新・免許の話

 今年の夏はとても忙しかった。毎日毎日院試の勉強で、お盆には実家にも帰れなかった。そこで、もう8月も終わろうかという頃に実家に帰ることにした。今年の3月にうちのジイサンが死んでいるので、どうしても1回は帰っておかないといけないという事、そしてもう一つ、「バイクの免許を一発試験で取ること」がその理由である。

 富山では家から自転車で行ける距離に試験場があるのだが、冬は雪が降るのでバイクの免許が取れないので、正月や春休みに帰っても免許は取れない。かといって京都で一発試験で取ろうとすると、何十キロと離れた試験場まで行かなければならない。何往復も出来る距離ではない。だから一発試験で免許を取ろうとすると、夏休みに富山で試験を受けるしかないのだ。

 この一発試験というのは受かるのはとても難しいらしいのだが、1回の試験がだいたい4,5千円くらいなので、10回受けても5万円とかからないのだ。ちなみに教習所で取ろうとすると自動車免許を持っていても10万円くらいかかってしまう(その代わり確実に取れるのだが)。そんなわけで腕にそれなりの自信があれば一発で受けたほうが得ではある。

 勿論欠点もある。日にちが限られている事(富山では月・水・金)、そして割と朝早いこと(9時までに申し込まなければならない)だ。月曜日、目が覚めると8時を過ぎている。僕は急いで自転車で出かけた。朝とはいえ、季節はまだ夏である。気温は恐らく30度くらいあったであろう。試験場の近くにあった写真屋で顔写真を取り試験場に駈け込んだ。

 中では、自動車免許の学科試験を受ける人の行列が出来ていた。原付の試験を受ける人も若干いるようであるが、やはり二輪の実技試験を受けようとする人はいなかった。二輪試験の申し込みのカウンターに座っている人に話し掛ける。

「普通二輪の試験を受けたいんですけど」

「ヘルメットと手袋は?ないと試験は受けられないよ。あと服装、長袖じゃないと。半袖だと危ないから」

「貸してください」

「出来ません」

富山の警察は心が狭いことが分かった。

今回の出費:
 写真代・・・¥500
 お役所仕事・・・priceless

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