卒論より

医薬品の歴史は人類とともにあるといわれる。古代メソポタミアやエジプトの時代から18世紀末まではすべての薬は天然物起源であり、丸剤や軟膏などの古典的製剤が用いられてきた。19世紀になると、天然物から医薬品の有効成分が抽出単離され、化学物質として取り扱われるようになった。さらに、同世紀末からは化学工業の発展に伴って化学合成により多くの薬物が創製されるようになり、現在に至るまで多々の薬剤が生み出されてきた。しかしながら、これらの薬剤はすばらしい効能のほかに必ず副作用という問題がついてまわる。そのため、薬剤の投与には十分な注意が必要である。また、多くの場合投与された薬剤は患部だけでなく体内全体に作用してしまう。そのため、薬剤の量や強さが制限され、患部に対して十分な薬剤の効能が作用しないことも考えられる。 もしも薬剤を患部だけに効率よく作用させることができたらこれらの問題点が解決されるだけでなく、使用される薬剤が少量ですむという利点まで得られる。その代表的な例がコマーシャルでもおなじみの「患部に止まって治す坐剤」である。また、現在その方法の一つとして、患部付近に薬剤を注入した微小気泡を流し込み、それを体外から照射する超音波によって患部付近に留まらせ、さらに超音波により微小気泡を崩壊させることによって気泡内の薬物を放出させ、効率よく患部に薬物を作用させるという選択的薬物伝達系が研究されている。 今まで我々は微小気泡としてレボビストを用いた超音波場によるトラッピングの研究を行ってきたが、本研究では将来的にIN VIVOでのトラッピング実験を視野に入れ、実験系を考案し、その際に考えられる問題点の検証を行った。また、実験には実際に赤血球を用い、超音波の周波数の違いによるトラッピング比較の実験も併せて行った。 特に赤血球を用いた微小気泡のトラッピングは世界でも例を見ない事であり、ドラッグデリバリの臨床へ向け、大きな前進をしたものと考えられる。

↑超音波出してチューブの中でトラッピング


モドル


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