第二マカベア書

1−2 エジプトのユダヤ人への書簡
神殿の宝庫に関する物語
大祭司の腐敗
5−10 アンティオコスの迫害、殉教と神殿の清め
(マカベア書第一と並行)
10−15 ユダス・マカバイオスによる数々の勝利

この書はマカベア書第一と並行記述がみられるものの
神学的な歴史記述という特性を持っている。
殉教していく人々が理想化され、復活の希望が擁護される。
また神による奇跡的介入も多く語られる。

祭司職の腐敗について:アレクサンンダー大王の時代以降ユダヤ人たちは
ギリシャの支配下に置かれますが、特に西暦前2世紀頃ギリシャの習慣に
同化させようとする強い圧力にさらされていきます。アンティオコス4世の時代に
ヤソンという人物は賄賂により大祭司職を手に入れ(4:7,8)ギリシャ文化を
導入しエルサレムにギムナジウム(競技場)を建設していきます。(4:9,14)
 ところがメネラウスという人物がヤソンより300タラントもの高額の賄賂を
支払うことにより大祭司職を奪います。(4:24)マカベア家はそのような腐敗に
対抗しギリシャ的な影響力と戦い勝利を得ます。しかし支配権を得た
マカベア家は政治的権力だけでなく、大祭司職を兼任するようになっていき
(1Mac14:38、Zec6:13 と比較)、この時代からイエスの生活された時代に至るまで
そのような腐敗した状況が続いていきます。そのような腐敗に反対した「敬虔な者たち」
(ハシディーム)はパリサイ人の起原になったとされていますが、祭司階級であった
サドカイ人と激しく対立していきました。また腐敗したユダの地を去り荒野で生活を
始めたのがクムラン文書で知られるエッセネ派の人たちではないかと考えられて
います。イエスによる神殿の清めはそのような腐敗した祭司職に対する最終的な
裁きの通告でした。(Mal3:1-4, Jn2:13-16, Mt21:12,13)

死者の希望について:7章では豚肉を食べさせようとされた7人の兄弟が
次々に殉教の死を遂げていく物語となっていますが、神が再び「立ち上がらせ」
命を与えてくださるという復活の希望が鮮明に表明されています。
  一方復活する者のための「死者のための祈り」(12:44)や、死者による
生きている者たちのための祈り(15:12)という思想は
ヘブライ語聖書にはない独特のものとなっています。