ここでは様々な形態で存在する近接場光のうち研究対象としている微小開口による近接場光について簡単に説明する.
光記録装置というのは小さく絞ったレーザ光によって記録ビットを読み出す.このレーザスポットを小さく絞れば絞るほど小さい記録を読み取ることができ,記録密度の向上につながる.しかし,原理的に光の波長の半分程度までにしかスポットは絞ることができない.これが回折限界とよばれ,これによって光の分解能は制限されてしまう.この問題を解決するのが近接場光である.
光の波長以下の大きさの開口に光を入射すると,その微小開口から染み出す光の成分が出る.これが近接場光と呼ばれる.この染み出し光によってできたスポットは光の波長ではなく,開口径によってきまるため原理的には超高分解能を得ることができる.

近接場光を用いれば現状の限界を超えた超高密度記録装置が実現できると考えられるが,問題点もある.この光は非常に弱く,発生した開口のごく近傍(数十nm程度)でしか存在しない.このため,この光を用いてデータを読み取るには光の発生源(読み取りヘッド)とデータとの間を数十nm以下に制御したまま高速で走査させる技術が必要となってくる.この技術を実現させるため様々な要素技術について研究が進められている.