Arrian
アリアノス(89〜170)
「アレクサンンダー大王東征記」:アレクサンンダーによる征服の記録
ティルスの攻略:アリアノスはアレクサンンダーによるティルスの攻略についての
かなり詳しい情報を提供している。アレクサンンダーがここを攻略しようと考えたのは
海上におけるペルシャへの優位を確立するためだった。(2.17)しかしティルスは
四方をぐるりと城壁で囲まれており形勢はティルスの方が有利であった。(18)
アレクサンンダーは堤防をつくりティルスを攻略しようと考えたが水深は5.3mにも
達するところがあり工事は困難であった。しかし本土側には「石材も石材の上に積み上げる
木材もふんだんにあった」のでそれらが利用された。(18)このことはエゼキエルの
「石や木工物が水の中に置かれる」という預言の劇的な成就となった。(Ez26:12)
しかし突堤がティルス本島に接近すると工事はペルシャの三段櫂船による激しい
攻撃を受けた。(19)しかしシドンやキプロスの船団がアレクサンンダーに味方したため
突堤を完成することができた。(20)預言者ゼカリヤは「ティルスは自分のために累壁を
築いた」と述べているが(Zec9:3,4)ティルスの城壁は高さが約45mにも達していた。(21)
しかし大変な困難の末この城壁は攻略されアモスの「ティルスの城壁に火を送る」という
預言が成就した。(Am1:9,10)結果としてティルスの住民の3万人が奴隷として売られたが(24)
これは奴隷貿易(Ez27:13)によってユダヤ人を売り払った(Joel 3:4-8)ことに対する
ふさわしい報復となった。
ガザの攻略:「ガザもまた激しい痛みを覚える」と預言者ゼカリヤは預言していたが(Zec9:5)
この町の攻略も困難が伴った。ガザは長期の攻撃に耐えられるだけの食料を備蓄しており
決して攻め落とされることはないとアレクサンンダーをあなどっていた。(25)ガザへの道は
深い砂地の中を通じており、小高い丘の上にそびえる大きな町は堅固な城壁で固められて
いた。(26、Ac8:36と比較)アレクサンンダーはティルスを攻略したのに用いた装置を取り寄せ
四方に土塁を築いてこの町を征服した。子供や女たちは奴隷として売り払われたが
これはティルスとともにフィリスティア人が奴隷として売られることを預言したヨエルの預言の
めざましい成就となった。(Joel 3:4-8)なおガザの最終的な攻略はマカベア時代による。