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ノーベル皆勤賞


私は非常につまらない男だ。
毎日同じ時間に起きて同じ電車に乗る。
同じ駅で降りて同じ会社に到着する。
毎日同じ窓際の机に座り同じように外の景色を眺める。
そして家に帰る。
「私は糞だ…」
いつもと同じようにつぶやいて私は目を閉じた。
いつもと同じ音で私はいつもの時間に目を覚ました。
また代わり映えのない一日が始まる。
台所ではタモリがいつもと同じように朝御飯を作っている。
また代わり映えのない一日が始まる。

彼と暮らし始めてもう7年になる。
しかし我が家での彼はタモリではない、森田一義である。
ブラウン管の中でのみ彼はタモリなのだ。
普段の彼は必要なことこと以外は話さない、散髪しても気付いてもくれない。
そんな彼は朝食を終えると、いつものようにフジテレビに向かって出発した。
彼も私と同様に代わり映えのない毎日にうんざりしているはずである。
彼の後を追うように私も会社に向けて我が家を後にした。
こんな風に後何年生きていくのだろう?
少し自虐的な笑みを浮かべながら私は窓の外を眺めた。


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