ペルガモン博物館と聖書

ペルガモン博物館はドイツの首都ベルリンの博物館島にあり、
聖書関係の展示がたくさんありますが、とりわけ古代バビロンの
イシュタル門と隣接する行列道路の実物が復元されていることで有名です。

ペルガモン博物館の1/3はアッシリア・バビロン、1/3は
ギリシャ・ローマ、残りはイスラム関係の展示となっています。
聖書中に出て来るバビロンの町はあまりにも長い間塵の下に埋もれて
いたために、その存在そのものが疑問視されていましたが
1887年以降ロバート・コルデバイ率いるドイツの発掘隊により
その壮大な姿が明らかにされました。
以下では1999年夏の見学記録にもとずき
アッシリア・バビロン関係の展示物を紹介します。
(カッコは部屋の番号をあらわします。)
写真はクリックすると拡大するものもあります。


(1)ヒッタイト

いわゆる"ヒッタイト王国"の展示。ヒッタイトの神々の行進など見ることが
できますが、聖書中のヒッタイトとの関係はよくわかっていません。

(2)シリア・小アジア

シリアで見つかった天候の神ハダドの像

聖書中に出てくるベン・ハダド(列王一 15:18)、ハダドエゼル(列王一 11:23)
の名にはそれぞれハダドの子、ハダドは助け主の意味があります。

イシュタルの銀貨

頭上には7つの星も見えます。


三つ組の神々

バビロニアでは占星術が盛んで神々は太陽(シャマシュ)、月(シン)、星(イシュタル)
などであらわされました。(イザ 47:13)


巨大な鷲の像

中東の人々にとって鷲の力強い姿はなじみぶかいものですが、
聖書中でも急襲する軍隊を表わしてよく用いられています。(申命 28:49,イザ 46:11)


まんじ形の十字架

十字架は元来は回転する太陽や火、生命をあらわしました。
十字架の使用は古代バビロンに由来しています。


(3)エサルハドンの大きな像



エジプトの王ティルハカへの勝利を記念したものです。(ナホ 3:8-10)
小さく描かれた捕虜や上部の神々が王の権威を示しています。
捕虜は前からティルハカの息子、シリアの王で鼻に輪を通されています。
この像の右側面には息子のアッシュルバニパルの様子も見られます。この近くには
サルゴン2世(イザ 20:1)の像も見られます。


(5)(6)シュメール・バビロン

ネブカドネザルの碑文

ネブカドネザルのバビロンでの建築の偉業を大いに誇った碑文は必見です。
これはダニエル 4章30 節の記述をよく裏付けています。


メロダク・バラダンの石碑

メロダク・バラダンの石碑はユダのヒゼキヤのもとを
訪問したバビロンの王です(イザ39:1,2)。石碑では役人に土地を与えています。



(7)イラン

女神イナンナの像

天の女王イナンナの神殿の外壁の一部です。描かれている男神と女神は手に水の瓶を持ち、
雨を与えています。角のついた冠はこれが神であることを示している。
このような女神の崇拝は聖書時代に盛んでアシュトレテ、アフロディテなどが崇拝されました。


(8)行列道路

毎年の新年祭でマルドゥクをたたえる行列がおこなわれました。


(9)イシュタル門

当時の職人はレンガの1つ1つが正しく組み合わされるよう
特殊な符号を打っておきましたが、そのおかげで門の復元が可能になりました。


(10)アッシリア

この部屋のニムルード出土の碑文はアッシュルバニパルの軍事的成功、
建設、敬虔さと神々をたたえる文からなっています。
命の木とケルブを思わせるモチーフは様々な文明に見られるものです。

アッシュルバニパル王のライオン狩り(ナホ 3:1)やティグラト・ピレセル
3世のレリーフも見られます。 その他の展示としてアッシリアの十字架や
アッシュールのイシュタルの神殿があります。

アッシリアの十字架


(11)アッシリア

アッシリアの王の力強さ

このアッシリアの宮殿の碑文は王がアッシュール神により多くの国々に勝利を
得たことや、捕虜を移動させたことを述べています。(列王二17:6 参照)
力強さを誇示する王の足に注目!

(12)アッシリア

この部屋の巨大な水盤には魚の神と思われるものも描かれていますが
フィリスティアのダゴン(サム一 5:5)を思い出させるものです。

(13)ウラルトゥ

聖書中にも出てくるアララト王国(列王二 19:37,エレ 51:27)は
前9−8世紀にアッシリアに敵対する勢力になりましたが、
アッシリアの碑文にウラルトゥとして言及されています。


Copyright Shinichi Yoshinaga 1999