生理学第二では、正常および疾患時の生体の機能に関して、分子、細胞および臓器レベルの種々の研究を行っている。特に、顕微鏡下に細胞を扱う細胞生理学実験や心臓の還流実験が中心である。
チャネルや膜の機能を解析するために、パッチクランプ法を主要な研究方法の一つとしている。また、チャネルmRNAの発現をRT-PCR法で追跡し、培養細胞を用いてアンチセンス法により、チャネル機能を細胞生物学的に検討している。これらとは別に、最近、膜電位異常による膜脂質二重層の破壊をパッチクランプ法で発見した。さらに膜不透過性のethidium bromideによる核蛍光の増大が膜破壊の経過を示すことが判り、蛍光顕微画像解析法も主要な研究手段となった。細胞膜の破壊は直接ネクロ-シスをもたらすが、ミトコンドリア膜の透過性上昇はアポトーシスの一因となる。ミトコンドリア膜の膜電位も蛍光指示薬により検出可能である。細胞死をもたらす膜の破壊とその防御の研究は精力的に推進すべき課題となっている。
臓器レベルの研究である心臓のLangendorff灌流実験では、虚血再灌流などの細胞障害性ストレスによる臓器障害の機序・防御を、活性酸素の適用、NOやプロスタノイドの適用・定量により着実に追求している。ラットのみでなくマウス心臓を用いた実験も可能になったので、まず、Mg欠乏マウスの心機能異常を検討している。
神経科学領域では、シナプス小胞に対する形態学的、分子生物学的研究を継続的に行っている。さらに細胞生物学的にパッチクランプ法によるチャネルの機能、細胞内Caの動態、細胞死の研究などを随時行うことができる。
主要な研究課題は、チャネル、細胞死、再灌流傷害、神経伝達物質に関するものが多い。