強烈でした。
この映画の質の良さは衝撃的だし、実話というのも驚きですね。
私は試写会でアカデミー賞受賞式よりも前に観たのですが、絶対にたくさんの賞を取るって疑わなかったです。案の定、期待に応えてくれました。書きたいことはいろいろあるけれど、何だかこんな素晴らしい作品にくどいコメントをするのはおこがましいので、今回ばかりはシンプルにいきたいと思います。
まず内容ですが、非常にアメリカ的です。CIAなどの政府組織にどんな微々たる個人情報でも握られてしまいそうな不安が、アメリカ国民にはあったりするようです。この映画は戦時中の話なので尚更ですが、アメリカ政府の恐ろしさが結構浮き彫りにされてるかも。
ラッセル・クロウを筆頭に、この作品で助演女優賞を受賞したジェニファー・コネリーなどの名優陣、名スタッフ陣であることは、見れば改めて納得するはず。細かいところにまで、気が配られているのです。
これは私のなかでは良い映画の指標の一つでもあるのですが、出演者の表情や、セリフに二通り以上の意味が考えられるシーンがたくさん組み込まれています。最近の映画には残念ながらあまり見られなかった傾向ですが、この映画にはちゃんとある。
そのセリフや表情から複数の意味が推測されることによって、見る側に興味や疑問を生み出させ、それについて考えたりする、つまり心の中にこの映画が浸透していくのです。もちろん、見る側の想像もどんどん膨らんでゆき、それを意外な展開や程良いテンポで、観客の感情を上手く操っています。本当に良くできた映画です。すべてが素晴らしい!例えば、これが他の下手な俳優だったり、監督または脚本家だったり・・・、どれか一つでも欠けたらこの映画のバランスは崩れてしまうのでしょう。つまり、この映画は正に作るべき人に作られたって事です。感動するけれど、決して与えられた感動が他人事的な陳腐な感動ではなかったのは、これで説明がつきます。
観る前の方々には出来るだけ余計な情報はインプットしたくないのですが、私個人としては、皆さんにこの映画の良さ分かって欲しいかたわらで、こういった病気があること、そしてそれに悩まされている人がそれ程珍しくない、ということを知って欲しいです。他人事と思っている人が多いと思いますが、結構身近な病気です。
あそこまで重くはないけど、私の周りには数人いて非常に苦しい思いをしてます。生い立ちとかいろいろな要素もありますが、この主人公もそうだけど、この病気に罹るのは、ちょっとしたきっかけなんです。誰にでも起こり得る可能性はあることを分かって下さい。病気の症状に対して結構映画館の中で笑いが起こる場面があったのですが、決して映画の中の事だと簡単に解釈しないで欲しい。現に実話ですから。これを機に精神病という言葉や患者に対する偏見を捨て、彼らがどれだけ辛い思いをしていることかちょっと考えてみて下さい。
シンプルにとかいって、違う意味で熱弁してしまいました・・・。すみません。では、結論いきましょう!
結論:
期待して観に行っても大丈夫。その期待以上のものを必ず見せてくれる。賞を受賞したことで、TVでの露出度も高いとは思うけど、そういうのには敢えて目を伏せ、絶対に何の勉強もせずに観に行って欲しいです。そして、何の邪魔も許さずまっさらな気持ちで物語の展開に息を飲んできて下さい。