国試に向けての勉強法

  1. 勉強するにあたっての基本的考え方
     なにごともそうですが、目標が合って戦略があって戦術があります。試験の結果で就職先が決まるアメリカ.カナダと異なり、日本では最高点も最低点も合格は合格、同価です。つまり最も効率よくやるとするなら最低点を目標にすることになります。そもそも国試は「これからも勉強しつづけます」という意思の確認試験という性格があります。(でなきゃ3割以上間違えていい試験なぞせんだろう。)だから最低点だけとって恭順の意を示せばいいのです。
     さてそれが分ったからってApproachなりQuestion bank(以下まとめて「QB」とする。)を最初から始めるのは拙速というものです。このままでは重箱の隅をつつきながらドツボに嵌る可能性大です。あくまでも冷静に合格のために必要なものを必要な順にList upすると次のようになります。
    1. きちんと卒業する
    2. 心身ともに健康でいる
    3. 試験会場に3日間ちゃんと行く
    4. 名前と受験番号を間違えずに書く
    5. マークミスをしない
    6. 禁忌を踏まない
    7. 必修を取りこぼさない
    8. 一般.臨床で合格点を目指す
     つまり、こうして見てみると、よく言われているようなQBを憶えるまで繰返すといった修行などほとんど必要がないと分ります。なにしろ少ない年ですら7000人受かるのです。別に日本中の優秀なやつ7000人を選ぶ試験じゃありません。たかが医学部生のたかが1年分の学生です。医学部で6年間それなりに勉強していれば医者風の考え方は身についているでしょう。それにほんのちょっとYear Note(以下「yn」とする。)程度の知識を補っていけば合格点は取れるのです。
     それよりも上記のリストに戻ってもらえれば分るようにもっと大事なものはいっぱいあります。たとえばどこの学校でも精神的に疲れてしまう人は毎年必ず出るはずです。そうなると優先順位1位の卒業すら覚束なくなります。
     プシもそうですが、国試が3月ということも鑑みてインフルエンザ罹患という可能性もバカに出来ません。日頃の体調を整えておくことは勉強よりも重要なのです。だいたい受験生は20も半ばを過ぎた人が多く、昔みたいな無理が利かないことを忘れちゃいけません。
     そして試験第1日目がやってきます。ちゃんと毎日試験会場に遅れずに行き、試験開始時間にきちんと席について、用紙に「医」という文字と受験地と名前・受験番号を記入し、さらに受験地と受験番号をマークする。で回答しながらもマークミスがないよう確認を数度行う。これだけ果たした上でやっと勉強の話が出てくるのです。
  2. 受験までの勉強の日程
     以下に、模試の成績の推移と、いつ頃どういう勉強をしていたか、どうサボっていたのかの表を載せます。僕は後の方まで試験対策らしいことを始めなかったので、最後の模試まで正解率80%以上の問題を落としたりしていました。(「誤答率」の欄、参照のこと。)僕の解答能力は、最後の一月にスパートがかかったと思うので、本番直前の実力を反映してのものではないはずです。
     ちなみにこの程度の成績でもMACでは「合格ほぼ確実」、TECOMの4回目では「現状では合格圏内に入っています」との判定がされています。

    1. 模試成績の推移

      日時

      09/15/01

      11/10/01

      12/10/01

      01/15/02

      01/30/02

      02/05/02

      02/14/02

      模試名

      TEC 1

      MEC 1

      TEC 2

      TEC 3

      MAC

      MEC 2

      TEC 4

      総合偏差値

      43.9

      40

      41.5

      43.7

      40.5

      40

      40.5

      受験者数

      3902

      1879

      4924

      5382

      3834

      5678

      6130

      一般問題

      117

      127

      135

      132

      124

      138

      135

      臨床問題

      363

      330

      345

      345

      363

      378

      384

      必修問題

      183

      157

      154

      157

      163

      165

      175

      禁忌肢問題

      0

      1

      0

      0

      0

      4

      0

      A

      70

      77

      85

      86

      71

      81

      82

      B

      43

      48

      48

      49

      51

      54

      55

      C

      96

      81

      84

      96

      90

      94

      111

      D

      126

      96

      114

      99

      120

      108

      117

      E

      45

      40

      46

      46

      40

      39

      46

      F

      138

      117

      108

      111

      123

      126

      129

      G

      93

      114

      93

      102

      102

      114

      105

      H

      48

      39

      54

      48

      51

      60

      51

      I

      30

      28

      28

      25

      30

      32

      32

      誤答率(一般)

      27.6

      26.9

      24.7

      24.2

      誤答率(臨床)

      26.3

      27.7

      33.3

      21.5

    2. 国試対策の過程
      年・月勉強の話サボりの話
      2001
      3
      ポリクリ終了(〜3/9)サンクトペテルブルクへ3週間行く(3/10〜3/31)
      4
      香港に1週間行く(4/28〜5/6)
      5
      洋書の勉強会 自然消滅
      6
      このころなにをやっていたのか不明
      7
      ちょっとだけマイナーをApproachでやる
      (整・泌・耳・眼の4つ)
      8
      ロシア横断旅行(7/18〜8/30)
      9
      卒試開始(9/2〜)
      筆記25科目
      あとOSCEもやった

      卒試終了(〜11/12)
      やっとQBを始める
         
      10
      卒試ということで抜けられず
      11
      12
      バンコクにちょっとだけ(12/13〜/17)
      讃岐うどんツアー(12/20〜/24)
      2002
      1
      QBをとっとと終える
      以降は模試・過去問を黙々とやる
      ロンドン3泊4日(1/1〜/7)
      2
      このころ教養で取っていた
      ロシア語上級・中級の試験
      さすがにこの時期は
      どこへも行かず勉強していた
      3
      国試本番(3/16〜/18)

  3. 国試勉強を通じての反省と感想
     そういうわけで、「たかだか学生ふぜいにそんな高等な知識や判断力を求めているわけじゃないだろう。」という考えの下、上の表にあるように大して勉強しませんでした。6年の9〜11月に行われた卒試でも「卒業する意思の確認試験である」というコンセプトで、「うーん、みんななんで○○(←あえて伏字)科の勉強なんかするんだ?(以下略)」と勉強せず、それでいて産科で再試になったのみで通過できました。(ちなみにポリクリ+卒試の成績は見事に加山雄三で優3つ。)僕が本格的に国試の勉強を始めたのは卒試後で、勉強中の2月にはみんなが2周・3周と終えているQBでスッと手を切ったり、それどころか国試が終わった今もQBのEとGは開いたこともありません。よく医学書で「一開き一万円」と言いますが、まあそんな感じです。
     そんなにのんきだったのも、「国試の過去3年分が完璧に(愚問を除く)分かれば合格ラインは取れるはずだ」と最低レベルを設定し、それじゃ危険なのでもうすこし底上げを図ってTECOMの模試の今年のやつ4回がほぼ分かれば良し、と目標レベルも決め、その程度じゃ特に急ぐ必要もないだろうと思っていたからです。で、時間が余ればMEC(クソでした。改善なくば来年は落ちたとしても受けません。)MAC(及第点。画像が順番どおりになっているのも良かった。けっこう本番でも出た。)もやる、ということにしました。
     そんな僕ですが、とりあえず合格するだけの知識を蓄えることは出来たと考えています。ただ、どうしても詰めの甘さは出てしまい、本番初日に「Fontan手術ってなんだっけ?」とか「視床下部不全って、どういうのがあったっけ」と下らない間違いを積み重ねてしまいました。こういうのを避けるにはQBをあと2周回って知識を固定しなければならないでしょうが、別に合格に必要ではないでしょう。
     ところで国試の勉強をするのに勉強会を同級生で開くことが多いかと思います。しかし僕の場合一人でやることにしました。昔、勉強会と思しきものを級友の皆様とやっていたこともあるのですが、僕の脳味噌の限界で自分が担当したことすら憶えていない。それで「いやー、今日はこれを知ったよ」と一人勉の最中に言うと、「それおまえが前に勉強会でやったとこだろ」と言われることが多々あり、さらに勉強不足から来る根本的な知識の欠乏で、例えば2月も半ばを過ぎて「麻疹は色素沈着」と10回書いて憶えていたぐらいですから、勉強家揃いの同級生たちの中では勉強会が効果的ではなかったからです。また模試のやり直しを中心に自分が分かんないところ、自分の興味を引くところを(屁理屈でもいいから)納得するまで調べる、というやり方が他人と一緒にやるものではなかったということもあるでしょう。
     まあ、僕の人徳の無さ、も原因の一つかも知れませんが、みんな大人ですから勉強会に入れてと言えば入れてくれるところはあったと信じています。でも別にそういう時間もなく、相手もいませんでした。

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