最終更新日:2004年1月3日
12月21日に開かれた都立の大学を考える都民の会主催による「都民の向けた大学『改革』説明会」は、都立大学の総長、教養部長、学生部長に出席いただき、無事終了いたしました。
主催者側の不手際もあり、12月に入ってからとお知らせの期間が短かったにもかかわらず、都内の高校の先生や都立大の卒業生をはじめとして、100人余りの方にご参加いただきました。
席上、総長は「都民の方や、学生、様々な方のご意見を積極的に伺いながら、進めていきたい」とおっしゃっていました。
都民の会では、可能であればこれからも同様の会を開き、都民の意見を『新しい都立の大学』に反映させる場を作っていきたいと考えています。
以下、会議における総長の説明と、質疑応答の模様になります。
大学の取り組みを都民に紹介し、お力を借りたい。都民の方々や、学生諸君の意見を聞きながら「改革」を進めていきたい。大学主催ではないので、理解を。
1999年ごろから全国的な大学改革を意識しながら、独自に改革努力をやっていた。改革2000としてまとまる。その後、東京都の中に大学改革担当部局、大学管理本部ができる。その後、管理本部と大学が共同して改革の議論を進める体制ができる。この体制の元で大学改革大綱がまとまる(2001年11月)。大学と都の間で、協議をしつつ、大学の側ではいいたいことがあったが、大綱としてできたのは、意味があった。
大綱に基づいた改革、議論を行うための、4大学の学長の委員会や他部会もできた。大綱(都知事の前書き、署名が入ったもの;知事も了承したものとして考えていた)の具体化のための努力が、都と大学との間で取り組まれていた。3月まで人文学部長だった、私は人文にかかわる部会の長となり、人文、科学技術大学、保健科学大、短大からも委員がでて議論をしてきた。
知事選後、外部検討委員会が設置されて取り組みを進められていた(メンバーはわからなかった。西沢座長の名は知っていた)。審議の内容についても知らされていなかった。
8月1日の発表が行われる(当日配付資料、資料4ページ目;都立の新しい大学の構想について・・が示される)。8月1日の2時に、4大学の学長が呼ばれ、この体制で新しい大学の改革が進められると知らされる。その日の、3時、都知事の定例の記者会見で、発表する。学長たちは、これを大学へもちかえって説明してほしいということ。
あまりにも唐突で、準備体制がなぜ変えられるのかかわらない。大都市の大学としての使命、3つの具体的なミッションを担う大学をつくる。この使命が、よくわからない。都政のミッションであって、大学の使命とするための媒介項がない。「このままでは説明できないと」言う。「それは総長のお仕事でしょう」といわれた。「説明できないので大学に来て直接に説明してほしい」と要請した。・・・やり取りの中で、3時記者会見で発表あり。
これまでの議論が無視される。具体的にどこをなぜ変えるのかという説明がない。臨時評議会、定例評議会を行う。定例評議会の時に示して2点だけ大学に学内掲示。これまでの努力が無駄なのは、残念しかし、改革にむけて努力したいという趣旨。8月末に、教学準備委員会に委員を出してもらいたいと依頼が来た。学部長、研究科長には個人として委員にという依頼(科学技術大、保科大学長にも行ったがこれまた個人としてということ)。都立大総長には依頼はなかった。個人の資格で、参加を求める。その就任については、検討内容を公開しない、守秘義務を課す。即座に撤退すべしとの意見もあったが、最終的には、完全に拒否して改革を一切拒否もよくないということとなり、参加した。また、管理本部から作業委員を推薦してほしい。各学部から複数名がでた。
その後、一人一人の教員を、新しい大学の学部にどこに配置するか、管理本部が考えたもの;配置案に賛成して、詳細設計に参加してほしい。いわゆる、「同意書」。同意書には、検討内容を口外しないこととかかれてあった。配置は管理本部が考えた学部構成が前提。これを承認することは、8月1日以降の案を承認することを意味する。包括的に8月以降の転換を認めるという意味になる。
「管理本部における意見聴取にあたって」を管理本部に提出。改革の構想、準備の体制、4大学と協議して進める体制をすみやかに再構築すべきとの意見、その他教育内容について(9月22日)。
同意書について、問題があるという趣旨の意見書を、管理本部へ9月29日に提出。総長としての意見を出す。これは内部に向けた文書。各学部研究科に対して、報告。大学のメンバーには周知された。
意見は出しても、協議に向かっての転換がない。10月7日付けの総長声明を学内掲示。これまでとちがってもっと公的に示す必要を感じたから。新聞報道へ、「反旗」「抗議声明」として示される。原案を評議会にだして、修正の上、提示したもの。内容は、
1.管理本部の検討の体制、進め方に問題がある。8月1日の転換、さまざまな意見があるのはいい、意見を戦わせ合意を形成する必要がある。トップダウン、口外しないというやり方は、現場からの意見を聴取せず、賛成しなければ協議に参加できないというやり方は問題。
2.われわれは協議のための提案をする用意がある。
1)大学院の問題。改革2000、改革大綱、いずれも学部・大学院をセットにし、研究教育と教育が密接に絡むように構想。管理本部は、まず学部から、大学院は後回しという方針。これを批判して、同時に検討、同時に立ち上げる必要があることを主張、そこで、大学院への提案を第一におく。都市科学研究科;独立大学院、これも含めて提案する。
2)基礎教育、基礎教養について提案ができる。これについては、すでに管理本部とともに討議を進めてきた。
3)教員免許など資格取得、JABEE、これらを考慮しなければいけない。
最後に、助手の問題、任期制問題について指摘。助手問題は、検討されずに来た。助手についての検討が深められていない。任期制については、国際的動向・国内動向、教員任期法・労働基準法など法的問題の検討が必要。それがないまま任期制・年俸制の導入は大きな問題。スタンスとしては、8月1日の構想自体について問題にしていない。協議体制の再構築を問題にし、提案する用意があるという意見表明。
外部からは抗議ととらえられたが。科学技術、保健、短大、からは8月1日の転換については、認めるという意見が出る。これは大学管理本部が発表した。
大学構成員の意見、都民のかたがたの意見、を伺いながらいいものを作る必要を感じる。
第一外国語(英語)は必修とすべきである。英語だけではなく、全般にわたって選択制にするという話があるが、少なくとも英語は必修にすべき。実用的な運用能力を身につけるための英語教育改革は必要だが、同時に会話能力だけでなく、読み書きの能力も必要である。
都市教養プログラムについて、保健科学大学を母体とする部分については1年次、他大学を母体とする部分については2年次と提示されているが、無理があるので意見。
グレード・ポイント・アベレージ(GPA)導入;教育の改善を含む。外国の大学、大学への留学の時点で、GPAが求められるようになっている。必修と選択をしっかりと位置づけ、評価を行い、学生にもがんばってもらうというシステム。
GPAは「単位バンク制」と矛盾をきたす可能性がある。首都圏には200以上の大学あり、青年海外協力隊の経験、大学の認定によって単位を履修したものとみなす。大学で提供するものと外部で習得した単位との対応関係は吟味されていないままであるが、選択制と外部の単位を認めることをセットにしているのが管理本部案であろうと思う。GPAとは発想が違う。GPA自体は、改革大綱の中ですでに指摘されていた。
大学一年時、基礎ゼミを設ける。長い検討を経た上で、決定。これは、「基礎的な専門」ではなく、学生の問題発見の力、思考力、ディスカッションの力の向上を目指す。本当の意味での教養教育ができるように。
(都立大学として)十分に検討はできていない。新大学は17年度発足、大学院については1年遅れて発足。一年ずらして進める。17年度は、暫定大学院をつくる。これは現在の研究科構成で学生を募集する。18年度に新大学院に改組。都立大、科学技術大の工学研究科が並立するのだがどうするのか。これに対し、理念などを示している。
教養教育、大学院教育に関して、教学準備委員会に提出した。大学の学部長が出ているというわけではないので委員を通して議論してもらう。座長は、10月23日に次回に協議と話されたが、その後、教学準備会自体が開かれず、話されていない。検討を続ける意向をもった提案であり、管理本部からのカウンターに対してさらに検討を進めていくという考えを持っている。
学部、大学院とは別にエクステンションセンターつくり、そこに教員を配置する。管理本部案では、人文学部、短大、理学研究科の体育の人を中心に配置案が示された。ここはいずれ、独立採算にし、独立するということを都は考えているようである。都民に向けてのセンターと位置づけられている。都立大としても都民に向けて、高度な学術の成果を示し、ともに学ぶことは必要であると考えている。都民に向けた生涯学習の中身、性格付けをめぐってワーキンググループで議論している。かつてあった都民カレッジは、財政難で廃止されたため、研究成果を公開する場所が無くなっている。生涯学習を積極的に、大学・大学院レベルのものを含んで充実したものにしたいとして検討中。それは単に人が配置されることとはちがう。研究組織も作り、大学院もセンターに絡んで、研究しながら都民に開示する場所にするべき。大学にとって必須の場所、いずれ切り離されるようなものではない部分として考える。教養教育、大学院問題もそうだが、これについては特に教授会などでの報告・討議が不十分な状態であり、以上の私の発言はまだ中間的で、総長はこう考えているという程度に受け取ってもらいたい。
基礎教育センターの設置;情報教育、語学教育の拠点。人の配置が少ない。案を考えているがまだ、発表する段階ではない。
(総長声明以降)教養、大学院、センター問題(基礎教育、エクステンション)、法的問題検討(9月)、任期制・年俸制もからんで教員身分・組織・評価検討(現在人選中)の5つのワーキング・グループをスタート(もしくは準備)している。一部、他大学の先生にもオブザーバーとして参加してもらって、意見をもらっている。
センターの問題について、都民の要求に答えるセンターのあり方を考えるとき、都民の意見を聞きたい。カリキュラム問題についても、学生からの提案を受けたい。17年出発という管理本部の予定の中では、押し迫っているが、すこしでも努力をしないといい大学にならない。すべて実現しなくても、新しい大学に反映してしたい。できるだけ一致できるところを探したい。学生、都民の声を参照しながら案を作っていきたい。
学生部長、教養部長、センターWGの委員の先生も見えています。検討状況について話すことはできます。
大学院については、教学準備委員会へ提出したものから若干修正あり。
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