時刻と時間−−みたび「ごろ」と「ぐらい」について−−

吉川 武時
2006.3.13
「時刻」(point of time) には「に来ました」のようなことばが続く。
そして、大体の「時刻」を言うには「ごろ」を付ける。
「時間」(period of time) には「待ってください」のようなことばが続く。
そして、大体の「時間」を言うには「ぐらい」を付ける。
ここの「時刻」「時間」という語は 『日本語文法入門』(p.51)で 述べた意味で用いる。
「ごろ」と「ぐらい」の違いから 「時刻」と「時間」の区別をやかましく言うと、 学生は「私は三年前〜をしました」 のような文を書いてしまう。 「三年前」としなければならない。
「○○前」は「時刻」を表すが、 その「○○」は「時間」である。だから、 「時間」の言い方「三年間」を選んで、それに 「前」を付けてしまったのである。

時刻
「〜ごろ」
「〜に来ました」
時間
「〜ぐらい」
「〜待ってください」
<時間>前
「〜に来ました」
一時一時間一時間前
一分一分(間)一分 前
一秒一秒(間)一秒 前
一日(ついたち)
二日(ふつか)
一日(いちにち)
二日(ふつか)(間)
一日 前
二日(ふつか) 前
一月一か月 一か月前
一年一年(間)一年 前

「一時、一時間、一時間前」の場合だけは 規則的であるが、 それ以外では「○○前」と言うとき「間」は必要なくなる。 「時刻」と「時間」が同じ形になってしまうのである。
「時間」を表すとき「一時間」以外は「間」がなくてもいい ことが関係している。
日については「一日」以外は 「時刻」も「時間」も同じになってしまう。
この3列目の表現も注意深く教えなければならない。

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