アール・ゾイド「メトロポリス」上映コンサートを見て

11月5日に市民会館に、アール・ゾイド「メトロポリス」上映コンサートを見に行った。

「メトロポリス」はドイツ表現主義の映画監督フリッツ・ラングによって、破格の製作費と最高の特殊技術を駆使して作成されたサイレント・ムービーである。今回のものはそれを再編集した最終完全版である。それをフランスのバンド、アール・ゾイドによって、上映とライブ演奏を同時に行うというものであった。

上映が開始されると、びっくりするような迫力の力強い演奏を耳にした。このように映画とともにライブ演奏が行われる形式ははじめてのものなので、その迫力・臨場感に釘づけになった。

フリッツ・ラングの「メトロポリス」は近未来社会を描いたSF映画の傑作として映画史にその名を残した。その内容は、地上の支配者階級によって重労働を強いられている地下の労働者が、ある日突然現れた女性マリアの言葉から、疑問を持ちはじめていき、支配者はその反乱を恐れマリアそっくりのロボットを送り込む、というものであった。

このようなドイツ表現主義や、無声映画はこれまで見たことがなかったので、その雰囲気が異様に不気味に感じ、さらに臨場感のあるライブ演奏により、その恐怖感は高まっていった。観ていく中で結構な時間がかかってしまったがだんだんと話のすじが見えてくるとともに、話に入り込むことができ、映画を楽しむことができた。

アール・ゾイドの演奏の中では、映画の中の決め手となる部分部分で、演奏者の息がぴったりと合う箇所がいくつも見られた。実際の生演奏だったので、演奏者が気持ちを合わせる感じが伝わってきてそのようなところでも楽しむことができた。

このように今までになく、なかなか見ることがない映像と音のコラボレーションによって、新しい映画のすがたをみることができた。このような方法による上映作品がこれから先、増えていくことになれば、映画というもののあり方が今までとはまた違ったものとなるだろうと感じた。