生活習慣病の原因
生活習慣病の多くは、その病気にかかりやすい体質の人に、不適切な食習慣や運動不足、さらにストレスなどが加わって発症すると考えられています。
生活習慣病の予防
現在勧められている生活習慣についてまとめると、
(1) 充分な休養をとる
休養がとれずに過労が重なると疾病発症の誘因となる。仕事量の調整などできるだけ工夫してみましょう。
(2) 適した運動を適量行う
*1日1万歩を目標に歩きましょう。
*週2回以上、1回30分以上を目指しましょう。
*子どもの運動不足に注意。テレビの前にいる時間を短くしてみましょう。
(3) 喫煙をしない
喫煙は若いころから始めれば始めるほど危険性は増します。たばこには依存性があり、一度習慣になると非常にやめにくいという点が問題です。
(4) 節度ある適度な飲酒
*1日1合程度(週2日の休肝日、月に1週間の休肝週間が必要)が適当。
*女性や65歳以上の高齢者の場合は、より少量の飲酒が適当。
*アルコール依存者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要。
「食習慣」と「生活習慣病」
三食決まった時間に食べる、特定の食品は食べない、晩酌をする、夕食は家族みんなで食卓を囲む、うなぎには必ず肝吸いをつけるなど、食に関した習慣は全て「食習慣」と呼びます。好きな物を好きなように食べるなどの悪い「食習慣」を続けていると、栄養のバランスがくずれがちになり、除々に体に負担をかけてしまいます。この負担を積み重ねることは「生活習慣病」を招く大きな要因となるのです。
悪い食習慣の例
●早食いでお腹いっぱいになるまで食べる
●好きな物だけ選んで食べる
●何でも濃い味が好き
●朝食を抜き、夜食をしっかり食べる
●甘い物が好きで食事よりも間食が楽しみ
●こってりした肉料理ばかりを好む
●野菜料理をつい残してしまう
●お酒は飲みたいだけ飲む
生活習慣病を予防する8つのポイント
1.いろいろ食べて栄養のバランスをとろう
主食、主菜、副菜をそろえて
・夕食、夜食よりも朝食をしっかり食べよう
・いろいろ食べても、食べ過ぎないように
2.日常の生活活動に見合ったエネルギーをとろう
・食事はいつも腹八分目
・運動十分で食事を楽しもう
3.塩分をとりすぎない
・塩からい食品を避け、食塩摂取は一日10g以下
・調理の工夫で、薄味料理もおいしく
4.脂肪は質と量を考えて
脂肪とコレステロール摂取を控えめに
・動物性脂肪のとり過ぎに注意し、植物油や魚油とのバランスを良く
5.野菜をたくさんとりましょう
生野菜、緑黄色野菜を毎日の食卓に
6.食物繊維を十分にとる
野菜、海藻を積極的に食べよう
7.カルシウムを積極的にとって丈夫な骨づくり
骨粗鬆症の予防は青年壮期から
・牛乳・乳製品、小魚、海藻を十分にとろう
8.甘い物とお酒は程々に
糖分のとりすぎに注意、間食はできるだけ控える
・百薬の長アルコールも飲み方次第
主な病気の原因と症状
ガンの原因と症状
ガンは悪性腫瘍と呼ばれます。いわゆる”おでき”なのですが、一般にできるおできは良性の腫瘍で時期がくれば完治します。しかし、悪性腫瘍は周囲の正常組織を破壊しながら増殖を続け、組織内に入り出血や壊死、さらに、血管やリンパ管を介して、他の組織にしばしば転移するのです。
人間を含め脊椎動物の全ての細胞には、ガンを起こす遺伝子が内在しています。正常細胞のもとでは、この遺伝子も静かに眠っています。もし働き始めたとしても、体が持つ免疫機能により、その活動が封じ込められるのです。しかし、何らかの原因で、ガン遺伝子が突然、異常に働き始め徐々に細胞をガン化していきます。
ガンはとりとめもなく自己増殖をし、周りの正常細胞から栄養を吸収するので、全身の栄養状態は低下・衰弱し、最終的には体重が減少し、食欲はなくなり、死に至ります。
ガンはまず、発ガンを起こす因子(イニシエーター)によって起こり、さらに、ガンを成長させる因子(プロモーター)によって増殖していきます。
ガンの発症に寄与する因子のうち、35%が食品、30%がたばこ、10%が感染、残りが性生活、職業、環境汚染などによると言われています。 つまり、禁煙と食生活の改善により、ガンの原因の約3分の2は除去できる事になります。
ガンは、体のあらゆるところに発症するのですが、発症部位により食生活との関係も異なります。
たとえば、口腔ガン、咽頭ガン、食道ガンなどは、熱い飲食物を摂取する習慣がある地域に多発しています。
以前から胃ガンは、典型的な日本食である高糖質、低脂肪、高食塩食が関与していると考えられています。熱い食物を食べる習慣、肉や魚の焦げ目、深酒、牛乳・乳製品などの不足も胃ガンの誘因となります。 大腸ガンは肉食で脂肪の摂取量が多く、食物繊維が少ない欧米人に多く見られ、日本人も食生活の欧米化に伴い増加してきています。
肝臓ガンの、原因としては肝炎ウイルスやカビの一種であるアフラトキシンが考えられています。また、アルコール性肝炎→肝硬変→肝臓ガンへと移行するケースも多く見られます。
乳ガンは油っこいものが好きな肥満女性に多く見られ、食事が高脂肪食になるにつれ増加傾向にあります。
食物繊維は、食物の中での発ガン性物質の濃度を希釈するとともに、便通をよくするので発ガン性物質と腸壁との接触時間を短縮する作用があります。また細胞がガン化する際に、酸化が関与するために、酸化を抑制する働きを持つビタミンA・C・E、カロチンなどが、抗ガンビタミンとして注目されているのです。
新鮮な野菜、果物、海草などを十分摂るようにします。
ガンを防ぐための12か条
1、バランスの取れた食事を摂る
2、毎日、変化のある食事を
3、食べすぎを避け、脂肪を控えめに
4、お酒はほどほどに
5、煙草は少なくする
6、緑黄色野菜やビタミン、繊維質のものを多くとる
7、塩辛いものは少なめに、熱いものは冷ましてから
8、こげた部分は避ける
9、カビの生えたものは避ける
10、日光に当たり過ぎない
11、適度に運動する
12、体を清潔に保つ
心臓病の症状と原因
現在、日本人の死因で一番多いのがガンで、2位を占めるのが心臓病です。この30年間で4倍に増え、年間に140万人以上が命を落としており、特に中高年の男性がかかるケースが多くなっています。また、突然死のうちのかなりの数が、心臓病である事も分かっています。 心臓病の中でも、よく見られるのが狭心症と心筋梗塞です。この2つの病気は、いずれも心臓の血管の故障によって引き起こされるもので、虚血性心疾患と呼ばれます。
原因
心臓は、その周りを取り巻く冠状動脈から、酸素や栄養を摂り入れています。ところが冠状動脈の血管の内側にコレステロールが溜まって動脈硬化を起こすと、血管が狭くなり、血液が流れにくくなって心臓に十分な酸素が供給されず、虚血状態になるのです。
狭心症と心筋梗塞では、冠状動脈の狭窄の様子が違います。
狭心症
狭窄の為、血液が流れにくくなった状態です。
心筋梗塞
狭窄部分に血のかたまり(血栓)が詰まって血液が流れなくなり、心臓が壊死した状態です。狭心症の症状が起こったからといって、心筋梗塞に直接つながるわけではありません。また心筋梗塞の発作の前兆としては、必ずしも狭心症の症状が現われるとも言えません。しかし、心筋梗塞の発作を起した人のうち54%が、以前に狭心症と診断された経験を持つというデータもありますから、注意する必要があります。
狭心症、心筋梗塞の予防
虚血性心疾患にかからない為には、その直接の原因となる動脈硬化を防ぐ事が大切です。動脈硬化を引き起こす危険因子として、代表的なものは次の6つです。このうち3つ以上に当てはまる人は要注意です。
1.高血圧、2.高コレステロール、3.煙草、4.肥満、5.糖尿病、6.ストレス・疲労。
これらの危険因子は、日頃の注意で解決する事が出来ます。
・食事
動物性脂肪を減らし、食べ過ぎないように注意します。塩分やアルコールも控えめにします。
・ストレス
ストレスや疲れをためないように、気分転換に心がけ、心身をリラックスさせる方法を工夫しましょう。睡眠は十分に摂ります。
・運動
適度な運動はストレス解消にもなり、心臓を強くします。病気の人や健康に不安のある人は医師の指導のもとに行ないます。
・定期検診
自覚症状はなくても、心臓病の発症率が高くなる40歳代になったら、定期的に検診を受け、危険因子があったら、未然に芽を摘み取っておく事が大切です。
脳卒中の原因と症状
原因
脳卒中は、脳の血管異常が起こる病気で、血管が破裂して出血するタイプと、血管が詰まるタイプがあります。血管が破裂して脳に出血するのは、次の2つです。
・脳出血
脳の血管が破れ、脳内に出血します。以前は脳溢血と言われていました。50〜60歳代の人に多く発病しますが最近では高齢化しました。 ・くも膜下出血
脳を包んでいる、柔らかく薄い膜がくも膜下です。そのすぐ下、軟膜との間にある血管に、動脈瘤というこぶが出来、それが突然破裂して、出血が起こります。多くは、40〜50歳代の働き盛りに人に多く見られますが、20歳代でも起こる事があります。
血管が詰まるタイプは総称して脳梗塞と言います。以前は脳軟化症と呼んでいました。これには脳血栓と脳塞栓の2つがあります。
・脳血栓 脳の血管が動脈硬化を起こし、血液の流れが悪くなったり止まってしまって、脳細胞が栄養不足になった状態です。60歳以上で発病するケースが多くなっています。
・脳梗塞
心臓や頚部(首)などの動脈に出来た血のかたまり(血栓)などが、脳の血管まで流れていき、詰まった状態を言います。血流が悪くなり、脳細胞が栄養不足になります。
主な原因は、動脈硬化、高血圧、心臓病、糖尿病です。動脈硬化が進むと、血管が詰まり、脳梗塞を起こします。
血圧が高くなると、血管に負担がかかるようになる為、もろくなり、脳出血が起こりやすくなります。また、血管の内側が厚くなったり、でこぼこが出来たりするので、血液中の老廃物や血栓が詰まりやすくなります。
また心臓病があると、心臓の血管に血栓が出来やすく、それが脳まで流れていく事があります。
糖尿病があると、血管が痛み、脳梗塞になる危険が大きくなります。
症状
前ぶれ発作
専門的には、一過性脳虚血発作と言います。この発作の後、1週間〜1ヶ月、遅い場合で1年のうちに、脳卒中の発作が起こるケースが大変多いものです。次の症状は数十秒、数時間、長くても24時間以内におさまります。
・めまいがする ・冷や汗が出る ・片方の目が急に見えなくなる ・突然手がしびれ、動かなくなる ・ろれつがまわらなくなり、うまくしゃべれない ・一時的に、自分が誰か、どこにいるのかといった記憶がなくなる。
また、くも膜下出血の前ぶれとして、軽い頭痛を感じたり、物が二重に見えたりします。これは動脈瘤が小さな破裂を起こした為で、数日のうちには大きな破裂がある事の警告サインです。
脳卒中の発作が起こるのは、脳出血は昼間、仕事などをしている時、脳梗塞の場合は、就寝中や朝起きてから数時間以内が多くなっています。くも膜下出血は、興奮したときやトイレで力んだときの発作が多いようです。発作が起こると、次のような状態になります。
・突然の頭痛
激しい頭痛におそわれます。特にくも膜下出血の場合はひどく、今までに経験した事のないハンマーで殴られたような痛みだと言います。めまいや嘔吐もよく見られる症状です。
・意識障害
意識が混濁して、ぼんやりしたり、話す事が支離滅裂になったり、極度に興奮して暴れたりします。
・平衡感覚がなくなる
ふらついたり真っ直ぐ立てなくなります
・手足のまひ
思うように手足が動かせない、触っているものの感覚がつかめないといった運動障害で、体の片側に現われます。右手右足、あるいは左手左足、という現われ方です。
・言語障害
舌がもつれたようになって、うまく話せません。言葉がまったくでない、失語症状態になる事もあります。他人の話が理解できないといった症状も出ます。
動脈硬化症、高血圧症、心臓病、糖尿病の治療や予防が、そのまま予防につながります。
これらの病気は、互いに関連性があるので、まず共通のポイントを押さえ、それぞれの病気の治療も同時に進めましょう。
予防
食生活
脂肪、塩分の摂り過ぎに注意し、栄養のバランスのよい食事を心がけて、太り過ぎないようにします。サバ、アジ、サンマ、イワシなどの魚に含まれる不飽和脂肪酸は、血栓を出来にくくする効果があるので積極的に食べたいものです。
・禁煙と節酒
煙草は心臓に悪く、脳の出血にも直接影響を与えるので厳禁です。アルコールは適量を守ります。
・運動
適度な運動はストレス解消にもなり、肥満防止の効果も期待できます。 ・ストレス解消
運動・趣味など,自分に合った方法で、心と体の休養を十分に摂りましょう。
・血圧の管理
血圧が高いのに放っておいた人が脳出血の起こすケースは多く、ほとんどが症状も重く回復が順調でない傾向があります。血圧の高い人は、日常の注意に加えて、医師の指導で降圧薬を服用する事が、積極的な予防と言えるでしょう。
動脈硬化症の症状と原因
原因
動脈硬化の原因はまだはっきりとは解明されていません。一般に危険因子が遺伝的な体質や食生活などが関わって起こると考えられています。 血管の老化現象であるとも言われ、40歳以上の人のほとんどに、多かれ少なかれ動脈硬化が見られます。しかし、中には10歳代から動脈硬化の兆候が見られるケースもあります。
動脈硬化を起こす重要な危険因子と考えられるのは、高血圧、喫煙、肥満、糖尿病、ストレス、運動不足などです。これらは動脈硬化を促進させるものとしても要注意です。
なかでも、高血圧、高脂血症、喫煙は、組み合わさると相乗効果によって病気を進行させます。
症状
•脳動脈の硬化
初期の症状は、めまい、立ちくらみ、耳鳴りなどです。過労、興奮、ストレスなどによって起こりやすくなります。記憶力が悪くなったり、穏やかな性格の人が急に怒りっぽくなったり、表情が変わったりする事もあります。脳動脈硬化は、一過性脳虚血、脳梗塞、脳出血などを引き起こす事があります。
・冠状動脈の硬化
冠状動脈は、心筋に酸素や栄養を運ぶ役目をしているので、この動脈に動脈硬化が起こると、心臓の機能が低下します。
冠状動脈は内腔が半分程度に狭くなっても何の自覚症状も起こしません。25%程度に狭くなると危険です。このような症状に病気が進むと、心筋の酸素需要が増えたとき、発作が起こります。これは、狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈などです。
・下肢の動脈の硬化
足の大腿動脈などに動脈硬化が起こると、歩行中にふくろはぎや足の先が痛んだりします。これは、下肢に血が通わなくなる為に起こる症状で、進行すると、壊疽を起こす事もあります。
・腎動脈の硬化
腎臓の動脈硬化が進むと、腎臓への血液流入量が少なくなって高血圧や腎機能障害が起こります。
・眼底動脈の硬化
眼底に出血すると、視野の一部が欠ける場合がありますが、一般には無症状です。
治療と予防
•食事
・食べ過ぎない ・脂肪の摂り方は、多すぎても少なすぎてもよくない。総摂取エネルギーの20〜25%にする。・コレステロールの多い食品は控える ・野菜や果物(特に柑橘類)で十分に摂る ・良質のタンパク質(肉、魚、大豆製品)を摂る。タンパク質不足は脳卒中のもとなので要注意。
コレステロールには、悪玉(LDLコレステロール)と善玉(HDLコレステロール)があり、これらのコレステロールが一定の量を超えたり、割ったりすると要注意となりますので、食事には特に気を付けます。 酒は少量ならかまいません。1日に、ビールなら1本、日本酒で1合、ウイスキーはシングル3杯が限度です。
・生活上の注意
体重コントロール、血圧是正、ストレス解消をかねて、適度な運動を習慣にしましょう。喫煙は厳禁です。
医療技術の発達によって、動脈硬化の治療は進歩していますが、より大切なのは予防です。定期的に健康診断を受け、異常があったときはもちろん、健康なときから、生活の中に危険因子を入り込ませないように心がけます。
・薬
血流をよくしたり、臓器の機能を高めたりする薬を使う事があります。また危険因子を是正する目的でいろいろな薬が使われます。
・手術
病気の場所や程度によって、最適な手術法が選ばれ、行われます。
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