バビロンについてのヘロドトスの記述

ヘロドトスの「歴史」には古代バビロンについての興味深い情報が
いろいろと収められていますが、ここでは聖書預言と関連が深い点を
取り上げてみたいと思います。

「バビロンの町の規模はこのように巨大なものである」
(1−178)

これはネブカドネザルが「この大いなるバビロン」と言って
バビロンの町について誇ったことと一致している。(ダニ4:30)

「他に例のないほど美しく整備された町である」
(1−178)

ヘロドトスによれがバビロンは他に例のないほど美しく整備された町で
道路はきちんと整備されて直角に交差しており、建物は3階、4階建ての
ものが並んでいたという。しかしイザヤはバビロンが
「繊細で優美だと言われることを二度と経験しない」であろうと予告し
そのとおりになった。(イザ47:1)

「高さ200ペキュスの城壁が町を囲んでいる」
「城壁の全長にわたって100の門があり総青銅造りで」
(1−178,9)

ヘロドトスによると高さ200m程になるがこれは誇張であろう。
とはいえかなりの高さであったと考えられる。
エレミヤは「バビロンの城壁は広いとはいえ必ず破壊され、
その門は高いとはいえ火で燃え立たされる」ことを予告した。
(エレ51:58)またキュロスは「銅の扉を粉々に砕く」とも預言
されている。(イザ45:2)

「聖域の中央に頑丈な塔が建てられ・・・8層に及んでいる」
(1−181)

一般にバベルの塔とされているものである。ヘロドトスによればこれに
上るための螺旋状の通路があったことになっているが、
ブリューゲルの有名な絵はこの記述をもとにしているようだ。

「もう一つの神殿にはゼウス(ベル)の巨大な黄金の座像が安置され」
(1−183)

ベルはバビロンの主神マルドゥクのことで、ベルシャザルのは「ベルは
王を守る」の意があったが、バビロンが攻略されたとき
イザヤの予告したとおりベルは何の役にもたたないことが示された。
(イザ46:1)

「幾年でも篭城に耐えられるだけの食料を
あらかじめ城内に運び入れていた」
(1−190)

バビロンは攻略されないことに絶対の自信を持っており、
「安らかに住んで」いたが(イザ47:8)そのようなおごりは
清算されようとしていた。

「運河によって川の流れを沼になっているところに誘導し、
川の水が退いて歩いて渡れるようにしたのである」
(1−191)

この有名な部分は「彼女の水の上には荒廃があり、それは必ず
干上がる」というエレミヤの預言の成就となった。(エレ50:38)
ヘロドトスによればこれは以前バビロンの堤防をつくる際に
女王ニトクリスが行なったことであったという。(1−185)

「その時刻には踊り狂い飲めや歌えやの大騒ぎで」
(1−191)

これはベルシャザルが町の著名人たちを多数集めて大宴会を
催していたというダニエルの記述と一致する。(ダニ5)

「バビロン地方は穀類の産出では飛び抜けて最高である」
(1−193)

ヘロドトスは信じられないであろうが、と言いながらこの地域の
産出は播種量の200〜300倍を産出していることを述べている。
こうしてもるとイザヤがバビロンは人の住まない荒れ果てた所と
なると予告しているのは驚嘆に値すると言わざるを得ない。
その預言は1000年ほどたってから成就しはじめたが、
興味深いことにその土地はアルカリの層になって農耕に
適さなくなったため、人が住まなくなったという。
確かにこの預言は霊感によるものであることを確信させる
ものとなっている。


Written by Shinichi Yoshinaga、2002