2005.9.7 吉川
フィンランド語の特徴と言えば、まず母音調和と階梯交替が挙げられるであろう。
母音調和の解説にはよくトルコ語の例が用いられる。
階梯交替こそはフィンランド語の特徴と言ってよいだろう。
階梯交替というのは
pappi (牧師) → papin (牧師の) のように
閉音節になると重子音が短子音になる、
つまり pp と p とが交替するという現象のことである。
この場合は、結局 文字の数が同じになる、と考えてもよい。
また、lukea (読む [不定形]) → luen(私が読む) のように
閉音節になると k が落ちる、
つまり k と ø(ゼロ)との階梯交替もある。
これによく似た現象は日本語にもある。
書く kaku → kaite 書いて
フィンランド語のもう一つの特徴は koulussa(学校で)、
puistosta(公園から) のように
格語尾が英語などの前置詞の役割を果たしていることだ。
つまり、英語で3単語(in the school; from the park)で
表されるものがフィンランド語では1単語で
表されるのである。
これは印欧語(英独仏伊語など)とは異なる特徴だ。
外国語と言えば英独仏伊語しか知らない人が
これを見ると、びっくりする。
しかし、ドイツ語、英語にもこれと似た現象が
ないことはない。
次のドイツ語の例はどうだろうか。
この hin、her は語尾のようだが、そう考える人はいない。
一般名詞ではこんなことはないから。
* Schule-hin * Schule-her
また、形式張った英語では
herewith(これとともに)というのがある。
with が語尾のように前のことばにくっついている。
ある言語の特徴を言うには
数多くの言語を調べなければならない。
ある言語の特徴と思われたことも、
まれではあるが他の言語にも見られることがある。
日本語の特徴を言うときは
英語とだけ比べて言うべきではない。
世の中にはこういうのが多いが、……
トップページへ|
このページの最初へ