柴田淳『ためいき』




たとえばぼくが 今を生きようと 全て投げ捨てたなら 
どうなるのかな こわれるのかな 何もかも終わるだろう

それでも いつかは ここから抜け出して見せるんだと 
呟いて 飲み込んで 悲しいけど これが今の力

色のないためいきひとつ 風はこんなぼくを 隠してゆく
  枯れ果てるためいきふたつ 誰もぼくのことなど知らない

たとえばぼくが あの日に戻って 全てやり直せたら 
何をしようか 何処へ行こうか 少し旅に出ようか

それでも やっぱり きっとぼくはここに戻ってくる 
わかるから 自分だもの 意気地のない 弱い僕だから

白くたつためいきひとつ 冬はこんなぼくを 見逃さない 
果てのないためいきふたつ 違う人になんかなれない

色のないためいきひとつ 風はこんなぼくを 許してゆく 
当てのないためいきふたつ 今はまだここから動けない