免許の話

 この話はもうすでに何人かには話したものであるが、最近あまり話題がないので載せておくことにした。バイクの免許の話である。

 僕はちょっと前まで、自動車の免許を持っていなかった。なかなか取る機会がなかったのである。しかし親に「そろそろ取っておかないとこの先ますます時間がなくなるから」といわれたので、今年の2月、僕は富山に帰ってから取ることにしたのだが、あまり乗り気でなかった。なぜかというと、自動車の免許よりもバイクの免許が欲しかったのである。クルマの免許を取ったところで、京都でクルマに乗ることはないだろうし、それよりはバイクを買って、旅行でも行きたいなと夢見ていた。そこで、一発試験でバイクの免許を取った後、クルマの免許を取ることにした。こうすると、クルマの免許を取るときに学科が免除になり、その分教習所の料金が安く済むと思ったからだ。

 富山に帰った次の日、取り敢えず試験について聞こうと思い、試験場に電話して聞くと、試験は火・水・金曜日にあるとのこと。その日は水曜日だったので、試験は明後日かと思い、本屋に行って学科の問題集を買ってきて、その後ちょっと乗る練習をしようと思って、試験場の隣にある練習場に電話をした。そしてこれがそのときの会話の内容である。

自分「バイクの試験を受けるので、練習をしたいんですけど」

相手「バイクの試験はやってないけど」

自分「え?」

相手「雪降るから、冬の間はやってないよ」

富山でバイクの免許を取るという夢は儚くも散っていった。

 四月になり、クルマの免許も手に入れた僕は、次の日すぐに京都に戻り、その次の日に試験場に電話。試験の曜日を聞くと、明後日が試験とのこと。ついでに場所がわからなかったので聞いた。すると、

「ハズカシ」

という答えが。「恥ずかし?何が?」と思ったが、どうやら「ハヅカ師(漢字がわからなかった)」という所にあるらしい。しかし何となく心もとない。試験に遅れるといけないので、その次の日に一度試験場までの道を通っておくことにした。

 しかし、僕はハヅカ市をなめていたようだ。「京都市内だし」と思って軽く見ていたが、とんでもなく遠く、地味な場所にあった。片道1時間かけて、試験場に到着し、「これはそう何度も通える距離じゃないな」と思いながら、さらに1時間かけて家に帰った。

 そして試験当日、僕は気合を入れて7時に起きて出発。1時間かけて試験場に到着。受付に向かう。そしてこれがそのときの受付との会話の内容である。

自分「バイクの試験を受けに来たんですけど」

受付「免許を見せてください」

自分「はい」(免許を見せる)

受付「住所が富山になってるので、住民票を見せてください」

自分「住民票?」

受付「住民票を持ってくるか、京都に移しかえるかしないと受けられません」

京都でバイクの免許を取るという夢は儚くも散っていった。

戻る TOP