オリュムポスの12神
| ギリシャ名 | ローマ名 | ||
| ゼウス | ジュピター | 12神のうち最も主要な神。4年に一度のオリンピア競技会やコリントに 近い神域で祝われたネミア競技会で祭られていました。パウロは コリント第一9章の中で「競技に参加する人は皆、すべてのことに 自制を働かせる」と述べていますが(1Co9:25)オリンピア競技会に 参加する人たちはゼウスに誓って10ヶ月にわたる厳しい訓練を 受けなければなりませんでした。 聖書の神と違いギリシャ神話の神々は人間的で不道徳であったことが 1つの特徴となっていますが、ゼウスはその典型といえます。 ゼウスは女神たちや人間の女性と次々に関係を持ったことで知られて います。その一部だけ挙げれば メティス(最初の妻)→アテナが誕生 ヘラ(正妻)→ヘパイストス、アレスが誕生 セメレ(ティルスの王族の娘)→ディオニソスが誕生 レト→アルテミス、アポロンが誕生 マイア→ヘルメスが誕生 などです。またゼウスは美少年ガニュメデスとも関係を持ち、同性愛者と しても知られていますが、古代ギリシャでは同性愛が盛んでした。 ですからパウロがギリシャ人の偶像崇拝者たちを恥ずべき性欲に 渡された者たちと結び付けていることをよく理解できるでしょう。(Ro1:22-27) |
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| ヘルメス | メルクリウス | 英語ではMercury。旅人や商人の守護神で死者の魂を冥界に案内 することもあります。大英博物館でみられるエフェソスのアルテミス神殿 の柱はヘルメスとタナトス(死)が死者を導く様子を描いています。 使徒14章の中で足のなえた人をいやしたパウロとバルナバは ゼウスとヘルメスに間違えられました。(Ac14:12,13) 地元のフリギアの 伝統はかつてこの2神がフリギアを訪ねたとき人々が寛大に迎え なかったため人々が洪水により滅ぼされたことを伝えており、 地元の祭司は同じ間違いを犯さないように行動したのかもしれません。 |
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| ヘラ | ユノ | ゼウスの正妻であり、ゼウスの浮気に嫉妬し産まれてきた神々に 残忍な復讐することで知られています。 |
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| アポロン | アポロ | ゼウスとレトの子でヘラの嫉妬にあいデロス島で密かに誕生したとされています。 ペルシャ戦争のあとイオニア諸都市はデロス同盟を結成し、ペルシャ軍の再来に そなえてデロス島のアポロン神殿に財産を保管しました。 アポロンは誕生後まもなきうデルフィに赴きその地を守っていたピュトンという 大蛇を殺しそこに神託所を開きます。デルフィのピュトン競技会はギリシャの 4つの主な競技会の1つになります。パウロはこのアポロに扮したと思われる 悪霊にないし「ピュトンの霊」を追い出し大損害を与えたことが記録されています。 (Ac16:16) |
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| アルテミス | ディアナ | アポロンの兄弟で狩猟の女神。エフェソスのアルテミスとはもとは無関係ですが ギリシャ人たちは、ギリシャのアルテミスをエフェソスのアルテミスと同一視 しました。エフェソスのアルテミス神殿は世界7不思議の1つとして知られていました。 (Ac19:27) アルテミスは残忍な復讐の女神として知られ侍女カリストを熊に変えた ことも知られていますが、神は罰を与えるときに動物に生まれ変わらせるという 輪廻の思想があったことがわかります。 |
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| アフロディテ | ビーナス | 愛と豊穣の女神でバビロンのイシュタルやカナンのアシュトレテを母体としています。 彼女の愛人は美少年アドニスで、植物の再生をあらわす神ですが、バビロンの タンムズが母体となっているとされています。イザヤ17章の「快い栽培地」は 「アドニスの栽培地」とも理解されています。(Isa17:10) アフロディテは人間と交わりトロイアの武将アイエネスを産んだとされますが ウェルギリウスは「アエネイス」の中で彼をローマ建国の祖としています。 |
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| ヘパイストス | ウルカヌス | 火と鍛冶屋の神でvolcanoの語源である。アエネイスやアキレスのための武器も つくったとされます。 |
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| アテナ | ミネルバ | ペルシャ戦争の勝利を記念してつくられたアテネのパルテノン神殿はこのアテナ女神を 祭った神殿です。パウロはこの神域の神々の多さに苛立ちを覚えました。(Ac17) 知恵と戦いの神ですが、機織りの守護神としても知られています。機織りの名手 アラクネはアテナにも負けないと豪語したため蜘蛛に変えられてしまいますが、 オヴィディウスの「変身物語」は神は罰を与えるときに動物に生まれ変わらせるという 実例をたくさん載せており、ここにも輪廻の思想がみられます。 |
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| アレス | マルス | 戦いの神。正義の戦いを導くとされるアテナとは対照的にただ殺し合いを喜ぶ 狂暴な神として知られています。 |
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| ポセイドン | ネプトゥヌス | 海の神で航海の安全もつかさどる。怒らせると嵐が生じると信じられました。 コリントで開かれたイストミア競技会はポセイドンを祭ったもので 「それを獲得するような仕方で走りなさい」(1Co9:24)というパウロの訓戒は イストミア競技会を念頭に置いているとされています。 |
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| デメテル | ケレス | 穀物の成長をつかさどる女神です。 | |
| ヘスティア | ウェスタ | かまどの守護神でギリシャ人が酒盛りを開くときにはまず彼女に 献酒するならわしがありました。ローマではウェスタと同一視され国の守護神として 崇められました。フォロ・ロマーノにあるウェスタ神殿では貴族の娘が巫女として 仕え、絶えることのない火が保たれていました。 |
その他の神々:
| ディオニソス | バッカス | ギリシャの演劇の起原はディオニソスに捧げられた宗教上の祭りに由来すると いわれています。 ディオニソスはぶどう酒と豊穣の神で 人々は酔っ払うことにより"霊感を受ける" ことができると考えて いました。それでパウロは「酒に酔わない」ものの 「霊に満たされる」 べきであることを述べているようです。(Ep 5:17) |
| エロス | キューピット | アフロディテとアレスの子で愛とつかさどる神。この神が「キューピッドの矢」を射る ことにより愛が燃え上がるので 理性では制御できない力であるとされていました。 愛といえば ギリシャ人にとってはエロスが主要なものでありアガペーは ギリシャの文献にはほとんど用いられていません。 |
| ハデス | プルト | 冥界の支配者 |