高用量デキサメサゾン抑制試験(HDD)
02.10.26.
はじめに
利点
下垂体性クッシングと副腎腫瘍性クッシングの鑑別。
欠点
クッシング症候群であることが確認されていることが必要。
最近になって下垂体性クッシングと副腎腫瘍クッシングの鑑別の精度が疑問視されている。
原理
副腎腫瘍の場合は副腎はACTHとは無関係にコルチゾールを分泌している。このため下垂体にはもともと負のフィードバックがかかっているし、たとえ負のフィードバックのためにACTH分泌が減少しても、副腎は自律的にコルチゾールを分泌しているため関係ない。
下垂体が腫瘍化して過剰なACTH分泌をして副腎過形成を起こしている下垂体性クッシング場合、負のフィードバックでACTH分泌は抑制されにくくなっているものの、高用量の投与ならば負のフィードバックがかかってACTHをやや下げ、コルチゾール濃度が下がることがある。
方法
preの採血(血清)。
リン酸デキサメサゾン0.1mg/kgを静注。(LDDの10倍量)
4時間後(post-1)採血。(血清)
8時間後(post-2)採血。(血清)
血清につきコルチゾールを定量。
採血のタイミング
犬
pre、post-1(4時間後)、post-2(8時間後)
猫
pre、post-1(4時間後)、post-2(6時間後)、post-3(8時間後)
評価
postの値がpreの1/2以下になった場合に十分な抑制と判定。
十分な抑制:下垂体性クッシング。
特に<1.5μg/dlなら確定的
不充分な抑制:2つの可能性がある。副腎腫瘍と確定してはいけない。
副腎腫瘍(症例の100%)
下垂体性(症例の25%)
注意点
理想的には入院、ケージレストで、翌朝一番に行う。
糖尿病、肝疾患、腎疾患、インスリン投与で低血糖になったもの、ストレスのあるものでは十分な抑制がみられない場合がある。
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