読書感想文
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『文末詞の言語学』
『日本語の時制とアスペクト』
『ことばの誕生』
この本を読んで書いたレポートを一部編集して、この本の感想文にしました☆
文末詞の具体的な例に、
・分かりましたカ(相手に問うもの)
・分かりましたネ(相手にやさしく問うもの)
・分かりましたヨ(自分が理解したことをやや無愛想に言うもの)
といったものがあります(カタカナの部分が文末詞)。これは『文末詞の言語学』より引用したものです。日本語は文末詞が多い言語なので例を挙げることは容易ですが、他言語ではこうはいきません。
なぜ日本語には文末詞が多いのか、それは日本語の構造に由来します。その構造とは、文初決定性か文末決定性、どちらの性質を持つかということです。文初決定性とは主要素が文の前部にあることで、文末に主要素があるのが文末決定性です。文初決定性を持つ言語には文末詞が少なく、文末決定性を持つ言語には文末詞が多く存在します。文末詞は文の終わりに付属することで、発話者の訴え・呼びかけを表すからでしょう。
文初決定性を持つ言語に英語、ドイツ語、フランス語、タイ語などがあります。いずれの言語も文末詞の数は非常に少なめです。ところが英語と同じ構造を持つ中国語には文末詞が存在します。中国語は日本語と英語の両方の特性を備えた言語だと言えます。文末決定性を持つ言語には日本語、朝鮮語がありますが、朝鮮語には文末詞というものがあまり存在しません。但し、これは文末詞という枠組みに当てはまる例が少ないだけで、文末詞的なものは存在します。
というのが『文末詞の言語学』の要約になります。この本を読んで、各言語の持つ構造によって、こんなに違うんだと思いました。言語学って面白いなと思わせてくれた本です。言語学を習っていない人でも理解できる言葉で書かれているので、機会があったら読んで見てください。
この本はアスペクトというのもについて書かれた本です。アスペクトとは発話者の時間的性質に対する見方を伝える形式のことですが、アスペクト云々より、この本を読んで感じたことを感想にしたいと思います☆
この本の全体を通して感じたことがあります。それは"ただし…"で始まる文の多さです。一つのことを定義する度に、"ただし…"で始まる文が一文ないしは二文は出てきたような気がします。数学や理科などの定義の場合には"ただし…"がつくものはあまりありません。それは、数学や理科といったものには曖昧なもの・人によって解釈の異なるものを許さない性質のものだからです。
また、日本語としておかしいものには文頭に'?'がついていたのですが、どうしても'?'がついたこと納得のいかない文がありました。「明日は雨が降る予定だ。」という文です。'?'がついた理由は「自然発生的な動詞は『計画』や『意図』などの名詞の要求する意志的行為という事象を意味しないので、内容節には使用出来ない」ということでした。著者が言っていることは理解出来るのですが、やはり納得出来ません。確かに、天気などは人間の意のままに操れるものではないのですが、発話者は"自分の頭の中"という全てを自分の意のままに操れる世界において「明日は晴れになる予定だ」と言っているという解釈も出来ると私は思うからです。
以上の2点を通じて私が感じたことは、「言語とはなんと流動的ものだろう」ということです。時の流れとともに言語は少しずつ変わっていくし、同じ文でも各個人で解釈が異なります。そんな言語を定義することは非常に困難なことで、条件付きでなければ定義出来ないのだと思いました。
この本は「人類の言語生活は生後5年間でその基礎が完成する」という学説を証明するような本で、4人の子供の成長記録を生後5年間にわたり記録したものをまとめたものです。全体的に読みやすくとても興味深い本で、私にしては珍しく5日間で読破(笑)
途中、子供の声の特徴を記述してある部分がありました。どうやら子供の声は息づかいが荒々しく、発声の為の呼吸の調節も大人ほど上手ではないそうです。また次の言葉を発する為に調音運動を次々と切り替えていくスピードが遅く、共鳴腔(声帯で作られる声の原音を共鳴させることで強める器官)の形が大人と異なるらしいです。他にもいくつかあるのですがそこは割愛しておくとして、本文にはこのことを実証する実験結果が掲載されていました。それはテレビで子供の声の吹き替えを専門にしているアフレコ屋さん達の普段の声(大人の声)とアフレコの声(子供の声)を比較するというものでした。実験の結果、子供の声の特徴をよくつかんで言ってもらったアフレコの声は非常に子供の声と似ていたそうです。
子供っぽい声というのは年齢ではなく、発声器官の発達具合によるものだということが以上のことから分かるのですが、私はそのことが非常に印象に残ったので、今回そのことを読書感想文にいれました。他にも、男の子と女の子では女の子の方が早く言葉を覚えるのはなぜかとか、子供がおかす文法ミスは外国人の文法ミスと似ている、など読んでてすっごく面白かったです。調音器官についての知識がないと分かりにくいとこもあったけど、これは誰が読んでも面白いんじゃないかな。ちなみに、この本は言語学、医学、心理学など様々な分野にわたっています。
→Now Studying