| ゼミ関連の本 |
| 福翁自伝 |
| 「鎖国の日本を開いて西洋流の文明に導き、富国強兵を持って世界中に遅れをとらぬようにしたい。」(p234) アメリカとヨーロッパ諸国の文明を目の当たりにしてきた福澤の愛国心と、慶応義塾における新時代の日本を担う人材の育成への思いが強く伝わって来た。福澤が20代の頃に外国に渡ったことが、彼の生涯の中で強い影響を与え格段に視野を広げさせたのだと思う。そしてそれが後に出版される「文明論之概略」にみられる福澤の哲学・思想・国家観を構築させたのだろう。私が福澤の尊敬する点は、先見性があり、ものの本質を見極め、複眼的思考があるところだ。彼はただ単に開国して西洋文明をそっくりそのまま真似させるのが目的ではなく、現状では日本よりはるかに進んでいる西洋技術をまず追いつく手段として戦略的に取り入れようとしたのではないか。決して日本のアイデンティティーを消し去ろうとしてのではなく、技術を導入すると同時に日本人としての思想の育成にも励もうとしていたのだ。確かに「上にへつらい、下にえばる」といった日本人の気風や儒教に対する惑溺など問題も多かったが、福澤は日本人個人個人は決して西洋人と劣らない知的レヴェルを持っていると考え、文明論之概略強い愛国心を持って日本を変えようとしていたのだ。そこで福澤は特に「個人の独立」を教育方針にし西洋に対抗できる人材を育成させたのだろう。幕末の転換期に、福澤は決して西洋かぶれになるのではなく日本人として対抗できる方法として思想を育成しようとした事は、今の改革を必要としている日本にもいえる問題のではないだろうかと思った。私は、今福澤の思いがこもった慶応義塾に在学している事を少し不思議に感じながらも、少しずつ実感してきて改めて誇りの思った。また私は留学をする前にしっかり福澤の思想を理解して、その上でアメリカで学んで来たいと思った。 |
| 「社会調査」のウソ |
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新聞の情報を鵜呑みにしてはいけない。これが本書を読んで私が一番印象を受けたことだ。特に新聞と「社会調査」に対する見方が変わってしまった。テレビやスポーツ紙などのマスメディアが過剰な表現をしたり、ある意図を持って報道をしたりしている事はわかる。しかし、五大新聞(読売・朝日・毎日・産経・日経)などがいいかげんな社会調査を行っている現状は衝撃的だった。時事問題の知識を増やすのによく毎日、新聞を読めと言われているくらいだから私は今まで新聞の提供するものについては正しい情報だと思い込んでいた。しかも新聞の整った活字で数字をいっぱい並べられた社会調査に関しては、余計に正確そうに見えて疑うことはなかった。政治や時事問題に関してただでさえ合理的無知になる合理的個人が、正しい情報を得ようと努力して読もうとする新聞がゴミに等しい情報ばかり提供しているのは話にならない。特に読売新聞などの大衆紙を読んでいる日本人は、意図的に作られた社会調査を鵜呑みしていると皆愚民になってしまうと思いゾッとした。各々の人民はそれに値する政治をもつという命題があるように、くだらない政府があったのならそれは一人一人の文明のレベルなのである(文明論の概略上p212)。情報操作された記事に惑わされずに正しい情報を見分ける能力、リサーチリテラシイは本当に必要だと思った。そもそも、人々の無知に付け込んで簡単にゴミの情報を流したり利用したりできる制度の見直しが必要だと思う。マスコミ各社は、情報の開示やしっかりとしたチェック機関を設けるなどの責任があるのではないか。大量に情報が飛び交う現代では簡単に情報が得られるようになったが、その得られた情報を自分なりに取捨選択し判断する事が困難になってくる。私はこれから新聞などから得られた情報は、鵜呑みにしないであらゆる角度から見て自分なりに消化できる能力を養っていかなくてはならないと痛感した。 |