低用量デキサメサゾン抑制試験(LDD)
02.10.26.
はじめに
利点
ACTH刺激試験でははっきりしないが、十分に自然発生クッシングが疑われる場合。
ACTH刺激試験とどちらかしかできない場合。
ACTH刺激試験より確実。
下垂体性クッシング病の95%、副腎腫瘍の100%で診断的。
自然発生クッシング症候群の90-95%が検出可能。
下垂体性クッシングの確定が可能な場合もある。
欠点
医原性クッシングとの鑑別は必ずしも可能ではない。
ACTH刺激試験よりも多くの因子に影響される。
8時間かかる。
op'-DDD療法のモニタリングには不向き。
原理
正常動物では、デキサメサゾン投与は負のフィードバックを引き起こし、下垂体のACTH分泌を抑制し、副腎皮質から分泌されるコルチゾールは減少する。
異常な下垂体から過剰のACTHが分泌されて副腎が両側性に過形成を起こしている下垂体性クッシングでは、下垂体自体が異常であるため負のフィードバックがかからず、コルチゾール分泌は抑制されない。
副腎が腫瘍化しているクッシングでは、ACTHと無関係に副腎が自律性にコルチゾールを生産しているので、下垂体に負のフィードバックをかけてもコルチゾール分泌は影響されない。
方法
preの採血(血清)。
リン酸デキサメサゾン0.01mg/kg静注。
4時間後(post-1)採血(血清)。
8時間後(post-2)採血(血清)。
血清サンプルにつきコルチゾールを定量する。
採血のタイミング
犬
pre、post-1(4時間後)、post-2(8時間後)
猫
pre、post-1(4時間後)、post-2(6時間後)、post-3(8時間後)
評価
正常動物は通常4時間および8時間後(post-1、post-2)でコルチゾールは抑制される。(<1μg/dl)
自然発生クッシング症候群では通常8時間後(post-2)のコルチゾールは抑制されない。
4時間後(post-1)が抑制されても、8時間後(post-2)で抑制されていなければクッシングと診断可能。この場合、下垂体依存性と考えられる。
注意点
理想的には入院、ケージレストで、翌朝一番に行う。
糖尿病、肝疾患、腎疾患、インスリン投与で低血糖になったもの、ストレスのあるものでは十分な抑制がみられない場合がある。
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