後期課題
自然状態から社会状態へ
ジョン・ロック著作の『市民政府論』によれば、自然状態において全ての人間は完全に自由かつ平等であり何人も自らの意思で行動でき、その生命・財産等を処置することが出来、他人の許可や意思に依存することもなくまた、一切の権力や権限は相互的であるから他人よりも以上のものはなく、一人一人に平等に所有権が存在する、故に己に加えられた侵害に対し処罰するための自然法執行権力があるといっている。
次に社会状態(政治状態)とは、人々が自然状態を脱し同意によりその権利の一部を公共に委ねるかたちで社会を形成することにより始まる。
最初の社会は夫と妻の間に発生し次に両親とその子供の間に社会関係が発生する。これに主人と僕が加わり一家族となると、そこには支配者と被支配者が存在するようになる。それが集団を形成するようになってもこれだけではまだ政治社会とは言うことができない。
政治社会となるためには自然状態に欠けている要素を補完する必要がある。
それは、「確立され安定した公知の法」・「一切の争いを確立された法に従い権威を以て判定すべき公知の公平な裁判官」・「判決が正しい場合にこれを支持しそれを適当に執行する権力」である。
なぜなら人々が市民的社会を形成する唯一の目的は自分たちの権利の安全と保障であるから、もし相互の間に生じた権利の争いの決定に対して、地上に訴うべき何らかの永続的な法も、共通の審判者も、持たない2人の人間がいるとするならば、そこでは彼らは依然として自然状態にあり、そこから生まれるあらゆる不都合に曝され続けることになるからである。
故に人々は自分たちの権利の一部や自由を損なってでも社会を形成するのである。