Seneca
セネカ(前4〜65)
「道徳書簡」:セネカの人生観、倫理観が反映されたいろいろな書簡からなる
見世物について:セネカは1世紀当時の見世物がいかに有害なものであったかを
述べています。見世物に行って来るたびに心に悪影響を受け、「いっそう不人情に
なり非人間的になる」ことを感じるとセネカはいいます。見世物は
「ただただ人殺しあるのみ」となっていたので「心の良い状態にとって最も有害」
です。(7)パウロもそのような「心が無感覚」になっていた人々について
言及しています。(Ep4:14) 不道徳がはびこっていたことについては
97(時代の堕落について)でも「何と言う堕落した現状だろうか」と嘆かれています。
また歓楽地からできるだけ遠ざかっているようにとも訓戒されています。(51.5)
イエスが付けられた杭について:セネカは当時あったと思われる処刑方法の1つとして
「拷問の柱」につけられることについて述べていますが(101.11、12)
そのような死に方をもっとも惨めなものとして描写しているように思われます。
「拷問の柱」につけられることにより体が不具や片端になったり、肩や胸に醜い
出来物が腫れ上がったりしすること、またその「醜い苦痛」について述べています。
このことはイエスの死の苦しみについての私たちの理解を深めさせてくれると
いえるでしょう。(処刑にための「鞭や拷問具」「肉体をずたずたに切り刻む
数多くの道具」については24.14も参照。)
人生の短さについて:アリストテレスが観察したように動物は人間より5倍や10倍も長い
一生を送るのに偉大な仕事を行なえる人間が短い期間しか生きれないのは不可解な
ことです。(1.2,3)人は「50歳になれば・・・」「60歳になれば・・」と言いますが予定通り
長生きする保証がどこにあるでしょうか。(3.4、Lu12:19〜21と比較)
多くの人は時間をもてあそんでおり、それは「細心な注意を持って大切にされるべき」
です。(8)(Ps90:10,12)
その他の話題:セネカは1世紀の世界について理解を得させる様々な分野を
書き残していますが、その他幾つかを簡単に挙げておきます。
旅の大変さについて(57、2Co6,4:5),何が徳とされるげきか(66.2,Ph4:8,1Ti4:8)
良心の働きについて(41.1、97、Ro2:14,15)貪欲について(115.16,1Ti6:9,10)
適した土が種を成長させるように適した心のみが教えを受け入れることについて
(36.2,Mt13,15,23),奴隷にも親切にし一緒に暮らすべきこと(47.5、Jn15:15,
Philemon),アレクサンダー大王を滅ぼした酒乱について(83.23)
参考文献:セネカ「道徳書簡集(全)、倫理の手紙集」、茂手木元蔵訳
東海大学出版会
セネカ「人生の短さについて、他二編」、茂手木元蔵訳、岩波文庫
Zondervan Illustlated Bible Backgrounds
Commentary,Volume1