『みすず学苑』
学苑長半田晴久先生が産経新聞に連載(毎週木曜日)している記事を紹介いたします。

vol.6 受験校選択3 2003年4月3日 産経新聞

 
記事をテキストでも紹介いたします。

受験校選択3

先生のやる気をも伸ばす環境備えているか

 

 なぜ公立学校は受験に不向きなのか。

 最近の公立学校、特に高校における学力の低下は、はっきりとした傾向として現れています。それを裏付けているのが大学受験における合格者数。実際に、有名大学の合格者内訳でも私学の生徒が多くを占めてり、名門校だった公立校は凋落(ちょうらく)の一途をたどっています。

 公立校の地盤沈下は、受験に限らず、質にも現れており、校内暴カなどさまざまな間題が噴出しています。最近では、小中学校で学級崩壊が起こっているありさまです。

 それにしてもなぜ、そこまで公立学校の機能が低下してしまったのでしょうか。背景には、いろんな要素が絡んでいるのでしようが…。

 「受験だけが高校生活ではない、クラブ活動や人間として自由に考えたり、行動する高校生活があっていいし。このようなポリシーの学校もあります。

 しかし、このような学校に限って、「しっかり受験勉強をして、目標の志望校に合格したい」と思っている生徒に対して、学校側が必死で受験指導をしてくれるケースは、ほとんどありません。受験志向の生徒にとっては、何も応えてくれない自由放任の公立高校も多いのです。

 なぜなら、受験指導というのは、手間、暇、エネルギーを要し、神経を使うものなのです。

 前回の繰り返しになりますが、私は公立学校の機能低下の原因は、先生たちのサラリーマン化、もっと言えば、お役所仕事化に大きな原因があると考えています。

 その意味で、このほど文部科学省が、公立学校の先生を対象に能力別給与の査定を打ち出したことは、本当に良かったと思います。さらには、指導力のない先生の再教育や、民間人の校長先生化、そして、東京都の打ち出した都立高の自由競争化も、公立学校を活性化させるいい刺激になることでしょう。

 生徒のために、自主的に熱心にやってきた先生にとって、これらはどれほど大きな励みになることでしょうか。先生とて人間。励めば優れた先生になるし、怠ればマンネリ・サラリーマンのようになるのです。

 良い学校とは、子供の能力や才能を伸ばすだけではなく、先生のやる気や、教育者としての才能をも伸ばす環境を傭えた学校−と定義してもよいのではないか、と思うのです。

 

みすず学苑 半田晴久

産経新聞
2003年4月3日

 
今回も私宮本の感想です。

感想

 「先生のやる気」ほど生徒の人生を左右するものはありません。私が高校生だったころ、ひときわやる気に満ち溢れた英語の先生がいました。その先生は、高校英語のテキストを自分で作っていただけでなく、研究の末にどの受験参考書にも載っていないアクセントルールまで発見してしまいました。また、物理の先生はさらに研究熱心で、教職について30年以上、毎日欠かさず自ら問題を作り、解き続けているうちに、さまざまな受験物理解法を編み出しました。その先生は、かつて教員採用試験の問題作成を要請され、「生徒ではなくて教員だから」と思って、「多少難しい」問題を作成したそうです。すると、驚いたことに全国で正解者はただ一人きりという結果になってしまいました。

 私が今本当に感謝しているのは、こうした優れた先生たちに囲まれて高校時代を過ごせたということです。世界史のテキストも、化学のテキストも、私の高校ではすべて先生たちの手作りでした。その先生たちの素晴らしい研究成果に触れ、私たちは皆感動しながら勉強することができました。

 みすず学苑も非常に研究熱心な先生ばかりです。このように、先生たちがやる気に満ち溢れていると、その研究成果に触れる生徒は本当に幸せなのです。半田晴久学苑長のおっしゃるように、ぜひ、先生のやる気を伸ばす環境も考慮してほしいと思います。

 
 

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