族長が臨終に際し
与える訓戒という形式をとっています。多くの族長は自分の
人生に関連した訓戒を与えています。

ルベン (ビルハとのように)
姦淫を避け女性に気を付けよ
ダン 怒りを避けなさい
シメオン (ヨセフを売り渡したような)
嫉妬に注意しなさい
ナフタリ 秩序にしたがって生きなさい
レビ 祭司職の腐敗についての警告 ガド 憎しみを避けなさい
ユダ 姦淫や酩酊を避けよ アシェル 1つの顔を持って歩む
イッサカル 二心をなくしなさい ヨセフ 神を恐れて歩むなら守られる
ゼブルン 隣人に同情心を持ちなさい ベニヤミン (ヨセフのように)
善をもって悪を征服しなさい

祭司職の腐敗について:「レビの遺訓」には当時の祭司職の腐敗した状況が
描かれています。それがいつ記されたのか、またユダヤ人のみによるのか
後代のクリスチャンによる加筆なのかなどわからない点が多いものの
1世紀のイエスの時代と共通する事柄も多く含まれています。
14:5,6では「主の捧げ物を盗み売春婦と食べる」祭司たちが「欲張りの
心から主の命令を教えている」と非難されています。(Mt21:13 と比較)
16:3では「至高者の力で律法を更新する人を詐欺師と呼び、ついには
その人の尊さを知らずにおどりかかって殺した」と非難していますが、
これはメシアの殺害を感じさせる記述でもあります。(Mt27:63 かたり者)
祭司たちの汚れのために神殿はさびれ、捕虜となって世界中に散るであろうと
言われています。(15:1)興味深いことに新しい祭司職が予告されており
「ユダに王が現われて、異邦人のやり方ですべての異邦人のために新しい祭司職を
行なう」といわれています。(8:14)また古い祭司たちの「罪を罰したあとで
祭司職が終わる。その時主は新しい祭司たてる」(18:1,2)ともはっきりといわれて
いるのは興味深いことです。

西暦70年のエルサレムの滅びについて:祭司職の腐敗に関連してエルサレムと
神殿が滅ぼされることについても述べられているのは興味深いことです。
「レビの遺訓」では「主はエルサレムを保持せず、神殿の幕は裂かれる」(10:3)
とあり(Mr15:38)、また彼らが70週間さまよって祭壇を汚したので聖所は土台
まで荒れ果てるといわれています。(16:1,4)(Da9:24-27 と比較)
「ユダの遺訓」23章では飢饉、死、剣、敵の包囲、幼児殺し、財産の略奪、
神殿の焼失、異邦人の奴隷となるとこが予告されていますが、これらは
西暦70年に実際に生じました。(Lu19:43,44,,21:20-24)