
英語:学士編入学試験のためではないのだが,他の必要性があって,TOEIC,TOEFLの受験のための勉強をしたので,それが役立ったと思う。
論文読解:研究に携わった方なら誰しもそうだと思うが,大学院進学後は日頃からで きるだけ質の良い論文を見つけてはたくさん読みこなすよう努めていた。自分の専門 に偏ったが,相当な数を読みこなした自信があったので,試験のための勉強はせず, それまでの蓄積に頼った。
生物学:高校一年以後系統立てた生物学の授業を受けていないので,高校生物の復習 からはじめた。(中学の生物の教科書まで引っ張り出してきたほど。)遺伝問題に漠然 とした苦手意識があったので,その克服専用に「大森徹の生物 遺伝問題の解法 大 森徹著 旺文社」を購入したら非常にわかりやすく苦にならなくなった。その後「基 礎生物IB問題精講 柴山文雄著 旺文社」を使って,問題形式で基礎的な用語を一通 り身につけることに終始した。次に阪大の先生方が書いている上,序文に学士のこと が触れられていたので,「医学を学ぶための生物学 谷口直之,米田悦啓編 南江 堂」を買ってみた。この本が一通り理解できるようなら十分試験に対応できると思 う。が,僕はこの本すら全部読みきれなかった上,行間が補いきれず,残念ながら活 かしきれなかった。Cellは厚くて読みきる自信がなかったので使わなかったが,今に なってみると読みきろうなどと気負わずに,前の方の基本となる数章をおさえた上 で,出題されそうなところから順に手をつけ,そこが出たら目一杯答えるという,い ささかばくち的な勉強の仕方もありかと思う。(もちろん保証はできないが。)簡潔に まとめてある本は要点だけが書かれていて,全体像を把握するのには有効なので,長 いけれど平易に書かれたCellなどとうまく併用されると良いと思う。ただ編入学試験 を受ける方の場合,時間が十分取れないのが実情ではないかと思う。広く浅くか,狭 く深くかのどちらが良いかは過去問などから自分なりに判断してみてください。僕は 広く浅くで3割くらいが精一杯でした。
数学:「微分積分学の基礎 水本久夫著」「線形代数学の基礎 水本久夫著」という 微分積分,線形代数の問題集一冊ずつで復習をしようと思ったが,結局あまりでき ず,結果も思い通りでなかった。試験本番では数学は二日目最初だったので,精神的 に追い込まれたが,まだ終わっていないと思ってあきらめずに開き直って次の試験に 臨んだのが結果的に良かった。
物理学:得意分野であったし,問題はほぼ高校レベルなので,生命線として確実に9 割以上とるために高校時代のノートの復習と教養時代の教科書で剛体の復習をした。 最後に東大の院試用に使った過去問題集(教養編)をかなり念入りにやった。
化学:高校時代の無機,有機化学のノートと教養時代の平衡反応論や構造化学のレ ジュメの類で勉強。ちなみに物理の勉強をかねて熱・統計物理もやっておくと化学で もお得。「岩波基礎物理 統計力学 長岡洋介編」や「大学演習 熱学・統計力学」を 使った。一方で生物の勉強もかねて代謝の反応式に慣れておこうと「ヴォート 生化 学」を時々参照した。実際の出題は教養より少し上のレベルのものもあり,勉強不足 だった。
小論文:過去問を参考にして関連トピックを扱った文庫,新書を探してきては相当な ペースで読み込んだ。その際,著者の考えを鵜呑みにするのではなくて,自分の経験 と照らし合わせたり,自分の研究に対する考え方と絡めてみたりして,自分の考えと してどうなのか良く考えながら読んだ。倫理問題には難しいものも多いので,対立す る意見がある場合は両者の立場の本を読むように努めた。受け売りだけでよく咀嚼せ ずに自分の考えとしていないと困ると思う。
面接:すべて失敗したときのことも考えて就職いと思ってあきらめずに開き直って次の試験に 臨んだのが結果的に良かった。活動もしたので,その面接が非常に役 立った。試験の数週前に日がな一日を面接に費やす毎日が続いた時期があった。そこ で1日あたり7〜12人と話し,自分の考えを話しては突っ込まれることを繰り返すうち に,元来は口下手な自分でもそれなりに話せるようになったし,自分の考えや性格的 な欠点を見つめ直すこともできてとてもよかった。併願校の試験での研究発表のプレ ゼンテーションでも落ち着いてやれた。
以上です。僕自身わずか5人の合格枠(今年は8人ですけれど)はわずかなつきに左右さ れる試験という印象は拭えませんが,それでも他大学に比べてあいまいな問題が少な く,力をつけ,もてるものを発揮すれば道は開けてくると思います。最後にインター ネット上には多くの情報がありますが,適宜取捨選択してください。僕は最初どこの 大学が学士入学制度を導入しているかなど必要なことを調べた後は翻弄されないよう にほぼ耳をふさいでいました。あまり参考にならなかったかもしれませんが,頑張っ てください。