≪標準系レンズテスト≫

◆【1.テストの概要】

 標準系レンズ(焦点距離4058mm程度)は、肉眼の視野に近似しており、設計や工程も比較的容易なことから、光学機器各メーカーにより以前から製造されており、しかも安価で入手できます。また標準レンズ系は他の焦点距離のレンズに比較して、開放F値が明るく(F1.0F2程度)星野写真に適しています。

  しかし、レンズはその光学的性質上、中心から周辺部へ向かうにつれて各種収差が急激に増大します。(これらは開放F値が大きいレンズに、より顕著に発生します。)特に星野写真については、コマ収差と色収差が大きな問題になります。また、周辺部では光量が不足し(周辺減光)、星野写真では、中心部に比較して周辺部では写る星野数や限界等級に差異が生じます。

  これらの特徴は各レンズにおいて必ず認められるものですが、その程度とレンズ同士の比較については同時試験での試料が乏しく、各レンズユーザーの憶測でしか論じられていないのが現状です。

  そこで、今回 各標準レンズについて、撮影場所・撮影時刻・フィルム・露出時間・撮影対象などを同一として撮影することで、特にコマ収差・色収差・周辺減光の程度を比較し、星野写真に適したレンズを検討・考察します。

 

◆【2.日時】

 夏合宿期間中の8/12夜 8/13

 

◆【3.実施地】

 新潟県西山町西山中学校のグランド(E1383953″、N+372707H30m)

 合宿地の苗場から約100Km北上した、日本海間際

 

◆【4.実施方法】

 公正を期すために、フィルム・構図・撮影時刻・撮影方法(ガイド撮影、フィルター無し)を統一した。数台の赤道儀にテスト用レンズを取り付けたカメラを同架させ、撮影担当者を設ける。一人のタイムキーパー(OBの加藤さん)が時計を見ながら撮影開始と終了の号令をかけ、それに合わせて各撮影担当者が同時に撮影を行なう。翌日、即日仕上の同時プリントに出し、出来上がったプリントをアルバムに収める。

 

▼《撮影クール》

  レンズの本数が31本と多かったため、2晩に分けてそれぞれ2クールずつ撮影を行なった。1クールあたり絞りを【開放・一段絞り・二段絞り・三段絞り】の4段階に切替ながら、それぞれ【30秒・1分・2分・4分】の露出を行い、レンズ一本につき合計16コマを撮影。1クール約40分。

 

クール 撮影開始日時   細微等級(開始時⇒終了時)

A :2000.08.12 2640  4 ⇒ 5.5

 B : -   12 2720  5 ⇒ 5.5

 C : -   12 2620  4 ⇒ 5

 D : -   12 2710  5 ⇒ 4

 

▼《構図》 

 西の空に満月に近い月があったため、東の空に向け写野の左端に M45 プレアデス星団及び木星が入るようにした。周辺の収差(歪み)を見るためには、明るい星を写野の端においた方が良いため。

 

▼《フィルム》

 粒子性・感度などの点から FUJICOLOR Super G800 (ISO800)を使用。

 但し、現在の市場では新製品の Zoom Master 800 に移行しつつある。

 

▼《機材(レンズ・カメラ・赤道儀など)提供者》

 三谷、田部、戸田、是恒、比嘉、百瀬、加藤、松本、福場(一年)

 

▼《撮影担当者》

 8/12 百瀬 加藤

 8/13 三谷、松本、是恒、比嘉、門脇(4年)、榊原(1年)、福場(1年)、古澤(1年)

    山田(1年)、渡辺(1年)

 

 

 

【Canon】
【PENTAX】

 

 

 

 

 

 

(☆参考)球レンズシミュレーション

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レンズの基本とも言える「球レンズ」についてシミュレーションをしてみました。
まず下図をご覧ください。



平行光線が左からやってくると、レンズで屈折してから、右側で光を結びます。この点が「焦点」と言わ 
れる点です。でも完全に1点には集まっていません。これが収差と言われるものです。良く見ると、レン
ズの中心付近を通った光は遠くに、周辺を通った光は近くにピントを結んでいるようです。
こういう収差を特に「球面収差」と呼んでいます。

次にレンズを半分に切ってみましょう。

光の集まり具合が違ってきました。レンズの最終面から焦点までの距離が長くなっているのが分かりま
すか?半分にすると焦点距離は約2倍になります。

レンズの向きを逆にしたらどうでしょうか?


前のレンズと大きく違うのはレンズの内面で反射してしまって、光を集める作用に寄与しない光線(灰色
線)が出てくることです。こういう光線は「全反射」と呼ばれています。ですからレンズ径を全部使ってな
いことと同じになるのと、レンズ内面で反射した光は、像の悪化を招いたりします。
こんな風に球レンズ一つとってもレンズには、無限の可能性を秘めていることが分かるのではないでしょ
うか?