Leibniz
                ライプニッツ
                1646−1726

悪の存在について:神が愛を持って私たちをお造りになったのなら
なぜ悪が存在しているのか?神が全能であるならなぜ悪をとり除かれ
ないのか?このような疑問は長年にわたりキリスト教徒を悩ませる
難問となってきました。

ライプニッツは「弁神論」(ないし「神の正義」)という著作を通し神の
立場を弁護しています。まず本論の冒頭において多くの人にとっての
疑問として、神は人間に自由意志を与えたことにより無数の悪が生じ
イエスが遣わされたとはいっても救われるのは少数だということを
考えると神は非難に値するのではないか、という点を提起しています。
(1−5)それに対するライプニッツの弁明は

神は最善の仕方で世界をお造りになった>というものです。(6−19)
世の中には善より悪の方が多いではないか、という反論(13,16,19)
に対しては、宇宙全体を考えると悪よりも善の方が多いといいます。(19)
数学者でもあったライプニッツは数列の例を挙げ、一見不規則に思える
数列に規則があったり、あるいは曲線が無茶苦茶にみえても方程式が
あったりするように、欠陥があるようにみえるかもしれない宇宙もこれと
同じように考えることができ、悪の存在する世の中は欠陥があるように
みえるとしても神のみ業は最善のものであるという考えを展開しています。
(242)人間の世界でみる限り善よりも悪が多いようにみえますが、
神にとって宇宙においては悪よりは善のほうが比べ物にならないほど
多いのです。(262)

 <神は悪を容認しているにすぎない>ことが示されます。(20−26)
悪の源泉は被造物自身の内にあり(20)神が悪を欲することはけっして
ありません。(23)