2003年9月12日 東京都立大学・短期大学教職員組合中央執行委員会
大学管理本部のもとで教学準備委員会が発足して以降、学内での新大学準備についての検討作業は、異様な状態になっています。
8月1日に突然の石原知事の「新大学案」が出され、8月29日に都立大学5学部長と科技大、保科大の学長が集められ、管理本部長の17項目にわたる発言がありました。この中身は教学準備委員会に個人として入ってほしいということ、新大学の設計には基本構想に積極的に賛同し且つ旧大学の資源に精通した人を任命したい、「大学の統合」や「新大学への移行」ではなく4大学の廃止と新大学の設置である、等でした(詳細は『手から手へ2203号』(9月5日付)掲載「大学管理本部長発言骨子」)。これを受けて、9月5日に第1回目の会議が行われ、大学管理本部は学部長や学長に検討体制のメンバーに個人として入ることを認める「就任承諾書」を提出させました。また8日には管理本部側から教授会メンバー定数、学生定数の内示が行われたといいます。さらに学部によってはワーキンググループのメンバーを学科から選び、検討内容について他言しない等の「念書」を取っているところもあります。
こうした典型的な上意下達の中で、学部長をはじめとする検討メンバーが行っている新大学設立作業は、現大学の構成員と施設・設備を前提とした明らかな「移行」作業であるにもかかわらず、その内容は教授会構成員の中ですら場合によっては一部に内密にしか知らされていません。その結果として当然ながら、教職員の不安を煽るような流言も飛び交うような状況になっています。
そもそも検討メンバーの作業は、所属大学教職員としての本務として行われているのか否かすら不明確なのです。
こうした異常な状況が生じている最大の原因は、なんといっても大学管理本部の秘密主義です。学科、コースの設計や教育内容の検討がなぜ「他言してはならない」のでしょうか.大学管理本部が「新大学案」の中身に本当に自信があるのならば正々堂々と民主的な手続きにより、全構成員の議論を行うべきです。管理本部は孤立した担当者に「都市教養学部」や「都市環境学部」等の設置理念すら説明できない状況で作業を強要しているのです。設置理念が説明できなくてどうして教育・研究が議論できるのでしょうか?
いうまでもなくこのような検討作業の進められ方は、大学の自治と民主主義にとってきわめて重大な問題です。検討・準備作業は、教授会構成員の本務として教授会をはじめとする教員集団(および学生,院生)に責任を持って、それに支えられながら行なわれるべきであり、したがってその内容は教授会構成員をはじめ大学構成員全体に公開されるべきです。とりわけ、重大な影響を受ける学生・院生や受験生(多くの研究科ではもう入試がはじまっています)に対しても、この重大な内容が十分に知らされるべきです。
今進行している不必要な秘密主義やトップダウンの押し付けは、「学問の自由」と「大学の自治」の土台である自由で建設的な議論を許さず、開かれた大学づくりを真っ向から否定するものです。さらに教員の間に相互不信を生み出し、分断支配を企図しているものといわざるを得ません。
都立の4大学の全教職員はこの不当な攻撃にひるむことなく、これまで以上の相互信頼と団結をつくり上げ学生や都民の期待に応えうる新大学の建設を進めましょう。
教職員組合はその先頭に立つことを表明するとともに、以下の点を緊急に提案、要求します。
1)各学長、学部長は管理本部の不当な指示に屈することなく、大学自治および教授会自治の原則に則り、教授会を基礎に情報をすべて公開し十分民主的な議論をすること。
2)各大学執行部は大学間、学部間や個々人の分断がなされることのないように、あらゆるレベルでの情報交換、連携を奨励し、基本的ルールに基づいた民主的な議論と手続きを進めること。
3)学科から選ばれたワーキンググループのメンバーは疎外されがちな助手を含めた全教員の意見を十分収集し尊重すること。
4)管理本部、各大学執行部は、もっとも影響を受ける学生、院生に情報を公開し、真に都民に開かれた新大学を作るためのあらゆる方策をとること。
http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/shindaigakuseimei9.12.htm より