〜何でもなかった日々〜

作:紅玉&貂猪&hyge&s@.tanθ&烏

朝起きたらなにかが違った。 何が違うとはっきり言えるわけじゃないんだけど 何かが変だって事はわかる。 記憶の中のママの顔は、確かに今のママの顔と一致するんだけど、 なんか、違うような気がする。 昨日見た友達の顔は、確かに今の友達の顔と一致するんだけど、 なんか、違うような気がする。 自分の肌にすら違和感を感じながら、 あたしは学校への いつもどおりであろう道を急いだ。 なんだろう。ナンダロウ。 「どうしたの?なんか今日のみっちゃん変だよ?」 深雪が気を使ってくれる。 「ん、ちょっと風邪ひいたかな。でも大丈夫♪ありがとね。」 でも深雪? あたしからすれば、変なのは深雪のほうだよ。 何がわからないのかもわからないまま、 時間だけが過ぎていった。 通いなれたはずの学校。 幾度となく通ったはずの校門。 階段も、教室までもが違和感の中にある。 あたしの中で、言いようのない不安が首を擡げる。 「違う。違う。違う。」 不安を振り払うように、あたしはことさら大きな声で 深雪に呼びかけた。 お昼休み。 いつもどおり(?)前庭でお弁当を食べていた。 もちろん深雪も一緒。 途中、凄い音がして、 中学生くらいの男の子が宙を舞った。 交通事故だっ!! 「ねっねえ深雪!今めのまえでっ・・・」 「ああ、派手に飛んだね。」 えっ? 「修理に出しても効かないんじゃないかな。」 どういうこと? 「で、それがどうかしたの?」 「・・・ん。何でもない・・・ただっ・・・曲線が綺麗だったから。」 「変なの。」 自分でも意味不明な答え方をしたのはわかっている。 でも、声に出していった答え以上に、あたしの頭は混乱していた。 あたしの周りに居る人達は 血肉の塊で出来てはいないのだろうか。 放物線が描いた先を私は見なかった。 視覚が信用できないときは目を閉じればいい。 見てしまったものは忘れればいい。 小さい頃からそうしてきた。 パパの理不尽な暴力やママの執拗な嫌がらせから学んだ通り....。 「ねぇ」 深雪の声が遠くで聞こえる。 「あーあ、まただよ.....こわれてんのかなぁ」 やっぱり・・・へんだよ。 いつもどおり中等部に弟を迎えに行くと 彼の靴は既になかった。 おかしいなぁ。 「みっちゃーん、バス来たよー」 「あ、うん。今行くー」 先に帰っちゃったのかな。 「あれ?最愛のトシ君は?」 ぷしゅー 「ん〜靴なかったから、先に帰ったんだと思う。っていうか、最愛ってなによ。」 ガコン 「はいはい、紅くならない♪」 「だから弟だって何度も!!」 「しーーーーっ!・・・」 ・・・体の不自由な方には席を・・・ 「み〜ゆ〜き〜」 「どうどう。あ、丁度良いや♪本屋付き合ってくんない?」 ・・・ったく。・・・ バスの窓から見る町並みは 人々と違っていつもどおりのものだった。 しかし、家であたしの帰宅を待っていたのは、 辻褄の合わないことばかりだった。 「ただいまぁ」 あたしはそう言っていつもどうり家に入ると、 「あれ?姉ちゃんいつの間に家出たの?」 というトシの一言が待っていた。 「え?何言ってるの。 あたしは今学校から帰ってきたところだよ。 それより今日はなんであたしに何も言わないで先に帰ったのよ」 「姉ちゃんこそ何言ってるんだよ。 今日も一緒に帰ってきたじゃないか」 トシはそう言うと怒ったように部屋に戻っていった。 え、どういうこと? あたしは今さっき深雪と二人で帰ってきたのよね。 だけどトシはあたしと一緒に帰ったって言ってるし。 トシが嘘をついてるようにも見えなかったし・・・ 奇妙に思いながらも二階にある自分の部屋向かった。 そして部屋のドアを開けるとそこには・・・ 「きゃぁぁぁぁぁっっっ!!!」 「ふあぁぁぁ!!???」 ・・・ん?・・・・・・ゆうちゃんか・・・ ドアを開けたすぐそこには暗闇に浮かぶちぎれたクマサンの首と それを一生懸命に頭の上に乗せている妹がいた。 「おねぇちゃんおかえりなさいなのぉ〜」 「ふぅっ・・・優子御嬢様ぁ〜?  こんどはどうしちゃったのかなぁ?」 「うぇぇ、くまさんがね〜  おくびとれちゃったの〜」 「みればわかりますっ。なぁんでそうなっちゃったの!」 「ん〜くまさんかわいかったからね〜  ゆうがね〜ぎゅぅぅぅぅっ♪  ってやったらね〜  おくびがぽーーーんって」 ・・・ぽーんって・・・ 「くまさんしゅーりしてほしいの〜」 「しょうがないなぁ。  クマサンに優しくしてあげなくちゃダメでしょ?」 「してたもん!ゆう、くまさんいいこいいこしたよぉ?」 ・・・うーん・・・ どういったらいいものか・・・ とりあえず、治さなきゃ。 ・・・こわいしね(笑) 「はい♪ゆうのくまさんなおりましたよ〜  ふにふにふに〜〜(謎)」 「うきゃぁぁぁ♪♪♪(謎)」 「あ、ご飯の時間だよ。お姉ちゃん着替えてから行くから、  先におてて洗ってママのとこいっておいで♪」 「あ〜い」 人並みはずれた破壊力・・・ 妹の将来を思うと少し怖いものがある。 着替えを済ませて下へ降りる。水色のシャツと履き慣れたはずのジーンズ。 まだなにか変だと思いながら。 疲れているせいだろうと不安を押しこめ、 わざとらしい笑顔で食卓に着いた。 『いただきます』 「ほら、ゆうこちゃん。おさじちゃんと持って」 「おさじまがるよぉ?」 「もうっまげないの〜。」 家族の声が遠くに聞こえるきがする・・・ 「姉ちゃんどうしたの?」 「え!?・・・ううん、何でもないよ・・・  そういやぁトシ、天使の絵は完成したの?」 「なんのこと?」 「なによ、今更隠すの?前に見せてくれたじゃない。  背中にコードが沢山つながってて、飛べなくなっちゃった天使。」 「・・・知らないよ?ああっそれよりさ!父さんも聞いてよ♪  今度大会出してもらえることになったんだよ!  サッカーの!」 「おお、凄いじゃないか。で、其の大会はいつなんだい。」 「あのね、・・・」 ・・・なに?何が起こっているの?・・・ あんなに絵が好きだった弟が何故? 稔哉ってサッカーなんかやってたっけ? おかしいのはあたしの記憶? ベッドに入ったあとも、いろんな事が頭を巡っていた。 その日の夢は、やはり何処か奇妙だった・・・・ その日の夢〜 大きな縫い包みを抱いている妹・・・ そうよね、ゆうちゃんはクマサンだいすきだもんね ・・・くまさん? ちがうよ、ゆうちゃんがすきなのはおっきなうさぎさんのぬいぐるみ。 ゆうちゃんが生まれた時に、パパが買ってくれたやつだよ。 そう。 だからゆうちゃんはうささんのぬいぐるみをだいてねているの。 いまもそう・・・ とし、大会があるんだよね、頑張って。 大会? ううん。 トシは運動苦手だったじゃない。 絵がじょうずで、何度もコンクールで入賞したでしょ? おねえちゃん、ちゃんとおぼえてるんだからね。 ほら、とし、こっちへおいで。 こっちだよ〜♪ あれ?とし、何で君は空を飛んでるの? あれ?ゆう、何でゆうちゃんは逆さまなの? ・・・ いやぁぁぁぁぁぁぁ!!! ばっ そこで目がさめた。 嫌な汗をかいている。 鏡の中のあたしの顔が夢の凄まじさを物語る。 あたしは全てを思い出してしまった。 そうだ、あたしは・・・ 目が覚めたのは夜中の0時。 なんだ。まだ1時間しか経ってなかったんだ・・・ 水を一杯飲みに行こうかと階段を降りると居間のほうから明かりと声が・・・ 「そうね・・・美千代はログが完全に消えてないみたい。  勝手にバックアップでも取ったのかしら。ふふっ」 なに?なんのこと? 「一度病院に行かせようかしら。ゆうの定期検診だって言って。」 「ああ、そうしてくれ。としのハードはもういじってある。」 ログ?バックアップ?ハード? やっぱりそうなの!? 気付けば思わず身を乗り出していた。 「!美千代っっやだ。起きてたの・・・」 「ママ、あたしって人間じゃないんだね。」 「なにを言うの、この子は・・・」 「誤魔かしたってもう遅いよ。それに思い出しちゃったの。さっき。  昔の夢をみたわ・・・。  ゆうがベランダで干してあった兎のヌイグルミを取ろうとして頭から落ちた夢。  急いで階段駆け下りてママに『ゆうが落ちたっ』っていったら  ママは玄関から出ようとするあたしを制してまず電話をさせたの。  あたしは白い布をかぶったゆうと、ママと一緒に救急車に乗っていって  『病院で安定剤を貰った』って言う夢だった。  次の日起きたらゆうはちゃんと食卓にいたから夢だと思ったけど、  夢じゃなかったんでしょ?  あたしとゆうの記憶からその日起きたことを全部消したんでしょ。  あたしが『ゆうの血が赤くない』っていったから!」 「随分と怖い夢を見たようだな。安定剤をあげるからちゃんと眠りなさい。  明日も学校だろう?」 「パパ!また都合の悪い記憶を消すつもり?  ねえ教えてよ。あたしたち人間じゃないんでしょ?  お昼にトシが跳ねられてバラバラになったのだって見ちゃったんだから!  いつあたしたちは死んだの?いつ機械になったの?  小学校の時に膝をすりむいて血を流したあたしはまだ人間だったはず!  それトもそれも埋メ込まれた記憶ナノッ!ネエ、コタエテ!」 あたしは完全に狂っていた。自分を制御できなくなっていた。 父親であろう人間の首をしめ、右半身と心臓が機械の母を突き飛ばし もういちど父の首ヲしめた。と思ったがどうも力が入らない。 ロボットであることの原則が守られているせいか。 苛立ち、アタシは床をむしる。 「ガァァァァッ!」 「美千代っ!やめなさいっ!」 「アタシハナンナンダヨォォ!」 「ふあぁ、まま〜おねぇちゃんどうしたの〜?」 優子と呼ばれる物体が降りてキタ 「アンタナンカイモウトジャナイッ!」 右腕ヲ拾って母がいウ。 「おねえちゃん寂しくって起きちゃったんだって。  ゆうこちゃんぎゅってしてあげなさい♪」 「あ〜い♪ぎゅぅぅ♪」 「ハナセェェッ!」  隙ヲ見て父があたしノ腕を固定すル。 「ドールH型タイプFC_yuk3.52に命令する。  ドールH型タイプFY_mic2.2の首を右方向に400度回転させよ。」 「了解致しました。実行します。」 痛ミハホンノ一瞬だッた。皮膚が千切レタコトデ赤イ冷却水が流れ出テ 体ガイツモヨリ  遠ク見 エた  。製作者はペンチを取り出shi 一番太 白   コードヲ   切  っt   a ......... >QUIT XXX Goodbye. ...... Connecting to XXX.XXX.XXX port XX ..... Received, transfer succeeded. XXX Trancfer complete. ぴぴぴっ・・・ばしっ! ・・・ ・・・ ・・・!? だだだだだっっ(汗) 「ママっなんで起してくれなかったのぉ!」 「起したわよん♪  ママが3回呼んで起きなかったからお姉ちゃんのせいだよねー♪」 「ね〜♪」 「嘘ぉっ!って、あれ?稔哉は?」 「朝練があるからってとっくに行ったわよ。」 「そっかぁ。大会出るんだもんね。ってああっ時間!  もうやだぁ深雪きちゃうよぉ」 「おっは〜♪もう来てるよ〜。  寝ぼ助さんな美千代様の為にあたくしはこうして毎朝待ってるんですけどねェ〜♪(にっこり)」 「あーん。ごめんっ!すぐ行く!(泣)」 「みゆちゃんゴメンナサイね。」 「い〜え、いつもの事ですから♪」 ばたばたばた 「お待たせーっっごめんねー(汗)」 「そう思うんなら、もっと音の大きい目覚まし買ったら?  って、みっちゃんはゴジラが鳴いても起きないか(笑)」 「あう〜ひどい〜」 「ゆうちゃんがゴジラさんになる〜ぎゃぁおぉ〜う」 「あはは♪じゃ、ゆうちゃん、おばさま。行って参ります♪」 「いってきまーすっ。」 「行ってらっしゃい♪」 「いってあっさ〜い」 「・・・なんだってさー。」 「え〜?酷くない?って言うかあいつ絶対人権無視してるって。(笑)」 「ミユのクラスはもうテストあった?」 「え、無いけど。」 「あ、じゃあ今日絶対テストあるよ。  佳織んとこ打抜きあったんだって。」 「げぇっマジッスカ!?っていうか初めてミユって呼んでくれた〜♪」 「あれ?そうだっけ?」 「そうだよ。深雪とか深雪ちゃんとかって。みっちゃん堅いんだもん。  ああ♪やっと愛が通じたのね〜♪」 「公衆の面前でそういうこと言うのやめなさいってば(汗)」 「酷いわ酷いわ。  深雪はこんなにも美千代様のことを御慕い申しておりますのに。」 「あーはいはいはい。」 「つんめた〜いっ。もう朝迎えに行ってやらんぞ〜。」 「あうぅ、愛してるから許してっ。」 「駄目よ。あたし達は女同士。例えポワトリンが許してくれても  世間様は冷たいものなの。」 「おーい、ミユー?(笑)」 「おはよう。朝から随分と元気ね。」 「あ、西森先輩。おはよう御座います。」 「おはよう御座います〜。先輩〜聞いてくださいよ。」 「なあに?みゆちゃん。」 「美千代ったらあたしに愛の告白なんかしてきたんですよ〜。」 「!?なっっ」 「もう、こんな公衆の面前で。」 「み〜ゆ〜きぃぃぃっ!」 「本当に仲が良いのね。  でーもっバスの中では騒がないように♪  ほら、丁度来た。」 『は〜い』 昨日も今日も明日もきっと変わらない毎日。 でも、なにかわすれているような・・・ -----THE END----- コメント ちびりんご:こんな締め方で良かったんんですかね(^-^;) 機械も英語も詳しくないので、途中のアレはでたらめです。 復活直後なので頭が冴えませんよ。 (前からかしらん?) 烏:え〜いいんじゃないんすか〜? ちょっと説明的だった気がしないでもないけど。 ちびりんご:うぐう。 なんだかずっと止まってたみたいですけれども これからまた、参加させていただきますね♪ 烏:ざくざくざく・・・あ、有り難う御座います〜 (注:そして紅玉さんは消息を絶つこと約XXカ月・・・)
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