青年期後期における「仲間」の性質とソーシャルスキルとの関連
3.問題と目的
ソーシャルスキルは,初期の発達段階において,親子関係やきょうだい関係などの家族との交流を通して学習されるものである。しかし,青年期後期以降を対象にした,先行研究においては,家族関係(家族形態,きょうだいの存在)が,ソーシャルスキルに影響を与えているという結果は得られていない。しかし,子どもの頃の友だちの多さがソーシャルスキルに影響を与えているということが示唆されている。
以上のことより,従来の研究ではソーシャルスキルを学習する要因として,初期の発達段階における家族関係に重点がおかれていた。しかし,仲間関係もソーシャルスキルを学習する一要因であることから,仲間関係の視点からソーシャルスキルを考えることも必要であると考えられる。
また,従来の研究では,ソーシャルスキルに影響を与えるものとして,きょうだい,友人などの個人がかかわる人数に重点がおかれてきた。本研究では,人数だけでなく,仲間関係のどのような性質がソーシャルスキルに関連があるのかについても検討していくことを目的とする。そこで,本研究では,被調査者が所属している仲間の人数とソーシャルスキルとの関連をみることを第1の目的とする。
社会的要求の1つであり,仲間関係を築くために必要とされているものに,親密さがある。そこで,本研究では,仲間の性質として親密さに焦点をあて,親密さとソーシャルスキルとの関連をみることを第2の目的とする。
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