学生自治会と大学自治を考察する総合サイト【@じちかい】トップページ
学生自治会に関して、基本的な考察を加えています。
学生は、「よりよい条件の下で学問をしたい」「専門の学問を深めたい」「幅広い教養を身につけたい」「サークルなど課外活動に思いっきり打ち込みたい」など、大学生活に対して多彩な要求を持っています。
しかし、その要求が十分にかなえられるとは限らない現状も、一方ではあります。
大学の講義内容や設備が十分でない場合もあります。また、高学費の問題は、「学費や生活費を稼ぐためのアルバイトに時間をとられて、肝心の勉強する時間がとれなくなる」などの状況も生みだしています。
大学生活に関するさまざまな願いをかなえたい・大学生活をもっとよくしていきたいと、学生が力を合わせていく学生団体が、
今までにも、各大学の学内の設備改善や、学費値上げ計画の中止などを、学生が力を合わせて実現しています。
一言でいうと学生自治会は、「すべての学生が対等な立場で力を合わせ、大学生活をよくしていくために活動する学生団体」です。
大学では、「学問をする基準は、特定の人にとっての利害関係ではなく、真理の探求だけが唯一の基準となる」という立場から、【教員・職員・学生など大学関係者自身が、その大学を自主的に運営していく】という、大学自治の原則が、長い歴史を経て確立されてきました。
大学自治の原則では、「大学にかかわることは、大学外部からの圧力ではなく、一人一人の大学の構成員が対等な立場で自主的に話し合うことで、民主的に決める」ということです。
また大学自治の原則では、一部の構成員(学長・幹部職員など)だけの意見が一方的に押しつけられるのではなく、すべての大学の構成員が対等な立場で意見を出し合い、大学運営に参加していくことができます。大学にかかわるすべての構成員が、それぞれ固有の権利を持って、対等な立場で大学の運営に参加していく権利のことを、全構成員自治といいます。
大学自治から見て、学生はどういう位置づけになるのでしょうか。学生は「『大学』というサービスを受けている『お客さん』」という、受け身の存在ではありません。学生自身も、教員や職員と対等な立場で、大学の運営に参加していく主体者です。
「学生の立場から、大学の自治をすすめる学生団体」が、学生自治会です。大学の運営にかかわることは、学生自治会が全学生の声をまとめ、大学の運営に学生の声を反映させていきます。
学生自治会は、大学自治の担い手の一環として、教員や職員とは独立・対等の立場で、学生が自主的に運営します。学生生活にかかわることでは、学年や年齢・学内団体での役職などに関係なく、学生自身が対等な立場で意見を出し合い、自主的・民主的にルールをつくって、自主的に活動していくことができます。
教員や職員が、学生の活動に対して、学生の意見を聞かずに一方的に規制したり干渉したりすることはできないというのが、大学自治の本来の姿です。
「教職員とは独立・対等の立場で、大学の運営をになっていく一翼としての学生団体」という性格をもつ学生自治会は、「学校の教育活動の一環として顧問教員を置き、教員の指導のもとで活動する」ことが学習指導要領で定められている高校までの生徒会と比較すると、組織の形態は似ていても実際の性格は大きく異なります。
学生自身も大学自治の一翼を担って大学運営に携わる権利(学生の自治権)は、現時点では法律として直接的な形で明記されているわけではないようです。しかし、大学での学生の自治権は、大学の歴史の中で、大学関係者の合意のもとで確立されてきた権利です。
学生が大学運営に参加する際、具体的にはどのように参加すればいいのでしょうか。個々の学生が声を上げるのも大切なことですが、それだけでは「一部の学生の個人的な意見」と見なされて、大学運営に学生の声が反映されない可能性もあります。
そういうことを考えれば、学生の総意をまとめて大学運営に反映する組織が必要になっています。それが、学生みんなが会員になる、全員加盟制の学生自治会です。
全員加盟制ということは、学生の間にはいろいろなものの考え方の違いがあることは、当然の前提になります。
大学という集団は、「学ぶ・真理の探究」という目的で集まってきた集団です。学問や真理の探究には、特定の考え方や先入観・利害などにとらわれずに、客観的事実を科学的に分析していくプロセスが不可欠です。
したがって、大学入学に際しては、政党や市民団体・サークルなどへの加入と違い、大学入学(集団への加入)の条件として「特定の考え方を支持するか・特定の考え方で一致するどうか」を求められてはいません。大学入学に際しての一致点は「大学で学ぶこと」の一点だけです。
当然のことながら、政治的な考え方・宗教的な考え方といった大きいところから、生活習慣・趣味・好きな食べ物・好きなスポーツ・好きなテレビ番組など身の回りのものごとにいたるまで、学生の間には多様な考え方があります。
個人の多様な考え方を尊重しながら、「大学で学びたい」「大学での勉学条件・生活条件をもっとよくしたい」という共通の一致点で、力を合わせて、学生の総意を大学に反映させていく学生団体が、学生自治会です。
今までに、多くの大学で、学生が力を合わせて、また場合によっては教職員・父母や市民のみなさんとも力を合わせて、全国の大学で以下のようなことを実現してきました。
勉学条件に関しては「講義内容についての学生アンケート・教員との懇談」「大学図書館の開館時間の延長」「教室へのクーラーの設置」「共用のインターネットパソコンの増設」などが、各地で実現しています。
大学での生活条件に関しては、「学生用個人ロッカーの設置」「郵便局・銀行のATMの学内への設置」「学生食堂の充実」「運動部の夜間練習を可能にする、グラウンドのナイター設備」「雨漏りがしていた体育館の屋根の修理」「自動販売機の増設」「携帯電話のアンテナや公衆電話の増設」などが、各地で実現しています。
通学条件に関しては、「駐輪場の増設・拡張」「最寄り駅からキャンパスまでのバス運行・増発」「キャンパスまでのバスの発着時間を、学生の実状にあったものに改正させる」などが、実現しています。
学費・奨学金の問題では、「国立大学の学費値上げを当初案よりも圧縮させる」「複数の私立大学で、学費値上げをやめさせる」「日本育英会(現・日本学生支援機構)の無利子奨学金の枠を拡充させる」などの要求を実現しています。
この章では、学生自治会がどういうプロセスを経て、大学生活にかかわる要求を実現しているのかについて、述べたいと思います。
学生自治会の要求実現活動は、「わかりやすい講義をしてほしい」「大学の食堂が混みすぎるので、食堂を広くしてほしい」「生活費のためのアルバイトに追われて勉強する時間がないが、本当は勉強の時間を確保したい」など、大学生活がもっとよくなっていけばいいなという、一人一人のつぶやきから始まります。それを大きな世論にしていき、解決への展望を作り出すことが、学生自治会の活動です。
学生自治会の執行部は、世論を広げ解決への展望を作り上げていくための、事務局的な役割を果たします。学生自治会の執行部は、一人一人の学生から寄せられた大学への要求をとりまとめたり分析する活動をおこないます。
また、学生自治会の執行部は、大学改革の問題や平和問題など、「学生の間ではあまり知られていなくても、大学や学生生活に密接にかかわってくる問題」についても、学生に広報してみんなで一緒に考えていく活動もしていきます。
要求実現の展望を広げるため、学生自治会は役員を先頭に、積極的に関係する資料を集めたり、みんなで討論したりして、要求実現の正当性や解決の展望などについて学んでいきましょう。
それでは、学生自治会は、具体的に、学生の意見をどう大学運営に反映させていくのでしょうか。
なによりも、学生の生の声を集めていくことが、一番大切です。
具体的な集め方としては、
などがあります。
学生自治会は、一人一人の意見をもとに要望書を作成し、その要望書をもとに、年1回もしくは数回、大学と交渉します。学生自治会役員などの代表者が学生課の職員と交渉する方式が一般的です。
場合によっては、自治委員会や学生の集会を開き、そこに大学職員に来てもらって、質疑応答をすることもあります。
交渉内容は、ビラや掲示物などで学生に公開されます。
大学と交渉する際は、全構成員自治の原則をふまえ、「窓口になってくれている職員に対しては節度を持った対応をおこないながらも、学生の切実な要求や学生自治会としての改善の提案を、大学側に遠慮することなく具体的に伝える」という原則を貫いています。
交渉の際、感情的になって窓口担当の職員を「つるし上げる」形になるのは、大学に暴力を持ち込む形になり、社会的にも許されないことです。
また逆に、「要求を主張すること=大学と対立すること」と一面的にとらえている、学生自治会の執行部もあるようです。
そういう執行部は、要求実現のための交渉そのものに否定的だったり、形式上交渉をおこなっていても実際には「窓口担当の職員との雑談」に矮小化したり、「交渉の際に大学側の主張に無条件に迎合して、学生側の主張を取り下げる」などしていることもあるようです。しかし、こういう態度も、一部の学生の勝手な判断で学生の切実な要求を放棄することになりますし、大学からは「学生の声はない」と見なされかねないので、正しくありません。
全構成員自治の立場から、教員や職員と対等な立場を貫いているからこそ、大学に学生の声を反映させることができるのです。
学生は、大学では幅広い教養と専門の学問を身につけるという役割を持っています。したがって、学生自治会は、「学ぶとりくみ」をなによりも重視し、学ぶことと要求実現を結びつけて活動しています。
学生自治会は、講義内容やカリキュラム問題に関して教員と意見交換したり、学生の立場からの講義・カリキュラム改善要求を大学側に伝えたりする活動にもとりくんでいます。
また、専門の学問や興味を持っている問題に関して自主的に調べて発表したり、周りの学生と討論したりする「自主ゼミ」活動を呼びかけたり、後援したりしています。
また学生は、卒業後は社会の各分野で、大学で学んだ教養や専門分野を生かして、未来の社会に貢献する役割も、同時に担っています。
学生自治会が主催したり、学生自治会が呼びかけて有志の実行委員会をつのったりして、将来の夢について交流したり、働いている先輩の話を聞いたりするなどのとりくみも、おこなっています。
具体的な取り組みとしては、たとえば、平和問題・教育問題・医療問題などの分野で、関心のある学生が集まって、ゼミナール活動をおこなっています。大学内での自主ゼミ活動もありますし、いわゆるインカレサークルのように、同じ分野を専攻したり、同じ分野に関心を持っている学生が、大学の枠を越えて集まっていることもあります。
また、各大学や各都道府県ごとに、春には「学ぶとりくみ・一緒に学びあう仲間づくり・大学生活への不安にこたえること」をメインにおいた新入生歓迎の取り組みをおこなっています。
学生自治会のとりくみに積極的に参加してきた学生は、学生時代に学生自治会の活動の中で多くのことを学び、卒業後は社会のいろいろな分野で活躍しています。
学ぶという大きな面では共通の要求を持っている学生でも、要求の中身を見れば「ある学生にとっては切実な要求でも、別の学生にとっては直接関係ない」という場合もあります。
たとえば、理系の分野を専攻している学生にとって「実験設備が貧困なので何とかしてほしい」という要求を持っていても、文系の学生には「私は文系だから、実験はない」と思うかもしれません。また、奨学金の問題でも、「私は受けていないから…」と思う人もいるかもしれません。
しかし、大切なことは、自分に直接関係ないことや、自分が直接困っているわけではないことでも、実際に困っている学生がいればその声に耳をかたむけ、心を寄せていくことではないでしょうか。直接関係のない学生でも、実際に困っている学生に共感して一緒に解決をめざしていくことで、運動を広げていくことができるのではないのでしょうか。
学生にとっては切実な要求でも、解決しようととりくむと、大学の枠を越えて、国や地方自治体の施策にも密接に関わってくる要求もあります。
たとえば、就職難の問題や、学費・奨学金の問題、教員志望の学生にとっての教員採用の問題などに関しては、国や地方自治体の施策にも関係してきます。
学生自治会は全員加盟制なので、政府や地方自治体の施策への評価に関しても、当然いろいろな考え方をもつ学生がいます。
ひとりの個人としての多様な考え方や、学生自治会の活動から離れた私的な時間を利用しての個人の思想信条に基づく活動は、当然尊重されるべきです。
同時に、学生自治会の活動としては、個人の思想信条の違いを当然の前提としながら、「大学生活をよくしたい」という共通する一致点で、学生みんなで一緒に考えあい、問題解決のための共同を作り上げていくという、全員加盟制の原則をふまえた運動を作っていくことが大切です。
学生自治会の活動は、特定の政治的立場から出発するものではありません。学生がおかれている現実から出発して、そして実際に困っている学生がいれば、その学生の願いに心を寄せて、一緒に行動していくことです。
どのような性質の要求でも、学生の切実な現状からでている限り、「自分自身も含めた学生の思いにどうこたえ、みんなで力を合わせてどう改善していくか」という立場で、要求実現にとりくんでいくことが、学生自治会の活動にとって大事ではないでしょうか。
学生自治会は、一つの大学の枠の中だけでは要求実現が困難な課題に関して、全国の学生と力を合わせています。
全日本学生自治会総連合(
また、地域によっては、全学連の都道府県支部として、都道府県学生自治会連合がつくられている場合もあります。医学部の学生の場合は、全国の医学生が力を合わせて医学生独自の要求を実現するための、全国の大学の医学部学生自治会の連合体の全日本医学生自治会連合(
全学連や各地域の学生自治会連合は、各大学での学生自治会活動・要求実現活動のとりくみを交流しあうためのセンターとしての役割を担っています。また、学費・奨学金・就職難など、一つの大学の枠の中だけでは解決が難しい要求を、全国・全県の学生が力を合わせて実現していく役割も持っています。
全学連は、年に数回国会要請をおこなっています。その際に、学内施設の問題はもちろん、学内施設の充実の基盤となる国立大学予算や私学助成の増額、学費値下げや奨学金の充実、就職難の解決など、学生にとって切実な要求を国会議員や省庁に要請したりしています。
また、国会要請の際には、代表者の生の話だけではなく、各大学で集めた要求アンケートの集計結果(「大学黒書」などと名前が付けられていることが多いようです)や、学費値下げ・奨学金・就職難解決などの署名も提出しています。
山の中腹を切り開いて新キャンパスを作った大阪教育大学の「最寄り駅からキャンパスまで階段を数百段登らなければならず、『階段の途中で倒れる学生や教職員がいた』『教員が階段を上った疲労で動けない状態になって、教員が大学に来ているにもかかわらず休講になった』などの事態さえ生まれていた」問題(1990年代前半)や、「体育館の屋根が雨漏りしていて、雨が降るとサークル活動に支障がでる」埼玉大学の問題(1990年代後半)など、当時、学生から改善を求める声が大きくあがっていた学内施設に関して、学生自治会がその問題を取り上げて大学と交渉したときは「大学としても今すぐ改善したいが、予算がなくてできない」と、あきらめ気味な回答しか得られなかった問題がありました。
それらの大学では、大学の中で世論を広げる取り組みも強めながら、学生自治会の代表は全学連の国会要請に参加して、国会議員に切実な声を知らせていきました。その中で、国会議員が現地調査をしたり、国会質問でその大学の施設の問題を取り上げるという変化が生まれました。政府からも「善処したい」という答弁を引き出し、大阪教育大学では1993〜94年に「駅からキャンパスまでのバス・エスカレーター」、埼玉大学では1998年に「屋根の修理」と、それぞれ予算が付いて改善しました。
また、都道府県単位でも、都道府県学生自治会連合(全学連の都道府県支部)と各大学の学生自治会が協力して、県庁や県議会・政党の県本部などに対して要請行動をおこなっている地域もあります。
学生自治会の機構に関しては、各大学ごとに学生自治会規約で定められています。したがって、学生自治会の機構の細かい点をあげていけば、大学ごとに千差万別になります。
本稿では一般論として、多くの大学の学生自治会に共通することを述べていきたいと思います。
学生自治会の会員の範囲は、全員加盟制の原則から、その大学に通う学生全員です。
基本的には学部単位で学生自治会を結成し、学部生全員が会員となっています。大学院生・留学生・聴講生など学部生以外の学生に関しては、独自の要求があることから、それぞれの立場ごとに、学部生とは独自に学生自治会を結成することが多いようです。
「学生自治会の結成単位は、基本的には学部単位」ということは、言い換えると、一つの学部には学生自治会は一つで、同一の学部に2つ以上の学生自治会は設置できないということです。
一学部に原則として学生自治会が一つなのは、学生全員の意見を大学運営に反映させるために、一部の有志の団体ではなく、学生全員の組織ということを明らかにするためです。
ただし、同一大学の同一学部でも、学年や学科でキャンパスが分かれていたり、昼間部と夜間部の別があるなど、「書類の上では同一学部でも、実質的には別の学生集団と見なされている」場合があります。そういう場合は、例外的にそれぞれの学生集団を学部に準じるものと見なし、学生集団ごとに学生自治会を作ることもあります。
また、複数の学部がある大規模大学では、学部学生自治会の上部機関として、全学学生自治会を設置し、各学部の学生自治会の活動調整や、全学共通の課題に取り組んだりすることもあります。
また、大学によっては、複数の学部を持つ大学でも、学部学生自治会の機構がなく全学学生自治会として一元的に活動する組織形態をとっているところもあります。
学生自治会の最高決議機関は、学生大会です。大学によっては、学生総会という名称のところもあります。
一般的には1年に1〜2回開催され、全学生の参加が前提となります。学生自治会の基本方針を決めたり、予算や決算を承認したりします。
大規模大学では、クラスやゼミの代表者で構成される自治委員会(後述)が、学生大会にかわる最高決議機関と規約で定められている場合もあります。
※大学での「クラス」について
大学では、高校までのような形式での学級編成は、多くの場合は存在しません。
学生自治会活動の中で「クラス」という場合は、学科単位(比較的少人数の学科の場合)・語学授業など「少人数で受講する必修科目」の講義教室単位(大人数の学科の場合)・基礎ゼミ単位(1年生から基礎ゼミが必修になっている大学の場合)、など、大学の実態に応じて各大学ごとに定義されます。
クラスやゼミなどから選出された代表者(自治委員・クラス代議員などと呼ばれます)が出席して運営される会議です。自治委員会・代議員会・クラス代表者会議などと呼ばれています。一般的には、1年に数回開催されます。
自治委員の選出方法の詳細については、各大学ごとに、学生自治会規約や学生自治会役員選挙細則などで定められています。
自治委員会には、自治委員以外の学生でも、参加を希望すれば評議員や傍聴者として参加できる形態をとっているところが多いようです。
学生大会が規約で定められている大学の場合は、学生自治会の中間代議機関です。また、大学によっては、最高決議機関の場合もあります。
学生自治会を代表し、日常的な活動を中心的におこなうところです。いわゆる執行部のことです。執行委員会・常任委員会などと呼ばれています。
執行委員会の中に、委員長(会長)・副委員長・書記・会計などの担当者を置いていることもあります。
執行委員会の選出方法は、全学生による直接選挙の場合もありますし、自治委員会での間接選挙の場合もあります。また、選挙の方法も、すべての執行委員をそれぞれ選挙で選出する場合や、委員長など一部の役職を選挙で選出して残りの役員は委員長が任命する場合などがあります。
また、大学によっては、執行委員会の下に、広報・渉外などの専門委員会(専門部・専門局)を設置していることがあります。専門委員会は、執行委員会の役割を補佐し、担当の分野での活動推進をおこないます。
大学祭実行委員会・新入生歓迎実行委員会・サークル連合会・体育会・新聞会・学生寮自治会など、全学的・自治的な性格を持つ学生団体の位置づけに関しては、学生自治会のなかの専門委員会として位置づけられている場合もありますし、学生自治会からは独立した学生団体として存在している場合もあります。
学生自治会では、執行委員会・自治委員会の役員選挙のための選挙管理委員会や、自治会財政が適正な使い道をされているかをチェックする会計監査委員会などを、必要に応じて設置しています。執行委員会や自治委員会との関係では、独立の権限を持って運営されていることがふつうです。
学生自治会の財政は、一人一人の学生が納入する自治会費でまかなっています。大学自治の観点から、財政に関しても外部からの援助には頼らず、自分たちでまかないます。自治会費を銀行預金の形で保管していることによる銀行利息などの雑収入がある場合もありますが、学生自治会の収入源は基本的には自治会費だけです。
自治会費の徴収方法ですが、クラスオリエンテーションや学科の必修科目などの際に、学生自治会役員が出向いて学生自治会の説明をしながら、納入を呼びかけることが多いようです。また、入学手続きを書類持参でおこなう大学の場合は、入学手続き日にキャンパス内に「学生自治会説明コーナー」を設置して、新入生に学生自治会の説明をしながら自治会費納入を呼びかける場合もあります。
自治会費の使い道は、学生自治会の日常活動を進めたり、学生の自主的な活動を支えたりするためにあてられます。たとえば、
などの用途が、一般的にされています。具体的な使い道に関しては、学生大会で予算が決定されます。
決算については、学生自治会の最高決議機関(学生大会もしくは自治委員会)で公開され、承認されます。また予算案についても、詳細な中身は学生大会(自治委員会)で発表され、承認を求めるのが一般的です。
予算・決算の詳しい中身を学生大会・自治委員会以外の場所で公開することについては、ビラ・立て看板やホームページなどの形で公開している場合と、「部外者による悪用を避けるために、ビラなど部外者が閲覧できる可能性がある状態にはしない。学生大会・自治委員会の際に作成・使用した会計資料は、学生大会・自治委員会参加学生が会場から退出するときに回収する」としている場合と、学生自治会によって対応が分かれているようです。
会計の中身を学生大会・自治委員会以外の場所では公開していない学生自治会でも、通常の場合は、学生自治会の会員=学生ならば、自治会室に出向いて、学生証の提示など一定の手続きをとれば、予算や決算の詳細を自治会室内で閲覧できるようにしています。
学生自治会の活動に参加する方法ですが、理論的には「学生自治会は全員加盟制なので、その大学に通う学生ならば誰でも参加できる」ということです。
しかし、学生自治会をめぐる状況は、それぞれの大学によってかなり違ってくると思います。
学生自治会が多くの学生に支えられて、要求を取り上げて活動している大学もあります。
その一方、大学によっては、「学生自治会がない」「以前は学生自治会があったが、現在は活動が止まっている」「学生自治会は一応あるが、学生の要求を取り上げる活動ができていない」などの場合があります。
だから「私の大学では、ここで書かれているような活動はできない」と思ってしまう人もいるかもしれません。でも、あきらめなくても大丈夫です。
もし、あなたの大学に学生自治会の運動がない場合は、まわりの人にも呼びかけながら、主体的に運動をつくっていきましょう。
以下、大学の現状に応じて、学生自治会の活動への参加の具体化を考えてみます。
あなたの大学で、学生自治会が要求実現の立場に立ち、学生自治会規約に基づいた手続きに沿って、学生の総意を反映して民主的に運営されている場合は、要求実現の立場がさらに進むように、役員に立候補したり、執行部の活動に協力したりなど、積極的に学生自治会の活動に参加していきましょう。
また、学生自治会があっても、「一部の学生が個人的に集まっているだけの状態になっていたり、内輪のイベントにしか関心がないなど、一部の学生だけの『サロン』『イベントサークル』のような状態になっていて、大学生活の中の日常的な要求を取り上げていない」など、要求を取り上げる立場に十分に立ちきれていない場合もあります。そういう場合は、学生自治会が要求を取り上げて活動していくように、あなたもできることから協力していきましょう。
具体的には、大学の実態に応じて、「学生自治会役員に対して申し入れ、要求を取り上げる点での共同を呼びかける」「自分自身が要求実現の公約を掲げて、学生自治会役員選挙に立候補する」「要求で一致する有志の会を結成して、学生自治会との連携も視野に入れながら、要求を取り上げて活動し、要求実現の雰囲気を学内につくっていく」ことなどが考えられます。
大学によっては、「要求実現活動を否定・敵視して、暴力で妨害する学生」などによって、学生自治会が私物化されている場合もあります。
学生自治会が学生の要求を取り上げて運営されている大学や、学生自治会のない大学でも、学内で要求実現・学生生活改善のとりくみをしようとすると、要求実現を否定する学生が暴力的に要求実現・学生生活改善のとりくみを妨害してくる場合もあります。
(こういう学生の詳細については、当サイト「学生自治会の研究」内の「学生自治会の活動を、暴力で妨害する学生がいることがあります」を参照)
また、大学によっては、大学当局が学生の自主的な活動を嫌い、大学職員が学生の活動を妨害したり過度の規制を加えてくる場合もあります。また、学生自治会や、大学祭実行委員会などの全学的な学生団体の役員と大学が癒着して、いわゆる「当局派」「御用自治会」の形で、学生の自主的な活動を、要求実現を否定する学生と大学が一緒になって妨害してくる大学もあります。
大学自治の観点からは、大学が学生の権利を認めずに学生を「管理」するのは許されないことですが、残念ながらそういう大学も現実にあります。
しかし、「要求実現活動を敵視して妨害する」一部学生がいる場合や、大学当局が妨害してくる場合でも、あきらめる必要はありません。
そういう場合は、ひとりひとりの学生の中にしっかりと根ざして要求を集約し、要求実現の運動を広げ、学内に要求実現の雰囲気を地道に広げていくことが大切です。
現在、学生自治会のない大学、または「以前は学生自治会があったが、今は機能停止状態になっている」という大学もあるかと思います。
学生自治会のない大学で、学生自治会の運動を作っていく場合、特に「こうしなければいけない」という、細かい手続きが一律に決まっているわけではありません。
学生自治会を新しく結成したり再建する場合の基本は、「学生の総意が反映され、民主的な手続きが踏まれている」と、学生をはじめ大学関係者に広く理解される方法でおこなうことです。
その基本をふまえているのならば、細かい手続きや具体的な運動のすすめ方に関しては、それぞれの大学の実状に応じて具体化していけばよいと思います。
もちろん、最初は少数の有志から始まることになるでしょうが、その中でも実際に要求を取り上げて活動し、運動の担い手を広げていくことが重要です。
一般的には、「学生自治会準備会」を結成し、準備会の中心メンバーが事務局的な役割を担い、必要な活動を進めていくことが考えられます。
実際に学生自治会の結成・再建をめざす活動をした大学の経験を、参考までにあげると、
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