数学関係
未解決問題&Open Problem
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このページは,管理人の葵玲が考えている未解決問題,何人かの友人たちと話し合って みたけれど解決していない問題,さらには超有名な懸賞問題・未解決問題といったものを リストアップするページです.単なる思い付きで,まだ数学的statementとして定式化 できていないものや,ごく簡単な問題もあると思いますが,解決した場合には, このページで公開していきます.Open Problemは随時募集中です. メールもしくは掲示板でお寄せいただき,こちらでしかるべく選定して, このページに掲載することもあるかもしれません. 問題は随時追加予定.各問題についての進度状況やわかっていること, 解決した部分などの詳細ページをいずれつくる予定です.
目次ですっ!
2. その他の有名な未解決問題
クレイ数学研究所の7大懸賞問題
(賞金総額700万ドル)
その他の有名な未解決問題
葵玲,その他の方々から寄せられた未解決問題
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局所コンパクトではない位相空間上の連続関数についての問題 |
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局所コンパクトではない位相空間X上の連続関数の空間C(X)に
コンパクト一様収束(広義一様収束)の位相を入れたとき,
連続関数の一様収束極限は連続関数か?
[A.B.氏提供] |
| [葵玲のコメント]:例えば,実数体Rからの相対位相をQに導入した場合,局所コンパクトとはならない. このとき,無理数αでのみ段差を持つような階段関数fに収束するような連続関数列を つくると,Q上で見れば一様収束しているが,fはQ上で連続な関数になってしまう. この問題の動機は「p進解析」であり,例えばCp→Cpなる連続関数を 考えるとき,これがCp→Cpなる多項式関数で近似できるか (p進版Weierstrassの多項式近似定理)など, いろいろ問題に派生してしまった. とは言え,あまり葵玲はこの問題についてうまく動機を説明できない.(2002.5.28.) |
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正の実数のn乗の小数部分の一様分布問題 |
実数xの小数部分を<x>とかくことにする.正の実数rに対して,
なお,ここで一様分布とは,以下の意味で定義する.すなわち,任意の[a,b]⊂[0,1]に対して,
[d3さん提供] |
| [葵玲のコメント]:一般に,{<nr>|1≦n≦∞}は一様分布することが知られており, これは「Weylの一様分布定理」と呼ばれており,より一般に高次元では, 「クロネッカーの近似定理」などとして知られている.Weylの一様分布定理の 証明として,『フーリエ解析大全』(ケルナー:高橋陽一郎訳:朝倉書店)の上巻 が手っ取り早い.この本によれば,上記の問題は完全には解決していないようで, 例えば,r=(1+5)/2のときは一様分布しないことの簡潔な証明が記されている. (2002.5.28.) |
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有限グラフ上のランダムウォークとそのスケール極限 |
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[1] n頂点{v1,v2,・・・,vn}を持つ
有限(無向)グラフGを考え,G上のランダムウォークを考える.
ここで,G上の点pにいる粒子は隣接する頂点へ等確率で移動するものとする.
十分時間が経過したとき,粒子がGの頂点に居る確率は,どのように分配されているか
を考察せよ.特に,初期値によらず確率が1/nと等しく分配されるようなGの
特徴づけは存在するか?(なお,更に,Gが有向グラフの場合はどうか.
より一般に,各辺に重みがあり,それによって隣接する頂点へ移動する確率に
差がある場合や,その頂点で止まってしまう確率などを導入した場合は
どうなるか.) [2] Gとして,正N角形のループを考える.このとき,[1]の考察を行い, N→∞なるスケール極限を「うまく定式化し」,その性質について議論せよ. [3] Gとして正三角形の格子を考える.この格子で球面,トーラス面を 覆うことを考える.(境界をうまく同一視することに相当する.) このランダム・ウォークについて, 例えば,球面上のランダムウォークとトーラス面上のランダムウォークとで, 曲面の性質に依存した影響があるか. 更に一般の球面上,トーラス面上,あるいは種数gのトーラス面上の有限グラフ の上でのランダム・ウォークについても同様の考察を行え. [4] 更に,トーラス面上の正方格子の上のランダムウォークについて,[1]の考察を 行い,[2]のような格子間隔を狭くするスケール極限を「うまく定式化し」, その性質を議論せよ. [5] 無限グラフ上でのランダムウォークについて,例えばその初期地点への回帰性 などに着目することなどで,どのような考察ができるか. [葵玲提供] |
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[葵玲のコメント]:これはある種の統計力学モデルに相当していると見ることができる.
有限であれ無限であれG上のランダムウォークを考えたとき,長時間で見たときの確率分配
と1/n(無限グラフならしかるべく測度などを考えねばならないのだろうが.)とが一致
することは,ある種のエルゴート仮説を満たすモデルであると言える.
一方,格子間隔を狭めるというスケール極限は,ある種の場の理論への飛躍に相当する
と見ることができる.こうしたモデルの上で何らかの「物理量」を定式化することなど
ができれば面白い. 現在,[1]の部分を『グラフと確率行列』 (岩堀信子:数理解析とその周辺シリーズ:産業図書)で調査中. いくつかわかっている結果もある.例えば,簡単な線形代数の知識を使うなどすれば, n点完全グラフの場合,確率は等分配されることが示せる.[2]の正多角形の場合については, N=偶数の場合には等分配されない.(確率行列に固有値-1が存在する.) N=奇数の場合はまだ不明.(2002.5.28.) |
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n個の整数のm乗和の問題 |
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(x1)m+(x2)m+
...+(xn)m=ymを満たす整数
x1,x2,...,xn,yが存在するとき、
mとnの間にはどの様な関係式が成り立つか?
[綾乃っちさん提供] |
| [葵玲のコメント] |
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行列版フェルマーの定理 |
Xm+Ym=Zm
を満たすような整数行列X,Y,Zで,非自明なものをすべて決定せよ.
但し,ここでmは2以上の整数とし,X,Y,Zはn次正方行列とする.また,自明な解とは例えば,
[葵玲提供] |
| [葵玲のコメント] |
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可能グラフと不可能グラフの判定条件 |
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頂点集合V={v1,・・・,vn},
辺集合E={e1,・・・,en}とからなる有限グラフG=(V,E)に対して,
新たな有限グラフG'をつくる操作として,以下の2つを考える. [操作1]:Gの頂点viを1つ指定し,新たな頂点vn+1と 新たな辺em+1をそれぞれV,Eに 付け加えて,G'=(V+vn+1,W+em+1)とする. em+1はviと vn+1を両端点とする辺であるとし,G'において, それ以外の頂点と辺の関係はGにおけるそれと同じとする. また,Gにおいてviの色が白[resp.黒]ならばG'においては黒[resp.白] とする.vn+1は白とする.それ以外の頂点の色は変化させない. [操作2]:Gの辺ejをひとつ指定し,新たな頂点vn+1を頂点集合V に加える.また辺ejをEから取り除き,新たな辺em+1,em+2を 追加する.ここでejの両端点をvj1,vj2 とするとき,em+1はvj1とvn+1とを結び, em+2はvn+1とvj2とを結ぶ辺とし, それ以外の点と辺の関係はGにおけるそれと同じとする.ここで,vn+1は白 とし,vj1,vj2は,白[resp.黒]ならば 黒[resp.白]とする.それ以外の頂点の色は変化させない. 初期グラフG0はV={v},E=Φ(空集合)であるとし,vは白であるとする. このとき,G0に[操作1]または[操作2]を有限回施して得られるグラフを 「可能グラフ」と呼ぶことにする.各頂点の色(白または黒)を指定した有限グラフGが 可能グラフであるための必要十分条件を与えよ. [葵玲提供] |
| [葵玲のコメント]:1次元版は99年度東京大学後期試験数学の第3問として出題された. 必要十分条件はnがmod3で1もしくは0ならば可能グラフ,2ならば不可能グラフである. 例えば,初期値白から始めたときの可能グラフと初期値黒から始めたときの可能グラフとが 排反であることを言えばよいというのがすぐに思い付くが,この証明が多くの 予備校の解答では誤っているか,自明のこととして承認されてしまっていた. 実際,何らかの不変量を導入する必要があるが,非常に鮮やかに解決する方法もある. M先生のアイデアのようである.(2002.5.30.) |