プログラム概要
多様なプログラム
2015年現在、クラナートの修士課程にはMBAを筆頭に9つのFull-timeプログラムが用意されています。この内2つが通常の2年制MBAと履修期間を短縮した1年制MBAで、残りの7つがそれぞれの分野に特化した専門プログラムとなっています。これらのプログラムはいくつかの授業を共有しており、異なるプログラムの学生も席を並べ、授業を受けます。そのため、受ける授業のクオリティにさはありませんし、成績も同じ土俵で評価可能です。同じ授業を取っていればプログラムの種類に関係なくチームも一緒に組めますし、もちろん友人関係にプログラムの違いはありません。
以下では、所謂MBAである2年制MBAプログラムと、授業の重複が最も多いMSHRM(Master of Science in Human Resource Management)、さらに、近年クラナートが力を入れている1年制MBA(STEM)をより詳しく掘り下げていきます。
MBA(2年制)
伝統あるKrannertの看板プログラムで、最も入学者数が多く、充実したコア(必修)科目に加え、選択可能なオプションエリアも多彩です。8月にスタートし、翌々年の5月に卒業するのが一般的ですが、夏季セメスターの授業を取り、さらに普段の学期中に1科目程多く履修すれば、5月の卒業を前倒しして前年の12月に卒業することも可能です。
One-Year MBA for STEM Professionals
STEMとはScience, Technology, Engineering, Mathの頭文字を取った略語であり、理系出身者が集中的に経営を学ぶ短期プログラムとなっています。2年制のMBAが2年かけて履修する内容の8割を1年に詰め込むため、かなり密度が濃いほか、カリキュラムもSTEMにフォーカスした内容にカスタマイズされています。6月に授業が始まり、翌年5月に卒業します。
MSHRM
Human Resourceに特化したプログラムで、3セメスター(1年半)のコース形態をとっており、8月にスタート、翌年12月に卒業します。MBAの必修科目を80~90%カバーした上で、HRに関する必修科目を割り当てられるため、選択科目はMBAほど多くは履修できません。財務・会計分野の必修内容は他のプログラムより手薄ですが、米国でのHRについて一通り学ぶことが出来ます。
MBA STEM MSHRM 必要単位 60単位 48単位 48単位
履修期間
2年
8モジュール
1年 5モジュール
1年半 6モジュール 出願要件
職務経験強く推奨、 職務経験3年以上、 職務経験平均1~4年 概略
MBA(経営学修士) 理系バックグラウンドを
Human Resource(人
(必修29、選択31)
(必修32、選択16)
(必修28、選択20)
(8月~翌々年5月)
(6月~翌年5月)
(8月~翌年12月)
STEMバックグラウンド
不要
STEMバックグラウンド
必要
標準プログラム
持つ方向けの短縮
MBAプログラム
的資源管理)を主に
履修
他の専門プログラムを含めたより詳しい説明は、公式HP(MBA、専門プログラム)をご参照ください。
コーススケジュール
MBA、STEM、MSHRMともに、授業は大きく必修科目(Core)と選択科目(Elective)に分類されます。必修科目で基礎を学び、自分の興味に応じて選択科目で知識を深めるという形になります。
Core
各プログラムともに、最初の数モジュール(MBAの場合3モジュール)は必修科目が中心となります。その後は選択科目がメインとなりますが、2年次にもいくつか必修科目が割り当てられています。他大学のMBAコースに比べ必修科目の割合が高めですが、その分全体の構成やクラス間の学習内容の関連性なども良く練られており、各分野偏りなくしっかりと基礎を叩き込まれます。
Elective
Electivesの必要単位数は、MBAが31単位、STEMが16単位、MSHRMが20単位となっています。Purdueは定量分析系のイメージが強く、FinanceもしくはOperationを核に授業を履修する学生が多いですが、勿論、マーケティングやHRなど、様々な分野で数多くの優れたElectiveがあります。
Option Areas
クラナートにはDiplomaに書かれる特定分野の専攻制度はありません。その代わりにOption
(Concentration)
Areaというものを設けています。「ファイナンス、マーケティングなど特定分野に興味がある人は、これらのElectiveを取ることを勧める」といったガイドラインで、1~2個ほどOption
Areaを選ぶ人が多いようです。また、特にOption
Areaを選ぶ必要はなく、様々な分野から興味のある科目を取っていくことも可能です。現在、8つのFunctional
Optionと、6つのInterdisciplinary Optionがあります。各Option Areaの詳細はこちらもご覧ください。
Functional Options
1)Accounting
会計士を育成するのではなく、銀行員、起業家、各部門のマネージャーとして財務情報を読み解き、正しい決断ができる人材を育成するのが目的のオプションです。
2)Finance
銀行やM&Aに積極的な大企業の事業計画部署などで、金融市場の動向を理解できる人材を育てるのが目的のオプションです。
3)Marketing
Industrial
Marketing(B2B)、Consumer Marketing(B2C)、Marketing Research、Consultingの4つの分野で活躍する人材を育てるのが目的のオプションです。
4)Management of Information Systems
単なるITではなく、データから有益な情報を導き出し、経営判断を下せる人材を育成するのが狙いのオプションです。もちろん、ITはそれを実行するための重要なツールですが、本オプションではITを学ぶわけではありません。
5)Operations
クラナートの看板分野で、他のオプションと掛け持ちする人を含めると半数以上の生徒がこのオプションに属します。将来、製造業だけでなく、銀行・外食チェーン・病院などのサービス業でも業務効率化をリードできる人材を育成します。
6)Strategic Management
経営コンサル志望の学生はもちろん、起業、事業会社志望の生徒でも経済の全体像を把握し、戦略的に判断を下す人材を目指す人に人気のオプションです。
7)Human Resource Management
人事・組織論に特化するMSHRMプログラムとは違い、経営幹部として人と経営の両方をバランス良く学びます。多くの授業をMSHRMの生徒と一緒に受講するため、豊富なElectiveの中から授業を選べます。
8)Organization Behavior
組織論に焦点を当てたオプションです。HRとしての立場ではなく、ゼネラルな視点から会社の組織形態のあり方などについて学べます。
Interdisciplinary Options
1)Business Analytics
定量分析に特化して学ぶサブオプションです。定量分析はファイナンス、マーケティング、オペレーションと多くの機能分野
で科学的な判断を下すのに不可欠なツールとなっています。統計学やシュミレーションソフトを利用し、科学的な判断ができる人材を育てるのが目的です。
2)Management Consulting
企業経営全般に関わるマネジメントに特化したサブオプションで、経営層、マネージャの立場から、どのように組織内のコンセンサスを形成するか、どのように組織を変革するかなどについて学びます。
3)Global Supply Chain Management
オペレーションの中でもグローバル調達や物流に特化したサブオプションです。
4)International Management
多くの授業では、米国でのビジネスを前提としていますが、このオプションはグローバルビジネスを前提とした授業を集めたサブオプションです。多国籍企業における法務、財務、人事、戦略などの機能を総合的に学びます。
5)Manufacturing/Technology
Management
製造業志望の学生のためのサブオプションです。オペレーションの授業が中心ですが、その他にも財務やB2Bマーケティング、労使関係のクラスが含まれています。
6)Technological Innovation &
Entrepreneurship
ITベンチャー、バイオベンチャーなど革新技術ベンチャー企業志望、または自ら起業する生徒の為のサブオプションです。
グループワーク
授業の課題に対しチームで問題解決を図ることが多いのがクラナートの特長です。これは、多くの企業でチーム単位での職務遂行が前提となっていること、またクラナートの高い多様性に触れる機会を増やすという目的から行われています。最初のモジュールでは、学校がチームを割り振り、1つのチームで全ての科目の課題に取り組むことになります。
第3モジュール以降は、科目によってそれぞれが自由にチームを組むことになります。何もしない人(Free
Rider)、文句は言うけど提案が無い人、ミーティングで発言しない人、そもそも来ない人、などの噂が立つとチームを組んでもらえにくくなるので要注意です。良いチームを組みたければ、事前に根回ししたり、最初の授業で組みたいクラスメートの隣に座るなどの工夫が必要かもしれません。また、何よりも信頼し合える親友をつくっていくことが一番です。
チームミーティングでは時に意見が対立したり、チームメートの英語についていけなかったり、ストレスを感じることも多いです。また、時には土日、深夜まで議論が続き、へとへとになることもあります。しかし、建設的な議論を通して一人では思いつかない優れたアイデアを生み出すという訓練の場でもありますし、生きた英語の実践の場でもあります。積極的に楽しんでいきましょう。
ケースディスカッション
クラナートの授業の約半分はケースディスカッション形式です。アカウンティングなどは講義が中心になる半面、マーケティング、ストラテジーではケースが大半を占めます。ある企業や産業の実例を基に、問題点やそれに対する解決策などをクラスでディスカッションしていきます。議論の展開が速く、トピックがころころ変わってしまうため、英語が苦手だとなかなかついていけないことも多いです。また、授業によっては、ディスカッションが中途半端に終わった感じを受けることもあります。このあたりは文化の違いもあるようで、アメリカ人はディスカッションで答えが出なくても問題点が明らかになったとポジティブに捉えるそうです。
授業についていくためには、10ページ以上もあるケースを事前にしっかり読み込んで、自分の頭で考えてから臨まないといけません。こうした思考・議論の訓練を通し、コミュニケーションスキル、仮説思考、クリティカルシンキングなどを身に付けていくことを目的にしています。
Participation
ほとんどの授業で、成績の数十パーセントはクラスでの発言(Participation)が占めます。もともとアメリカ人に比べ議論の訓練を受けていない上に、言葉のハンディもあることから、最初のうちは参加しようにも参加できないストレスに悩まされることもあるかもしれません。慣れない内は、とにかく準備をしっかりすることと、議論が白熱する前、クラスの冒頭部を狙っていくのが良いでしょう。
クラスで恥をかいても、その後の人生に影響があるわけでもないですし、発言が多い学生はクラスメートからも一目置かれやすいので、思い切って発言してみましょう。長く言おうとするとボロが出やすいので、ポイントを絞って手短かに話すと良いでしょう。
