卒業の朝
アメリカの名門校で、ギリシャ・ローマ史を教える教師の物語。主人公のクラスは熱気にあふれたもので、生徒にも信頼がある。しかし、転向してきた上院議員の息子ベルが多くの問題行動を起しクラスをかき回す。主人公は彼を更生させるために色んな工夫をし、それにベルも少しずつ答えていく。そしてついに、ベルは学校名物のジュリアスシーザーコンテストに参加するまでになる。主人公はそこで彼がカンニングをしていることに気づき、予選で、彼の評価に手心を加えたことを深く悔やむのであった。そしてそれから25年後、再び彼らは集まり、そこで改めてコンテストが開かれるのだった。教師を首になり不遇の時をすごしていた主人公は、カンニング以来のベル達との再会に複雑な心境であったが、教え子達の成長に触れ昔の熱気にあふれていた教師時代を思い出していく。しかし2度目のコンテストで再びベルがカンニングしていることに気づくのであった。
なんか感動するような映画をみてスカーッとしたくて学園モノを借りてみたのだが、この映画はそんな期待とはちょっと違う映画で、映画は見終わってもしばらくは「うーん」と、うならされてしまう内容であった。
普通このようなタイトルの映画は、ハッピーエンドになることがほとんどだが、この映画の場合は、問題児ベルは25年後の同窓会でも同じく、問題を抱えた人間として描かれており、ちょっとひっかかりのある終わり方にしている。つまりこの映画では、信念をもって生きる人間のすがすがしさを描く反面、信念をもって取り組んでも失敗することはあるんだ。というような現実的なメッセージを付け加えているのだ。この後者の現実的なメッセージというのが曲者で、ハッピーエンドのフィクションの世界から現実に引き戻してしまう。しかし逆にそこが問題意識と考える余地をこちらにあたえているともいえる。
でも少し考ると、自分の周りでも、人間の好き嫌いとか、性格っていうものはこの映画の舞台である高校生くらいから、そんなに変わっていない。そして若い頃の小さな特徴が大人になってどんどん大きくなっていくというのも、よく聞く話である。そういう風に考えると、この映画のような話はよくありそうな話だし、最後のあきらめを乗り越えたハッピーエンドという微妙な終わり方も、すんなり入ってくるような気がする。
自分はまだ学生だから後半部分は映画の世界での疑似体験しかしたことがないが、この映画をみて自分の10年、20年後の同窓会などを少し想像してみたりした。
半落ち
「半落ち」タイトルだけでは、なんの映画かどうかまったく想像がつかない。実際、主人公の役者が好きだからなどという程度の理由でなんとなく借りて見た。
話は、元刑事の主人公が妻殺しで逮捕されるところから始まり、犯行後の2日間の謎をめぐってストーリーが繰り広げられる。黙秘を続ける容疑者に様々な憶測が生まれ、もと刑事ということで警察内は騒然となる。
とてもスケールの大きいストーリーで、司法、医療、介護といろんなテーマを詰め込みすぎてしまった印象で、どこに焦点をあてたいのかがよくわからなかった。とはいえ、役者がうまいからなのか、映画として最後まで飽きさせられず、3回くらい泣きそうにさせられてしまった。
それでも最後まで、どうしてそこまで、2日間について隠さなければならなかったのか?という肝心なところが腑に落ちなかった。映画っていうのは、少しでもこういう部分があると、最後まで、気になってしまうもので、そこが残念であった。
ワンダフルライフ
古い学校のような病院のような建物がこの物語の舞台。そこには全ての死者がやってくる。そして彼らはそこにいる7日間で生きている間の最も大切な思い出を選びそれを映像化しその思い出を胸に天国に旅立つ。
この映画の設定はかなりぶっ飛んでいる。でもそれでいて安っぽくなく見ごたえがあった。この映画で死者として登場してくる人の語る思い出はどうやら実話のようだ。(つまり、設定はフィクションなのだが、ある部分この映画はドキュメンタリーなのである。)そしてこの部分がこの映画が見ごたえがある理由のように思える。自分の思い出を語り、映像化していく彼らはとても楽しそうで、不思議なほど魅力的なのだ。彼らの選ぶ思い出というのは、事実だけ並び立ててれば、本当に些細なことばかりなのでであるが、そんな1シーンの中に人間の喜怒哀楽のドラマが蠢いていて、人間の生きるエネルギーの強さに圧倒させられた。
ところで、この映画ではこの死者たちの物語と平行して、この建物で働く人々(最高の思い出を選ぶことができない人達)の物語が平行して描かれている。正直いって前者の迫力と比べて随分、(演技が下手だからなのか)安っぽくて陳腐に感じられたけれど、今考えると、こういう対比があるから、死者の物語が際立って魅力的に移ったのかもしれないと思った。そういう意味、このフィクションとドキュメンタリーの2つの平行させるという設定は、必要なのかもしれないと思った。
笑いの大学
アイ・ロボット
タイトルから想像がつくように、未来SFもの。この時代、ロボットは当たり前のように日常生活に定着している。そんな中、また新しく進化したロボットが発明されるのだが、そこから不可解な自殺事件おこり、刑事である主人公が、この事件に関わるところから、壮大なストーリーが展開していく。
ウィル・スミスはやはりこういう映画には、はまり役で、みていてスカッとする。ロボットが自我に目覚めて人間に刃向かうとか、人間のような感情を抱くだとか、どこにでもおちてそうな話を組み合わせたものだけれど、アクションが派手でだし遊び心まんさいで、見飽きることのない内容であった。こういう映画は、やはりハリウッド以外ではどうしてもつくれない気がする。
ただ同時に、一週間後には中身を忘れいるような気もする。
真夜中の弥次さん喜多さん
 人気ドラマの脚本などで有名なクドカンの監督作。(もともとは舞台が本業らしい)この人が脚本のドラマで昔おもしろいのがあったのと、ポスターにインパクトがあったので、前から見てみたかった作品だ。
 話を簡単に説明すると、弥次さん喜多さんっていう2人のホモ(1人はヤク中)が願いを叶えにお伊勢さんに旅立つっていうお話。
 結論からいって、そんなに面白くなかった。江戸時代から急にハーレーがとびだしたり、あの世と現世を行ったりきたりとなんでもありって感じで、それなりに笑えるんだけど、あまりにもくどいから段々飽き飽きしてきてしまった。
 あまり舞台演劇とかはみたことがないので知らないけれど、こういう感じなのだろうか。どちらにしても、映画としては、そんなにいいものとは思わなかった。
アビエーター
ツイステッド
 親父が借りてきてついでに一緒にみたのだが、失敗だった。ジャンル分けするとしたら、一応は、サスペンスなのだけれど、先が読めるのでまったくドキドキしないし、まわりくどいからイライラするだけであった。
あらすじを簡単にいうと、仕事は超やり手で、男がほしくなれば、バーで若い男を拾うというような絵に描いたようなハードボイルドな女性警官が刑事に昇進し、そこから不可解な事件に巻き込まれていくという展開。主人公には過去のトラウマがあり、自分を見失っていくのであるが、真犯人は実は意外?なところにいた。といった感じである。
 たぶん、先に「ハードボイルドな女性刑事を主役にしたサスペンスを作る」っていうコンセプトを決めて作ったというような気がする。このコンセプト自体は多少は新鮮だし、悪くないアイディアではあるけど、いくらなんでも話がお粗末すぎます。。
「ツイステッド」Twistedっていうタイトルつけるからないはもう少し捻ってほしかった。。
幻の光
 ベネチアで主演男優賞をとった「誰も知らない」と同じ監督の昔の作品。おさないころ、痴呆症でなんども失踪を繰りかえす祖母の最後を引き止められなかったトラウマを持つ主人公が夫を自殺とも思える事故で失い、その真意を考えるというお話。
 映画の独特の空気感にはひき付けられたけれど、逆にその空気感が、主人公の気持ちを考える思考をとめてしまっていて、特に後味が残らなかった。
オールド・ボーイ
 理由もわからず15年もの期間、監禁された男が、ある日突然、開放される。男は、深い憎しみとともに「なぜ俺は監禁されたのか?」という問いの答えを求め走り出すところから、この話は展開していく。
 すごくよくできた映画だと思った。最初の方は若干意味不明で退屈したけれど、話の展開も飽きさせないし、視覚的にもかっこよかったし、役者の迫力があるから終始ひきつけられてしまった。脚本がとてもよく計算されて作られていて、グロテスクな内容でなけれど、もっと大ヒットした映画ではなかろうか。(まぁグロテスクだからこそ成り立つ映画だけれど。。)
生きる
 当たり前のことだけれど、映画の見方は人それぞれで、同じ映画をみても感じ方も人それぞれである。だから、他人の映画の評価っていうものは、大抵あてにならない。とはいえ、一般的にいって、古典とよばれ、長い期間、高評価を受けているものを見て、そんなにはずすことはない。(まぁ、たまに専門家とか研究者にとってしか理解不能と思われるものもあるけど。)私はこの映画を見終えた後、この映画に強くひきつけられた自分を冷静に見つめ返し、この映画もそういう部類に属するものであると感じた。こんなミーハー的で世間一般的で言われているのと同じことを書くのは癪ではあるが、そう思ってしまったから仕方ない。では私がなぜそのように感じたかということをこれから書いていきたいと思う。
 この映画のテーマは「生きる」というタイトルからもわかる通り、生死ついてである。これまた当たり前のことだけれど、生きるとか死ぬとかいうのは、誰もが避けて通れないもので、ちょっと時間的、精神的に余裕のある人種なら、一度は自問自答したことがあるテーマであろう。そして大抵の人にとってそれは、どれだけ考えても答えがでず、考えても仕方のないと思えるのだけれど、同時に考えずにはいられない問いであると思う。そういう深い(嘘っぽい形容詞だなぁ。。)テーマを扱っている映画であるというのが、この映画が私に先のような感想を持たせた要因であると思う。このように書くと、私の感想の根拠としてテーマにしか触れることができていないけれど、ここでの話の重要な前提としては、映画をみている私が、自問自答の思考の渦にどっぽりと浸からされるだけ、映画の中の世界がリアリティをもって成立しているということである。これだけの完成度は、学園モノやスポ根モノならともかく、生死といった抽象度の高いテーマを扱うものとしては、稀だと思う。そしてそれを可能とした、「当たり前のことを当たり前のように表現する」すごさを感じずにはいられなかった。
 私も、これからあらゆる表現の機会があると思うけれど、少しでもこのような境地に近づけていけたらと思わされる。
どですかでん
 わけのわからない話だけど、わけわからず良かった。内容についてイチイチ説明するのは、めんどくさいのでしないけれど、それぞれの話がすごく濃密で、色んな感情を味合わされた。良い絵を見ると、色んな想像力が膨らむけれど、この映画をみているときもそんな様な感覚であった。ちなみに一緒にみていた人は、作りこまれすぎていて好きではないといっていたけれど、私は全然そんな感じがせず、入り込んでしまった。
 この映画は、感想を書くのが難しい。あまりの充実感で、どうにも頭に頭の整理がつかないからだ。そういう映画は大抵、名作とか、古典とかという風に呼ばれる映画である。こういう映画は何度でも見るものをひきつけるし、その時、その時で、新しい考える題材を提供してくれる。
 この映画を初めて見たのは、まだ小さいころだったように思う。その時の記憶で、鮮明残っているのは、唯一人父親に親子の情をもっていた三郎の死、そしてそれを追うような、父秀虎の死のシーンである。このシーンでは、2人の子供に裏切られた父が、皮肉にも追放にした三男によって救われ、和解し、秀虎の求めていた本当の親子の情をはじめて確認できるという直後のできごとである。そしてその悲惨な光景をみた、家来丹後が、あるがままの乱世の残酷さを述べるという山場である。
 子供時分の私はこのエンディングをみて、「せっかくな仲直りしたのに、なんで死んじゃうんだろう」と、この終わり方が許せなくて、すごくひっかかったのを覚えている。今考えるとお話だから「なんで」もクソもないのだが、ゴレンジャーとスポ根漫画しか見てない純情ぼくちゃんには、まだ早い映画だったのだと思う。
ところで、前に見たときよりは多少大人に成長した私が今回この映画をみて、着目したキーワードは「老い」と「女」である。
 この映画の主人公、戦国武将秀虎は、18歳の頃、小城で身を起し、国を統一したいわゆる豪傑だった。しかしそんな豪傑にも、老いが訪れる。そして死を意識し始めた老人は無邪気な自己愛に執着し、現実を見誤ってしまう。秀虎は、親兄弟も殺しあう下克上の世の中で、なんの保険もかけず、親子の情のみに依拠し、自らの権力を子供に譲ってしまうのだった。実質的な力を失った老人は、ただの老人になり、誰にも相手にされず惨めな存在に落ちてゆくのだった。乱世を切り抜け誰よりも下克上を体現してきた秀虎がこのような様である。もちろんこれはフィクションだけれど、現代でも想定できる話で、こう極端に描かれると、考えさせられてしまう。
 そしてもう一つのキーワードは「女」である。いかに乱世とはいえ、やはり血のつながった親子、三郎はともかく、一郎も二郎も、親への情というものはあるのは間違いない。だからこそ秀虎のようにその情を妄信し、現実を見誤るということが起こるのだけれど、その妻となると話は別である。妻にとって夫の父や兄弟はもはや他人なのである。そしてその妻が夫の行動を実質的に左右するのだとしたら、もはや親子の情などというものは結果として無視されてしまうのである。この映画では、一郎の妻にとって秀虎が親の仇として極端に描かれているけれど、そうでないにしても多かれ少なかれこのような現象は起こりうるのだ。そういう意味この映画で描かれている一郎の妻の独特のキャラクター設定は、面白かった。
 「老い」、「女」どちらも避けては通れない道だけに、この映画で考えさせられることは切実だ。
オペラ座の怪人
 有名ミュージカルを映画化した作品。ミュージカルはロンドンでみたことがあって、すごく良かったので、どのように映画化されたのか楽しみにして見に行った。
 映画ならではの映像技術を使った、オープニングの、廃墟となった劇場から、昔の栄えていた頃の劇場に変わるシーンはなかなかの迫力であった。ただ、この映画の一番のミソであるファントムのキャラクター描写がイマイチで、ファントムの内面的葛藤が少し安っぽくなってしまっているのが残念であった。この理由は多分、ファントムの人物描写が多すぎることだと思う。あまりに説明が多いことが、かえってこちらの想像力を遮断してしまったように思う。そういう意味、もう少しミステリアスな部分を残した方が良かったように思う。
 それでも全体としては、十分楽しめたが、やはり舞台の方が良かったというのが率直な感想だ。ミュージカルの良さはやっぱり歌だと思うけど、歌は舞台のライブ感が好きだ。
火々
 神山清子という著名な女流陶芸家の人生を追った作品。主人公清子は、夫に逃げられ、男性社会の窯元界で、女一人で立ち向かう。極貧に苦しみながらも、作品にこだわり続け、ついには、独特の色合いを出すことに成功し、陶芸家として高い評価を得るようになる。しかしそんな幸せも長くは続かず、息子に白血病の病魔が襲い掛かる。息子の白血病は、骨髄移植により救うことができるのだが、同じ型の骨髄がなかなか見つからない。清子や、息子の友人達は息子に合う骨髄をみつけれるために、骨髄バンクの創設運動などを行うが、資金もつき、結局は適応骨髄は見つけられない。その後、近い型の骨髄を移植し、最後の望みをかけるが、白血病は再発してしまうのだった。
 実話をもとにしているからか、それとも、作り手の能力の高さからか、リアリティがあって、ものすごい迫力があった。主人公の作品と、息子の命に対する執念、病魔と闘う息子の葛藤と、人間の生きる強さを感じさせられる作品であった。
 私は親の気持ちはわからないけれど、「適応する骨髄があれば息子は助かる」そういう特殊な状況において、母親は骨髄を見つけるために大抵のことはするだろう。この映画の主人公清子も、骨髄を捜す運動に財産をつぎ込み、最後は借金を背負うところまでいってしまうわけである。結果的に息子は助からないけれど、やれることをやった清子にとって、息子の死はある意味では納得できるものだったと思う。だからこそ、この映画もあのような終わり方にできたんだと思う。
 こういう場合、大事なのは、周りが納得することだと思う。死ぬ人間はどうでもいいとは言わないが、未来のない人間のことを考えるより、これから先の未来を生き続ける周りの人間達を前向きにさせてあげることの方が重要に思える。
 もし周りの人間が、病気の人間に対し、やれるだけのことをしてあげたと思えるなら、納得し、その悲しみを乗り越え、先に進むことができるだろう。しかし、そう思えなかったときは、後悔を生むし、後々に尾を引くことになってしまうだろう。
 とはいえ、白血病のような病気の患者を身内に持つ全ての人々が清子のように行動できるかというと、経済的にも、時間的にも難しいと思う。
 そういう絶望的な状況な場合、極端な話、最初から助かる望みが無いほうがいい位である。確かに愛するものが苦しむ状況に対しどうする手立ても無いというのは、つらいことだろうけど、それでも、どうすることもできないなら、できないなりの晩年のすごし方がある気がする。
 こういうことを考えてみると、この映画の白血病に関する部分は、人間の命の扱い方の重要な問題提起をしているように思える。見ごたえのある映画をみるとしばらく考えさせられるけれど、この映画もそういう作品だ。
市民ケーン
 映画史上に残る名作だそうだが、退屈で、途中、何度もウトウトしてしまった。古い映画は今の映画と比べてテンポが遅いことが多いけれど、これもやっぱりそういう手の映画で眠くてしかたなかった。ただ、がんばって最後までみると、見ごたえはあったし、この映画がこれほど高い評価を受けてきた理由も少しわかる気がした。
 この映画で注目すべきは脚本の構成だと思う。最初に主人公の謎の死があり、その謎をとくために、記者が関係者の話を聞きにまわり、それらの述懐をもとにストーリーが展開していく。つまり、現在と、過去がなんども交互しながら話が進んでいくわけである。これはいまでこそサスペンスなどでよく使われるあたり前の手法だけれど、この時代において、これだけうまくまとまった話は際立っていたのだろう。
 これくらい古い映画は、大抵、ひとつの時間軸のもとダラダラ続くことがおおいけれど、これはそういう意味、話に厚みがあって、最後シーンではなんともいえない感慨を与えてくれたし、見終わったあとにもじっとりとした後味を残してくれた。
 まぁいつの時代の人も謎解きのドキドキ感が大好きで、本作はさながら火曜サスペンスの大祖先というところだろうか。
北の零年
 久しぶりにこれほどしょうもない映画を見てしまった。脚本もバラバラだし、演技もひどいから目もあてられなかった。正直、コメントする気もうせるくらいの内容で、印象に残っているのは、プリンスシネマ特製のキャラメルポップコーンがうまかったことだけだ。
 吉永小百合主演という時点で、胡散臭さを感じていたが、実際に出演作を見たことはなかったので、少し期待してみにいってしまったのが、完全に裏目にでてしまった。吉永小百合というと、漠然と昭和の大女優というイメージがあったけれど、あまりの大根ぶりをみて、完全にアイドルだということをいまさらながら思い知らされた。本作の監督を務める行定勲の前作、「世界の中心で愛を叫ぶ」は大ヒットしただけあって原作のわりにとてもよいできだったけれど、今作は吉永小百合ワールドに完全に食われてしまって、この監督の良さがほとんどなくなっている。大物女優の扱いに四苦八苦している若手監督の光景が目に浮かぶようだ。
 まぁ吉永小百合主演というだけで、それなりに客はきそうだから製作側にはそれほど問題はないのだろうけど、監督の評価はこれで下がらざるをえないだろう。
レイ
 ジャズ界の超大物レイ・チャールズの自伝的作品。友人に誘われていったけれど、すごく見ごたえのある映画だった。
 正直いって、ジャズに興味を持ったことはなかったから、レイ・チャールズについては、名前を聞いたことがあるくらいで、曲を聴いたことはなかった。ただ、今回、この映画を見たら完全にほれ込んでしまった。ジャズの自由な曲調がとても新鮮に感じられ、最高にかっこよく聞こえた。
 また、話があまりにも波乱万丈だから、最後までまったく目の話せない内容であった。ドラック、トラウマ、女性関係、黒人開放運動と、盛りだくさんの中身がぎっしり詰め込まれている。しかも、それでいて、全ての要素が音楽人レイ・チャールズを描くというテーマのもとでつながっているので、しっかりとひとつの物語として成り立っていて、作品全体の見ごたえを生んでくれたのだろう。
ガールネクストドア
インサイダー
タバコ産業とマスメディアの裏事情を描いた作品。見始めて、昔いっかい見たことがある映画だと気がついた。当時の印象としてはあまり面白くなかった気がするけれど、今回見たら結構面白いと感じた。
主人公はタバコ会社の重役であるが、解雇され、その後、会社のタバコに関する重要機密をマスメディアに公表しようとする。そうした主人公に対して様々な脅迫脅しがなされ、ついにはメディアにも圧力がかかってしまう。
これは実話らしいけれど、たしかにありそうな話である。主人公の言動しだいで、産業自体の存続に関わってくる。そういう特殊な状況にある個人がまともでいられるわけがないだろう。そういう緊張感をこの映画はよく描いてると思う。
世界の中心で愛を叫ぶ
前に原作を読んで、あんまり面白くなかったけれど、それでも流行は知っておきたいし、映画にすると化けることもよくあるので、見てみた。
結論からいうと結構楽しめた。原作よりは全然面白かった。ピアノのシーンも、ウォークマンを聞くシーンもなかなかいい雰囲気だった。監督のうまさを感じた。同じ、原作をもらって、それだけのものが作れるのかが、監督の勝負どころだと思うけど、そういう意味では、この映画の監督(脚本家なのかもしれないけど。。)はなかなかだと思う。なかなかああいうアイディアはでないと思う。
猟奇的な彼女
いまはやりの韓国映画である。正直、冬ソナとかヨン様とかは全く興味がないが、この映画は面白かった。主人公の女性のキャラクターはトッピで、漫画チックな話だけど、全体としてしっかりまとまっているので、話に入り込んでしまった。ずーっとアホっぽい展開なのに、いい話でもあり、最後にはどんでんがえしもあり、あきるこはなかった。
日本映画は大好きだけど、こういうエンターテイメントはあんまりないので、日本映画もこういう楽しい映画ができればいいと思う。
これの続編がでているらしいので、見に行けたらいいなぁと思う。
スパイダーマン2
大ヒットしたスパイダーマンの続編。1はそんなに好きではなかったが、弟が見ていたので、つられてみてしまった。しかし、近作はひどかった。話はあまりにも、いいかげんだし、それぞれのキャラクター設定も適当で正直みられたものではなかった。でも最後までみてしまった。同じアメコミ原作のバットマンはいつもかなりのクオリティなのに、なんでスパイダーマンはこんなにだめなんだろうか。でもこれが大ヒットして3も作られるということから考えると好みの問題なのかもしれない。こういう映画には、次からは早めに見切りをつけようと思う。
ディア・ハンター
ベトナムに駆り出されていった男達の物語。主人公とその友人達は田舎町の狩り仲間で、どこの町にでもいそうな、ちょっとした不良軍団である。しかしそんな彼らも戦争により引き裂かれてしまう。そして偶然にも、戦地で3人は再開し、捕虜になってしまう。そこでの扱いは地獄で、あるものは、恐怖に負け、あるものは恐怖にのめりこんでいく。
ロシアンルーレットにのめりこみ、戦争が終わっても、その世界にいすわる友人を助けるためにロバートデニーロが演じる役が再びベトナムを訪れるが、そこで、みたかつての友人はもはや人間ではなかった。
2人の演技は絶妙で、そのやりとりは壮絶であった。
ハウルの動く城
宮崎監督の最新作。興業開始とともに爆発的なヒットで話題になっているので、映画館までいってしまった。話は、主人公の女の子がふとしたことから魔女に呪いをかけられておばあさんになってしまうところから始まる。突如として老女になり家にいられなくなった彼女は旅にでる、そして、旅先での偶然からハウルの動く城に住み着くようになり、そこからハウルとその仲間達との物語が展開していく。
この作品はラブストーリーである。おばあさんになってしまった娘と、悪魔に心を打った魔法使い。お互い煮え切らないものを抱えた2人が少しずつ打ち解けていくことによって、心の壁を乗り越えていく。とてもシンプルなだけに、みていて心地よかった。
ただ、ハッピーエンドなのはいいのだが、あまりにもあっけなかったのが、少し納得いかなかった。
荒野の魔女のキャラクターがとくに印象的だった。
フル・フロンタル
この映画はちょっとした実験作といえると思う。話は大きく、2つに場面にわけられている。一つは、映画の中の世界で作られる映画。もう一つは、映画の中の世界で映画を作るひとたちの日常。これらは前者がクリアな画質、後者が8ミリカメラでとったような雰囲気の荒い画質にすることによって明白に分かれている。これらによって、映画の世界で生きる人間達の表と裏をドキュメンタリータッチで描いている。
はっきりいって、説明が少なすぎて話についていけなかった。不親切きわまりない。最初は意味がピーマンでイライラしていたが、だんだん面白くなるだろうと思って我慢してみていたが、結局、ストレスがたまるだけだった。久しぶりに頭にくる映画だ。こんな自己マン映画はもう2度と見たくない。
ピーターパン2
ピーターパンを子供向けのアニメだといって馬鹿にしてはいけない。確かに子供向けのアニメには違いない。しかし子供向けでも名作は名作だろう。ティンカーベルにフック船長とお馴染みのキャラクターが勢ぞろいだ。ピーターパンは間違いなく名作アニメだと思う。これをみると子供の頃に見たきもちを思い出す。馬鹿馬鹿しいがいまだにピーターパンをみると素直に憧れてしまう。
今回の話はというと、何とウェンディが大人になっているというもので、その子供達を中心に話が展開している。正直いって、驚いたけれど、最後の大人になったウェンディとピーターパンのやりとりにはジーンとした。今回の作品は微妙に大人も楽しめるものだと思う。
デイ・アフター・トゥモロウ
超スーパー災害スペクタクル。最近のハリウッド大作はほとんどといっていいほど、CGが使われているけれど、これほどとことんCGの見せびらかせ映画は無いと思う。話は、ある気象学者が急激な気候変化に関する研究を氷河期を例にだして、説明しているところから進展する。もちろんそんな話はだれも信じないのだが、実際にそれがおこってしまうのだ。ハリケーン5連発、超巨大津波、超豪雪、なんでもありだ。しかもそれが、ロサンジェルス、ニューヨーク、千代田区といった誰でもしっている大都会で起こってしまうからすごい。特にニューヨークが雪に埋もれてしまう映像は圧巻だった。もちろん話は滅茶苦茶だけれど、単純に楽しめる映画だった。
華氏911
ブッシュ政権がいかにして成立したのか?そしてブッシュとはどんなやつなのか?という点を独自の視点でドキュメンタリータッチで描いたもの。まず、最初に、大統領選でのブッシュ陣営の不正をあばきだす。そして、その後のブッシュの政権運営、特にイラク政策、経済政策などとにかく皮肉たっぷりに批判している。軍人が低所得層の若者を軍隊にスカウトしたり、911直後のブッシュの行動を見せるシーンは、きわめて印象的だった。アメリカを研究すればするほど、ここで描かれていることがリアルに感じられる。
当たり前だけれども、日本とは決定的に違う国である。
着信あり
 携帯電話はもはや、ほとんどの人にとって必需品である。そんな携帯電話から始まる恐怖のストーリー。その街では、「かかって来ると死ぬ」電話の話題でもちきりである。その電話はなぜか自分自身の番号からかかってきて、留守電を聞くと、その受信日は未来の日ずけで、しかもメッセージは自分自身の声である。登場人物はその電話がかかって来ると、決まって、その留守電の登録時刻に、そして電話の内容とまったく同じ状況で死んでしまうのだ。主人公は途中でその事実に気づくのだが、ついには本人もその電話をうけてしまうことになる。そして彼女は助かるため、必死に、原因をつきとめようとするという話。
気持ち悪くて怖いシーンは結構あったけど、最近そういうのに、なれてきたせいかそこまで怖くなかった。とわいえ、そのあと、しばらくは、携帯を見ると、思い出して、少し怖くなった。
花とアリス
花とアリス、タイトルは、主人公の女の子とその親友、2人の名前だ。仲良しの2人はいつも一緒。そんなある日、花は通学中同じ電車に乗り合わせた高校生に恋におちる。そして2人が別々の高校に通い出すころ、花は電車でみた男子高校生に再び出会い、ちょっとした花の細工によって、ついに恋人同士になる。しかし、もともと不自然に恋人同士になった2人はうまくいくはずものなく、そこにアリスも絡んできて、2人の友情もギクシャクしてきてしまい、そんなことを乗り越え、登場人物たちが成長していくというような話。冷静に考えれば、かなりぶっとんでる話なんだけど、登場人物たちの繊細な心の動きがよく描かれているし、映画の雰囲気に自然と入れる感じで、みていてとても心地の良い映画だった。
みんなの家
若夫婦がマイホームを手に入れるまでの話。たまたまやっていたので、見たのだけれど、予想以上に面白かった。多くの人にとって、家は一生で最大の買い物であり、それだけに当事者は真剣そのものである。そんな真剣なもの同士がやり取りがかえって、滑稽なこと出来事を起したりする。そんな人間達のドラマを面白おかしく描いた作品である。
話はというと、マイホームに夢を膨らませる若夫婦が、若いデザイナーにデザインを依頼し、建築を大工である妻に父に依頼するわけだが、ことあるごとに両者は対立し、肝心の若夫婦の希望からはどんどんかけ離れて話が進んでいってしまう。それぞれ強い個性と主張をもつもの同士なだけに、なかなか折り合いはつかないわけであるが、お互いの仕事を理解するうちにだんだん両者は歩み寄っていくという話である。
スタンド・バイ・ミー
 おなじみの名作である。小学校の時に2回見たけど、久しぶりに見たくなった。友達と秘密の基地を作ったり、死体を捜しに行く小冒険。子供の頃見たときは、かっこいいと思った。今みると、そんな自分が懐かしいのと、まだ小さかった頃の、友人関係を思い出したりした。小さい頃は年上はとても大きくてかなわない存在だったし、友人関係も今とはぜんぜん違う見えない力関係のようなものがあった。そんな子供社会がよく描かれていると思う。
 昔見たときは、死体探しの旅が印象に残ったが、今回は、最後の別れのシーンが印象的だった。ただ、後に作家となる主人公と、まじめながらも不良とされてしまう親友の友情は昔と変わらず、心にしみた。
25時
 麻薬ディーラーである主人公が捕まって、刑務所に入るまでの25時間を描いた作品。たった一日の話なのに、人間の心の錯綜がとてもよく描かれていて、とても濃密だった。
 主人公は最後の時間を、今の人間関係ではなく、恋人、家族の他、昔の友人2人と過ごすことを選ぶ。友人の一人は教師、一人はバリバリの証券マンである。全くことなる道を選んだ3人は、近頃はめっきり会うこともなかったのだが、土壇場で主人公が本心を吐露できたのは、彼らだけであった。
 悪のなかにも善があり、善のなかにも悪があり、完全なものはなかなか存在しない。普段はよく無視されてしまう人間の本当の部分がとてもよく描かれていて、心に染み入った。こんなに些細な話をここまで深く描く、作り手の才能を感じた。この監督のほかの作品も見てみたいと思わされるものだった。
 友人に自らを殴らせるシーンは特に印象的であった。
N.Y.式ハッピー・セラピー
 イライラしている時にスカッとしたくてコメディーを借りてみたが、まぁまぁだった。ジャックニコルソンがでているから結構期待していたのに、それほどではなかった。
話は、気弱な主人公が飛行機でエキセントリックなジャックニコルソンふんする精神科医に出会うところから始まる。主人公は常に自分を感情を抑えて生きる男であったが、自由奔放にふるまう精神科医にふりまわされることによって、少しずつ、感情を出すようになっていき、最後には大どんでん返しがまっている。
とろどころのユーモアは笑えたけれど、全体の話があまりにも、適当なつくりなので、ぴんとこなかった。コメディにしても、話があまりに薄いと、お馬鹿な、ことも大して笑えない。
シービスケット
 競馬界における、人間と競走馬の関係を描いたドラマ。時は1929年の大恐慌期のアメリカである。馬主ハワードは安値ながらも、将来を期待できる競走馬シービスケットに出会い、シービスケットは担当騎手とともにどんどん勝ち進み一躍町のヒーローとなっていく。彼らの主戦場は当時まだアメリカでは田舎とされた西部で、東部の競馬界のチャンピオン馬との、対決を夢見る。ちょうど日本でいうならば地方競馬で活躍したオグリキャップが中央競馬に進出してくるのと似たようなものである。チャンピオン馬を抱える馬主は西部の田舎競馬を馬鹿にして、最初は相手にしないが、ハワードが大きな賞金を用意することにより対決は実現する。しかしそんな矢先、落馬事故により、担当騎手が大怪我をしてしまう。シービスケットは代わりの騎手が乗り対決には勝つが、主人公の騎手は不遇の時を過ごす。彼は復帰を夢見るが、怪我が思いの他ひどく、悩み苦しむ。しかし彼の情熱は消えることなく、少しずつ回復していき、その熱意に周りも最終的にはおれ、危険を承知しながらも、再びシービスケットにのって大レースへの騎乗が実現する。
当時のアメリカの東と西の地域意識のようなものが伝わってきた。落馬事故は競馬にはつきもので、その悲惨さはよく知っているだけに、最後のシーンは胸に響いた。しかし全体的に話があまりにも単純(シンプルではない?)すぎて、ピンとこない感じはした。
呪怨2
 1より2の方がもっと怖いという噂を聞きつけ、こちらにもトライした。なかなか勇気のいる選択であったが、導かれるように手を伸ばしてしまった。
基本的な構成は1と一緒で、ポイントとなってくる幽霊屋敷すら全く同じである。ただ、演出が1にもまして恐ろしかった。監督がニヤニヤしながらこういう演出を考えているところ想像される。作っている方は面白くてしかたないと思う。ちなみに監督の名前は清水祟(シミズタタリ)である。ほんと馬鹿げた名前だ。
理屈ではない、呪われれば皆死ぬ。ただそれだけである。
呪怨
正直感想らしい感想はない。ただただ怖かった。怖いといっても、ゾクゾクするというより、ゾッとして心臓が止まるような感覚である。いきなり白い子供か、リングの貞子のような女がでてきて皆殺されてしまう。はっきりいって、ストーリーは滅茶苦茶で、話の前後のつながりすら曖昧なところがあるが、そんなことはどうでもいいと思わされる。最終的にはすべての話のオチを期待していただけに、なんのネタばらしもなく終わってしまったのには、ちょっとイライラしたけれど、十分楽しめた。恐ろしくくだらないが、遊び心満点で素晴らしい。
Shakespeare in love
   The story is based on "Romeo and Juliet" written by William Shakespeare as you might guess from the title. The storyteller made it as Shakespeare wrote "Romeo and Juliet" from his own experience.
   The action begins when Shakespeare is writing new play, but soon he finds his girl friend is having a love affair, and is broken hearted. On such a depressing day, he meets the woman, and falls in love with her at first sight. But unfortunately she is very upper class and is forced to get engaged to a royal prince.
   If you just hear this explanation, you might suppose it is a tragedy just like R&J. But it is not as a serious tragedy as R&J. In fact the story has a happy ending in contrast to R&J. I can even define it as a romantic comedy.
   Although this film is quite famous, I was not as impressed as I expected to be by this film, because the story, especially ending, is too good to feel it is realistic. However I enjoyed it, and it was very good to be able to see the town and the theater in those days when Shakespeare lived by image before visiting Stradford where he was born and lived for the rest of life.
Sixth sense
  This film had good reviews five years ago, and as well-known. It is directed by a man called M,Night Shyamalan, and it stars Bruce Willis as well as a young child actor, Haley Joel Osment who was brilliant. It tells the story of the relationship between Malcom, a child psychologist, and Cole, a child who can see ghosts.
   The action begins when Malcom was shot by a former patient who had a mentalillness. From that point on, somehow Malcom and his wife have barely spoken, and his life has changed into a grim in contrast to his life before. On such a depressing day, he meets a mysterious boy, Cole, who has a problem. Malcom decides help Cole as if he was trying to get back to his past self. Although Cole initially does not open himself to Malcom, gradually they become close. One day Cole confides his secret, that he can see ghosts to Malcom. At first, Malcom does not believe that, but he finds that it is the truth by coincidence. Then they confront and overcome the difficulty. Finally, Malcom realizes that he has already died since he was shot.
   Although this film is generally categorized as horror or suspense, I think it can not be categorized simply like that. Certainly, this film has many scary scenes and mysterious things. But this film also deals with a lot issues about humanity. Although the relationship between Malcom and Cole is the main part of the story, I was especially impressed by the relationship between Cole and his mother. They help each other, and knotted their relationship deeply.
   On the whole I would really recommend the film to anyone who wants to enjoy both thrills and humanity at the same time. And if you watch this film, you must be able to enjoy a surprise at the end of the story.
ラストサムライ
「ラスト・サムライ」海外にいる日本人にとってはちょっと鼻が高いタイトルである。トムクルーズが侍の格好をして、日本刀を振り回す、そんなCMを見るだけで、大抵の日本人は「どうせアメリカ人が作るサムライ(カタカナなのがポイント)だろ」といいつつ、気になって見ずにはいられない作品だと思う。私もそんな口で、期待半分、疑心半分のちょっとソワソワした気分で見に行った。
 でお話はというと、明治維新頃の日本を舞台としている。アメリカ軍の優秀な指揮官である、主人公が軍隊の近代化を進める日本政府に招かれ、軍隊の指導役としての任につく。そんなある日侍軍団の残党派との衝突で、囚われの身になってしまう。しかし侍軍団は彼を殺さず、主人公はそこでしばらく過ごすことになる。囚われの身ではあるが、なかば自由に行動し、いつぞや、侍軍団の仲間になってしまい、侍として、最後は政府軍を相手に戦うというお話。微妙に現実に即しているんだけど、基本的には予想通りむちゃくちゃなお話だった。
 大村って聞きなれた名前が出てきたり、天皇が登場したりする。侍軍団長はたぶん西南戦争頃の西郷隆盛をモデルにしているんだと思うけれど、最後はやられるにしても、やっぱり近代兵器を相手に、侍軍団が善戦するって話はキツイ。なんとか侍の神秘的な雰囲気を出そうとはしているんだけど、やっぱり苦しい。
 最初に書いたけど、「トムクルーズに侍の格好をさせて日本刀を振り回す」この目的のために作られた。映画だろう。これだけのうたい文句ならとりあえず日本での興行で成功することは間違いないだろうし。サムライに神秘的なイメージをもっている外人にはそれなりにうける作品だと思う。
 しかし主人公に夫を殺された妻が主人公と恋に落ちるっていうところはいただけなかった。
コールドマウンテン
 アメリカのシビル戦争の影で引き裂かれた恋人同士のお話。はっきりいって、あんまり面白くなかった。英語が聞き取れなかったっていうこともあるんだけど、やたら辛気臭くて、うんざりした。この時代がどんなに野蛮だったかということ以外特に、思ったことはない。ちなみにつけくわえるなら、こんだけつらい思いをさせたんだから、最後くらいハッピーエンドにしてほしかった。
バットマン
 知っている話なら、英語も聞き取りやすいだろうということで見てみた。話は誰でもしってるように、暗い過去を持つ資産家はバットマンというもう一つの顔を持ち、ゴッサムシティの危機を救うヒーロー。でもその正体は誰もしらない。、そこにジョーカーという怪物が現れ、それ対決。恋人がさらわれ、危うくなるも、最後にはバットマンの勝利。っとお話はヒーローものお決まりのパターンなんだけど、大満足。
 いい年こいてなんだけど、バットマンは最高にかっこいい。主人公のバットマンがかっこいいのはもちろんなんだけど、なにより、この作品自体すべてがかっこいい。今更ながら、バットマンの魅力にやられてしまった。バットマン、ジョーカーのキャラクター設定も抜群によくできいるし、その舞台であるゴッサムシティの雰囲気も見事に調和している。これだけ、完成された独特の世界観をもったヒーローものはなかなかない。去年流行った「スパイダーマン」なんか今作に比べれば鼻くそみたいなもんだ。
 我らがヒーロー永遠なれ!
アバウトアボーイ
 ラブアクチャリーの馬鹿ノリの良さにほれて、同じくヒューグラント主演の今作を見てみた。まぁ期待通りにお惚けな感じの映画だった。簡単に中身をいうと、親が大ヒット曲を出したおかげで、30代なかばを過ぎても働くわけでも、結婚するわけでもなく、自由気ままに生きる主人公がひょんなことから悩める中学生と友達になり、互いの人生をかえていくという話。
 まじめにつっこむなら、「こんなアホな暮らししてるやつが、こんなにかっこいいわけないだろ」といいたくなるけど、主人公の憎めないキャラがそういう気分を忘れさせてくれた。とってもシリアスな場面が結構あるんだけど、とにかく軽いノリでごまかしてしまう。ちょっといい加減すぎるんじゃないかっておもうぐらい肩の力が抜けた作品。友達と気楽に楽しんでみるとよいと思う。ちなみにいうと、スラングのいい勉強になった。
ロードオブザリング
 3部作の完結編。とにかくすごかった。長くてちょいつかれたけど、CGがすごい。ゲームの中のような世界がこうも完璧に実写かできるんだろうか。細部までしっかり作られてるし、すごい臨場感だった。壮大な荒野の中にそびえたつ城は圧巻。本当にこんな場所があるんじゃないかと思ってしまうほどのリアリティだった。しかも、ただデカイ、多い、とかだけじゃなくて、すげーきれいな映像ばかりなのには、見ほれてしまった。はっきりいってストーリーはなんとなくしかわからなかったけど、それでも十分感動してしまった。ストーリーがちゃんと理解できる人はもっと楽しめるはず。もはやCGはなんでもありみたい。これ以上すごい映像を作るとなると3D画像にでもいくしかない気がする。これは是非映画館の大画面でみることをお勧めしたい作品。
ラブアクチュアリー
 首相、しがないウェイター、年老いたロックスター、ポルノ俳優、妻を失った夫とその息子、とにかく色んな人達の愛の話。笑いどころ満載で、たまにロマンティックな気持ちにさせてくれるラブコメディー。とにかく前向きで、なんでもありな話だから見終わったあとには、幸せな気分になれた。でもこの映画のノリで生活したら、精神病院行きは確実。英語はほとんど聞き取れなかったけど、それでも十分楽しめた。誰にでもお勧めした作品
キャプテンオブコマンドー
 なんだか知らなかったけど、ラッセルクロー主演だから期待してみた。そんで見事に期待を裏切られた。ほとんど何いってるのかわからなかったけど、わかっても大して面白くなさそうだった。戦艦の船長である主人公と、医者のやりとりを中心に話がすすんでいく。2人は友人なのだが、たたき上げの軍人らしく現実主義なものの見方の主人公と、博学で、探究心の強い理想主義者の医者はことある事に意見が分かれる。主人公は船長という立場から絶対的な権限をもっているけれど、少しずつ医者の友人の考えに耳を傾けるようになり、意外にもその成果を戦いに応用してみせ、一度はやられた宿敵に対し、雪辱を果たすのだった。聞き取れなかったからわからなかったのかもしれないけど、話に厚みがなく、とってつけたような話なので、感動なく終わった。船とか役者とかはいい雰囲気をだしているから、映像だけみれば、雰囲気は歴史海洋スペクタクルなんだけど、話しがちゃっちすぎる。これは明らかに失敗作。腕を切られる少年と、脳みそをいじられるおっさんだけは、印象に残った。
レイジング・ブル
 あるボクサーの生涯を描いた作品。主人公は腕っぷし一本で、世界チャンピオンを目指す。しかし、ボクシング界の裏事情の壁にぶつかり、勝ち続けながらもなかなかタイトルマッチを組む事はできない。八百長を憎みながらも、ついには八百長の依頼を受け入れ、念願のタイトルを獲得する。その後ボクサーとして栄光をなすが、引退後は、ボクシングだけが全てだった男は、家庭、仕事で失敗をし、全てを失う。そして最後は元世界チャンピオンの名で惨めな興行師にまで落ちぶれるのである。
 
絶望、苦悩、迷い
ボクシングという極めて緊張感の高い戦場で戦ってきたテンション。
家庭を築く、そのために働く。
・初めて八百長試合をした試合後に泣くシーン
・刑務所の独房での嗚咽
音楽と白黒のモノトーン
引退後の没落。
たそがれ清兵衛
 幕末期の名もない下級武士の話。世間の騒がしさとは関係なく、自分の信じるままに生き、家族との日常を大事にする男。幕末の動乱のなかの一ページとして、当時の一般人の現実がたんたんと描かれている。
 心地よいテンポで話が進んでいくので、映画の世界に入り込むことができた。安っぽくなりがちなチャンバラも緊張感があって良かった。最後のシーンは、素直に「よかったよかった」と思った。心がゆったりできるいい映画だった。
レッドドラゴン
 羊達の沈黙のサイドストーリー。今回の話はレクター博士の凶暴性、狂気はそんなに表に出てこなかった。まぁレクター博士については観客はもう知っているという前提で作っている。これは今回の主役である刑事がレクターを捕まえた男である意味超人的なレクターに勝った事があるという設定で話が進むからもしれない。もしくはレクターが異常者だからゆえに持てるという天才的な面に、異常者ではない(ナイーブな面も持つ普通の)捜査員の主人公が対抗できるだけの能力を持っていることによるのかもしれない。とにもかくにも観客が「羊達の沈黙」や「ハンニバル」によって植えつけれた持つレクター博士の狂気、天才性、といった超人的なイメージからくる余裕が感じられなかった。そういう意味、簡単にいえば、主人公がやたらかっこよくレクターがちょっとしょぼく見えたわけだ。この作品ははっきりいって色々話を難しくしすぎだと思う。レクターと主人公の関係、主人公の家族との関係、犯人と主人公の関係、犯人の心の葛藤、犯人とレクターの関係、犯人と恋人との関係、恋、トラウマ、狂気、マスコミ、仕事とプライベートとにかく色んな要素が詰め込まれすぎているのでどれもがぼやけて薄っぺらな話になってしまう。しかしこれだけのテーマを引き込ませるところまでの完成度の高さは素晴らしいと思う。この原因はたぶん役者の質(これは抜群)と編集のやりくりのうまさだと思う。まぁこんだけの内容を良くまとめたと思う。だた面白そうなテーマの入り口まで何回も生かされて生殺しにされたのは残念だった。もっとシンプルな映画が好きだ。まぁ偉そうに書いたけど、ようはもっとシンプルで濃密な映画が作りたい!
踊る大捜査線2
 興行記録を塗り替えるほど大ヒットしているという情報を聞き。これは「見とかんといかんな」と朝一から一人で上野まで行ってみてきた。率直な感想としては、一言「くだらねぇ」。テンポがバラエティ番組みたいな感じである、まぁ面白いっちゃ面白いところもあるんだけれど、全部が全部安っぽいギャグばかりで、さすがにうんざりする。テキトーに作った映画なんじゃないかと思う。全部がテキトーだからちっとも笑えない。あと「あんなアホみたいなキャリアがいるかボケ!」といってやりたい。途中で何度も帰ろうかと思ったけど、勉強だと思って最後まで見た。でも結局最後まで同じ感じだった。「こんなんでいいのかよ?日本映画?」こんな映画がもてはやされる日本は悲しすぎるぞ。
一応この映画が売れた理由を考えてみた。
「ノリの良さ」(飽きっぽい若年層の取り込み)
「人気者のお笑い芸人をキャスト」(テレビ人の取り組み)
「フジテレビ制作による宣伝の強さ」
「あそこ行ったことある心理効果」(お台場での東京都の協力)
+α「いかりや長助の病気によるニュース効果」(ワイドショー効果)
やっぱテレビは強力だ。という結論。
壬生義士伝
 新撰組の斉藤一、吉村貫一郎をモデルとした作品。
 3番隊組長まで務めた新撰組内の有力者、斉藤一と、南部藩での貧窮により新撰組にやってきた脱藩者、吉村貫一郎、素性も性格も全く異なる2人が幕末の動乱のともに駆け抜ける。
 特に吉村という無名の隊士に焦点をあてて描かれているため、新撰組の歴史的役割というより、当時の侍気質、家族愛などというテーマがメインになっている。斉藤、斉藤の妻、吉村、吉村の幼馴染などの登場人物達の設定が全く異なる境遇なので、身分の違いが引き起こす、ジレンマや悲劇などの話が面白かった。ただ、とにかくドラマティックな展開で、臭すぎるのが微妙だった。昔少し読んだけれど、浅田次郎のお話はどうも趣味に合わないようだ。あと、ヅラはもう少し何とかならないのかと思う。気付いた瞬間、一気に興ざめしてしまった。
シカゴ
 1920年代シカゴで、舞台スターを夢見る二人の歌姫が、スキャンダルを逆手に、スターダムを駆け上がっていくという内容のミュージカル映画。
 舞台という、特にスキャンダラスな世界から、シカゴの華やかさとその裏に隠された泥臭さが描かれている。現実のストーリーとヒロインの空想の世界を描いたミュージカルシーンが同時進行で展開されていくので、ヒロインの心境が濃密に伝わってくる。また、ミュージカルシーンはとても都会的(死語?)でカッコいい。ただ、少しミュージカルシーンが多すぎて全体のテンポが悪い気がした。
 同じミュージカル映画で思い出すサウンドオブミュージック、ウエストサイドストーリーはとても好きだけれど、本作はそれらと違ってミュージカルシーンが完全に分離してしまっているので、ミュージカル映画独特の現実にリズムをあてはめる、愉快さ、ドキドキ感が生かされなかったのはもったいない感じがした。これなら、生の舞台を見たほうが面白い気もするけど、本作のオシャレでダンディーなノリは好きだ。
家族ゲーム
 高校受験を控える中学生を抱えるとある一般家庭に、一風変わった家庭教師「吉本」がやってくる。
 まさに一般家庭という言葉がよく当てはまる。父親の悪癖、親子関係、母親と父親の関係など、誰もが身に覚えのありそうな、気にも留めない日常の現実までとてもうまく描いている。またその家庭に対して吉本という、何か日常世界から超越したような人格をぶつけることによって、当たり前すぎて気付かなかいような、家族というグループの性質がより浮き彫りにされおり、家族愛、家庭のやすらぎ、悩みなどについて思い出させられた。とにかくこの吉本という、誰もが抱える暴力的で野性的な部分を象徴したような人格を、リアリティを持って描けているところがすごい。
8マイル
 白人ラッパー、エミネムの半自伝映画らしい。
 スキルを持ちながらも、ウダツが上がらず、煮え切らない白人ラッパーが、黒人社会ヒップホップ界で成功を追う。貧しさの現実、黒人社会の現実にぶつかりながらも、諦めず戦い続ける。仲間との友情、夢と現実との葛藤、シビれる恋と、男の濃密な部分がぎっしり描かれている。本編のセリフでもよく出てくる「俺達は本物だ!」「俺はこんなもんじゃねー!」という内への叫びが全編に渡って滲みでている。この映画での表現そのものが自体、彼にとって一つの挑戦だったようだ。エミネムがどんなやつかなんて分かるわけないけど、この作品の葛藤は他人事じゃない。ラップがこんなにシビれたのは初めてだ。ビートが今だに胸響いている。またいつか見たいと思わせられた作品だ。
ロスト・イン・ラマンチャ
 「未来世紀ブラジル」「12モンキーズ」などを作ったテリー・ギリアム監督が、念願である「ドン・キホーテ」の映画化に取り組む過程を追ったドキュメンタリー映画。
 撮影に取り掛かるまでの構想段階から話が始まり、前半部でテリーギリアムの夢が伝染し、ドンキホーテへの期待感がどんどん高まっていった。彼の映画へのこだわりはすごい。それはまるで彼が描こうとしているドンキホーテそのものだ。現実と戦い理想を目指す彼の姿を見ていると、彼にとってこの作品の制作が人生そのものだということを感じさせられる。そしてそんな人生のクライマックスを共有できたことに興奮した。
 しかし現実には信じられないほどの不運が重なり、撮影は中止に追い込まれてしまう。映画制作はクリエティブであり、同時にビジネスである。その間で映画監督は葛藤する。このどの世界でも存在するテーマが象徴的に描かれていた。
 撮影中止が決定したあとの、テリーギリアムの笑っているような、泣いているような表情がなんともいえなかった。あの表情だけで半端な映画の百倍、美的価値がある。現実ほどドラマティックなものはないと思った。というか現実だからたまらなく悔しかった。なんとしても「ドンキホーテ」を見たい。
狂気の桜
 3人の若者が右翼まがいの結社を組み、不良達との喧嘩に明け暮れる。そしていつしか3人がそれぞれの道を歩み出し、危険な生存競争に巻き込まれていくというお話。
 まず見始めて最初に感じたのは映像センスの面白さである。奇抜なオープニングに始まり、前半部は映像的に様々な小細工がなされ、とても刺激的だった。まぁとにかくイチイチかっこ良くまとまっており、まるでミュージックビデオを見てるような感覚だった。
 しかしはっきりいって、中身は極めて希薄。視覚的に面白い分最後まで退屈はしなかったが、内容が余りにも下らないので見終わったあとは不完全燃焼だった。面白くなりそうでならないから、イライラすらした。
 もう少し作り手に知性があれば、格段に面白くなると思うテーマと切り口だと思う。ほんとこの一点(まぁこれが一番大事な気もするけど)に尽きるだけに実に残念。原田芳雄がかっこ良い。
キャッチミーイフユーキャン
 天才詐欺師とそれを追う刑事の半生を描いた作品。実話らしい。実話を脚色したといえど、あれだけの大胆不敵な詐欺を成功させる人間力はすさまじいと思う。ただその人間力を使う方向が彼を一旦は不幸にする。しかしある刑事とであることにより、その才能は違うかたちで生かされる。最後のテロップで彼のその後の人生での輝かしい成功が紹介されていたように、やはり才のあるものは何をやらせても能力を発揮するのだろうか。
 うそで塗り固められた生き方ゆえの孤独との葛藤、父親との際どく切な気なやりとりは心に響いた。ただそれ以上に、本作で描かれている騙される側の人々が印象的であった。世間でいう真実とは、どの程度のものなのか?現代人がいかにシグナルによって束縛されているのか、そんなことを考えさせられた。
ジョンQ
制度の影響の大きさ。
強さとは何なのか。
医療に関する特殊性。
効率、進歩重視とその弊害(お金があれば助かるという絶望的な焦燥感の存在)
マトリックスリローデッド
 マトリックスの続編。前作の大ファンなので、試写会のチケットが手に入ったと時はとてもうれしかった。こんなに期待たっぷりで映画を見に行くのも久しぶりだった。そして見事にこの期待に答えてくれた作品だ。はっきりいってここ5,6年見たアクション映画の中で最も面白かった。
 もちろんアクションシーンは最高に刺激的だった。全編にわたってしつこいくらい格闘シーンの連発なのに、緩急、バリエーションが抜群で2時間強全く見飽きることがなかった。加えて強調しておきたいのが、脚本の面白さである。はっきりいって病的な感じがするほどのイカれた話なのだが、本当によく作り込まれており、より作品の世界に引き込まれてしまった。
 話の内容としては、極めて日本のマンガ的発想で、監督のウォシャウスキー兄弟は日本のマンガ好きというのもうなずける。こいつらは完全にオタクだと思う。この作品は彼らオタクの妄想であり、オタク文化の総決算の一つ型を見せてもらった感じがする。やはりオタクの執着心がなければあのような細かいところまでつくりこんだ映像は作れないと思う。オタクに敬意を表したいと思う。
 この映画は最高に面白い。ほとんどの人が楽しめる作品だと思う。まず見て欲しい。前作を見てから見ればより楽しめるはず。
ビューティフル・マインド
 ゲーム理論を生み出し、ノーベル賞を受賞した天才数学者ジョン・ナッシュの半生を綴った作品。孤独に真理を追究する学生時代から始まりノーベル賞受賞に至るまで、ナッシュの心の葛藤が、研究、恋愛、闘病、再起など様々な観点から描かれている。
 ナッシュの真理に対する飽くなき挑戦に引き込まれるとともに、サスペンス的緊張感も味わうことができた。とにかく観客を引き込む術を心得えており、とても完成度の高い作品だと思う。
 壁にぶつかりながらも、自分を信じ一歩一歩進んでいく、そんなシンプルで当たり前の事が強く胸に響き、一本の筋を立て生き抜く人間の美しさを感じた。
 実在するナッシュ教授がこの映画の主人公のような人物かは分からないが、少なくとも私はこの映画で描かれた主人公ジョン・ナッシュという人物に深い尊敬の念と憧れを持った。
メイド・イン・マンハッタン
 未来の大統領と噂される上院議員候補クリスと、そのクリスを常連客とする5ツ星ホテルの客室係マリサのラブ・ストーリー。境遇の全く異なる二人が周囲の障害、心の葛藤を乗り越え結ばれるというお話。かなり強烈なストーリー展開で、終始アメリカンジョーク的な軽いノリであった。たまにはこういう映画もいい。ちなみにこの映画のキャッチフレーズは「あなたにも運命の人が訪れる」だ。
影武者
 七人の侍に続き黒澤モノを連続で見た。戦国時代の名将武田信玄に何人もいたと言われる影武者をテーマにした作品。
 終始たまらない緊張感であった。はっきりいって、歴史的事実とはかなり異なっているかもしれないが、戦国時代の戦の緊張感、影武者の苦悩といったより普遍的なテーマがとてもうまく描かれていると思う。何百という馬や兵士が登場した戦のシーンや、影武者の夢の中での葛藤のシーンは圧巻であった。私は特に最終盤で武田の軍勢が惨敗を食らった後の、一面馬や兵士の死骸が散らばり、死にかけた馬がもがいているシーンがとても印象に残った。
七人の侍
 いわずと知れた、日本映画の普及の名作である。前から興味はあったけれど、見る機会に恵まれず、初めて鑑賞した。率直な感想としては、面白かったけれど、ズシンと響くものがなかった、という感じだ。超名作の扱いを受けている映画で私自身とても期待していただけに、ちょっと残念であった。
 物語の舞台は戦国時代における、とある貧しい農村であり、内容は盗賊と化した野武士から村を守るため、百姓たちが6人の侍と1人の素性の知れない男を雇いともに戦うというものだ。菊千代(三船敏郎)、勘兵衛(志村喬)などの「七人の侍」、農民、野武士などの人物設定、脚本がとてもはっきりと描かれていた。この分かりやすさは、まるで普段見慣れている、ハリウッドのアクション映画に近いものであり、この映画がハリウッド映画に多大な影響を与えたという話もうなずけた。
 本作はこの明快さゆえにアクション、悲恋、人間ドラマなど、並べ尽くせないほど多くの要素をうまく描く事に成功していると思う。しかし私は、その詰め込み感が逆に妙にさっぱりと感じられ、「アメリカン・ビューティー」を見終わったときと同じような空しさを感じた。特に、武士=強者、農民=弱者、野武士=悪というようなはっきりとした区分けには違和感を持たずにはいられなかった。ただ本作で絶対的な弱者であり、とても卑屈な存在として描かれている農民の存在については、とても関心を持ち、もう少し知りたいと思った。
ボーリングフォーコロンバイン
 アメリカ、コロンバイン高校で起きた銃乱射事件を題材に銃規制、ひいてはアメリカ銃犯罪の精神構造に迫るドキュメンタリー作品。単純に「なぜあんな事件が起こったのか?」という疑問に対し、自身も銃愛好家である監督が一つずつ仮説を挙げ本質を抉り出していく。銃犯罪の生々しい映像や、KRA(全米ライフル協会)会長、マリリン・マンソン、Kマート本部への突撃取材などものすごい充実感であった。またこれだけの悲劇的な内容をユーモアを持って描くこの作品の志の高さに感服した。とにかく終始、すさまじいエネルギー(喧嘩腰?)に包まれた作品で観客として何度も叫びたくなる感じだった。
オーシャンズ11
 主人公の天才泥棒(オーシャン)が、詐欺師、スリ師、メカの天才など様々な特技をもつ仲間を集め、ラスベガスの巨大金庫を襲う話。色使い、セリフなどがオシャレで、全体的にゴージャスな雰囲気に演出されていた。ジャージ・クルーニー扮する主人公、アンディ・ガルシア扮するホテル王、ブラピ扮する詐欺師、そしてその仲間達といい、皆キャラがたっていてそれぞれカッコいいんだけど、話がきれいにまとまり過ぎてるのか、あっさりした印象を受けた。スカッとできると思って期待してみたんだけど、見終わったあとは不完全燃焼であった。
ノー・グッド・シングス
 チェロをこよなく愛す中年の刑事ジャック(サミュエル・L・ジャクソン)がふとしたことから巻き込まれる事件で、犯人一味の美女エリンに助けれ、事件に深入りしていくというミステリアスサスペンス。サミュエルのハードボイルドさが全面に強調されていた。かっこいいといえばかっこいいのだが、たまにクドイ感じもした。作品の世界は終始ムーディーで微妙な緊張感で統一されている。推理小説好きの人が見たら面白いと思うが、私にとっては微妙だった。
鬼が来た
ノー・マンズ・ランド
 ボスニアの民族紛争を題材とした作品。戦争における、国家、国連、マスコミ等の巨大な主体の思惑の中で、末端の一個人がいかに不合理で滑稽にならざるをえないのかが、絶妙のバランスとをもって描かれていた。ユーモアが非情なリアリティを生み、戦争も人種差別もほとんどないこの時代のこの国に生まれた私にとって、世界市民的な見地から、とても強烈に映った。福沢諭吉は「利害得失の判断より、軽重是非の判断の方難しい」と語ったが、戦争の巨大な2元論ほど、この議論の本位を見失ったコミュニケーションはないと感じた。
ハンニバル
 「羊たちの沈黙」の続編。しかし前作とは随分違った色合いであった。今回はレクター博士のスーパーマンっぷりが特に光る。強いし、賢いし、かっこいいし、エロいし、とにかくキャラが思いきり強調されている。これでもかと気持ち悪いシーンを連発されて、とても満足な内容だった。とてもよくできた脚本で、スクリーム的なノリの傑作だといえる。よくもまぁこんなにこだわったと思う。何度もいうが、やっぱハリウッドはエライ。最後の夕食のシーンにはやられる事必至。恋愛映画って噂もあるけど、皆で仲良く楽しく観る事をすすめたい作品である。なぜかイタリア人が英語を話すけど、気にしないでよし。
ターミネーター2
 久しぶりに見たけれど、ホントに良くできてると思った。アクション映画の代名詞的存在であるのもうなずける。ストーリーは、よく考えるとところどころ、おかしな点はあるが、そんな事が全然気にならないような、独自の世界観が構築され、終始緊張感を持って楽しめた。CGがほとんどない時代によくこれだけの映画を作れたと思う。安易にCG盛りだくさんで、内容薄の傾向がある今のアクション映画界に是非見せたい作品だ。同じくアクションの名作「ブレードランナー」もそうだけど、技術を完全にものにできない限りにおいて、限られた条件の中で創意工夫して作ったものの方が質の高いモノができるのは間違いないなと思う。
ピンポン
 原作のマンガを昔読んだことがあったけど、フレッシュな気分で見れた。原作もとても好きだけど、これもこれで別に良かった。映像も色々こってて、面白かった。こういう楽しませてくれる主旨の映画はとても好きだ。主人公も相変わらず浮いてたけど、結構好きになった。あとやっぱり竹中直人はとても好きだ。またホロリされ、失笑させられてしまった。ベタにも、見終わったあと、思わず卓球をやりにいってしまった。
タイムマシン
 ほんと期待を裏切られた。予告編CMがおもしろかったのを覚えていたから、ほんと楽しみにして借りたのにクソだった。B級大作っていったら一番表現が近いと思う。全てにおいて中途半端で微妙。この作品が採算とれたかどうかは知らないが、もしとれてるとしたらCMのおかげだと思う。むしろあのCMの予告編だけみれば十分の内容。
バーバー
 タイトルの通りある床屋の男の半生を描いた作品である。よくもまぁこんなにこだわって作ったなと思った。映像のモノクロそのものだった。見終わってしばらくはテンションが下がりまくったが、しばらくたったら爆笑した。主人公のくわえタバコ姿が今も忘れられない。
四月物語
 地方出の女子大生の物語。すごく爽快な映画だった。至る所で桜が登場しとてもきれい。映像にかかったぽわっとした感じのフィルターが、なんともいえないメルヘン気分を生んでくれて良い。こんな町並みが日本にもあるのかと思った。
リリイ・シュシュのすべて
ラストエンペラー
 中国最後の皇帝溥儀の人生を描いた作品。興行的都合上か、わかりやすく史実を追う事が重視され、展開上イライラするところもあったが、スケールが大きく、きれいなシーンも多かった。また中国系の衣服や建物の色合いがとても良かった。特に皇帝だけが着ることができるという、黄色い布はとても気に入った。
私は正直なところ、今までこのような人物とその背景などについて、ほとんど何も知らなかったが、今回この映画を通し、溥儀という人物の稀有な境遇にふれ、この人物とその時代に対してとても興味がわいた。
羊たちの沈黙
 FBI訓練生が元精神科医の異常犯罪者に助けをかり、難事件に立ち向かうといった内容の作品。
サスペンスは普段あまりみないのだが、この作品の怖い怖いというもっぱらの噂をかぎつけ見てみた。丑三つ時、一人っきり、電気は画面だけとまさに最高のシテュエーションで見たのだが、夜遅すぎたのが裏目にでて、頭が麻痺しているせいか怖さは半減だった。
この作品はやはりアンソニーホプキンス扮するレクター博士につきるだろう。とにかく凶暴で人を食ってしまうというかなりの変態野郎なのだが、なぜが知的でエレガント。そのギャップとバランスが本当に絶妙に演じられ無茶苦茶かっこいい。この作品はホントそれに尽きる。アンソニーホプキンスはかなりやるね。
フルメタル・ジャケット
 ベトナム戦争を題材とした作品。善悪もなく淡々と戦渦に生きる若者の姿が描かれている。これでもかという程のリアリティをもって生死の狭間に生きる人々のバランス感覚が描かれていて、なんともいえないやるせなさを感じた。
ザ・ビーチ
 主人公のプータローバックパッカーが辿り着いたこの世の楽園ともいえる秘密のビーチでのお楽しみと悲劇の物語。つまんないという噂を聞き今まで見る機会がなかったのだが、WOWOWでやってたので思わずみてしまった。ストーリーで結構めんどくさいところがあったが、全体的には楽しめた。見終わった時はかなり爽快な気分。あんま真面目に見ないで海を楽しむといいと思う。
ストレンジワールド
 4編からなる短編集。1編目には若き日のジュードロウがでている。どれも青臭い感じで懐かしい雰囲気。間の合う編は良かったが、そうでない編は退屈だった。まぁ大抵の人はものの5分で眠りに落ちる事必至。
アメリカンビューティー
 アメリカの典型的な一般家庭の崩壊していく様を描いた作品。いわゆる一般的苦悩を風刺した色合いの強い作品で、現代人のバランス感覚をたくみに描いていた。詰め込み型のトレンディドラマのような印象はぬぐえないが、この作品自体も現代的バランス感覚という観点からみると、そのシナリオと演出の技術力はすばらしい。
チャーリーズエンジェル
 チャーリーズエンジェルと呼ばれる3人の主人公がおりなすスーパーアクション。いつも見たい見たいと思いながらも、貸し出し中などの不運が重なり見れなかった作品で、やっと見れたという感じ。大体ものすごい期待してみる作品に限って裏切られるパターンが多いが、この作品はまさに期待通りだった。見たいニーズにことごとく答えてくれて、いつまでも見ていたいと感じた。ワイヤーアクションもすごかったが、それ以上に主人公たちのファッションや映像全体の色使いがすばらしい。ハリウッドはエライ。
ドライビングMISSデイジー
 白人の老女と黒人運転手の日常を描いた作品。シナリオはとても平凡であるが、その時代背景や、老女と運転手との友情がとても繊細に描かれていて、感動的な作品だった。何気ない日常をとてもドラマチックにみせてしまうこの映画の質の高さを感じる。運転手役のモーガン・フリーマンが渋すぎる。
みんな〜やってるか!
 ダンカン扮するさえない男の冒険の物語。ストーリーは説明不能。終始お寒いギャグで一貫している。あの映画は最後まで見れる人はあまりいないと思う。ただアル中パイロットに扮するダカルカナル・タカのマンボーダンスとラストシーンの無類のくだらなさはすごい。
マルコビッチの穴
 他人の頭の中に入ってしまうお話。面白い映像満載。みたいものを惜しげもなくみせてくれた。ただラストに近づくにつてが惰性っぽくなるのには閉口。頭がとっても冷静ですっきりした時に見るとより楽しめる作品だと思う。
スバイダーマン
 アメコミのスパイダーマンをそんまんま実写化したという作品。とにかくCGの嵐で映像的にはティズニーランドにあるスターウォーズ見たいな感じ。お約束の展開で、お楽しみ満載。ただ個人的には、もう少しマトリックスばりに緩急のあるアクションシーンがみたかった。
望郷
 あとから知った情報によると岸和田少年愚連隊のシリーズ第3弾らしい。毎日喧嘩に明け暮れる主人公の小学生リイチとその家庭を描いた作品。竹中直人扮するリイチの父親の傍若無人ぶりはなかなか。シナリオや設定はなかなか面白いが、まとまりがなく終始なんとかなくチグハグした印象をうけた。ただところどころ染み入るいいシーンがある。あと祖父役の笑福亭松之助はかなりいい味だしてる。
連弾
 資産家の夫とキャリアウーマンの妻そしてその子供達のお話。夫はかなりの資産家であるが、それらは親から相続したものであり、仕事はしていない。そのため毎日家にいて家事をしたり子供の面倒をみたりする、いわゆる主夫である。それに対し妻はバリバリのキャリアウーマンで人付き合いも多い。そんな対照的な夫婦がすれ違い、離れていく、そして子供達もそんな両親に翻弄され葛藤する、そんな家族の行く末が描かれた作品である。
 こうやってあらすじを書いてみるとかなり暗い話に聞こえるが、実は全くそんな事は無い。夫婦喧嘩や子供同士のやり取り等も演出がコミカルでかなり笑えるくらいであった。夫の情けなさ、子供のシビアさが妙にはまる。また夫婦は離れていくが、そんな中でも家族の前向きさ、あったかさが垣間見られとてもなごんだ。笑いあり感動ありでとても楽しめる作品である。
ピストルオペラ
 「ツゴイネルワイゼン」「陽炎座」等の名作を生んだ鈴木清順監督の最新作。
 今回の作品は殺し屋の女の話。ストーリーは説明するのは不可能。とにかく映像美がすばらしい。前編にわかり色鮮やかでかなりスタイリッシュ。感情を断片的にバンバン貼り付けたような作品である。見てる間中いろいろ心を引っ掻き回された。映像でしか表現できないものがここにあると思った。
無能の人
 元漫画家のプータロー夫とその家族の生活を描いた作品。貧しくとも我が道を行き、ほとんど稼げない夫に家族は翻弄させられ苦悩する。どうしようもない夫(主人公)なのであるが、その自分を信じる真っ直ぐな生き方に共感をおぼえ、素の人間としての、大切な物とは何かという事を考えさせられた。前編にわたって、モノトーンな雰囲気であるが、所々に竹中流の笑いが散りばめられていて楽しい。
白痴
 物語はいつの時代かの、戦争で荒廃した世界で展開される。ただそんな焼け野原のような町並みの中、メディアステーションと呼ばれるTV局の巨大なビルだけが、不釣合いに存在する。
 主人公、井沢はそのTV局に勤めながら、特に荒れ果てた、路地裏で一人暮らしている。井沢はどん底の暮らしの町と、TV局を行き来する生活の中で、そのギャップに苦悩している。そんなある日、となりに住む資産家の妻、サヨが彼の部屋に転がり込んでくる。サヨは白痴であった。井沢ありのままに生きるサヨに惹かれ、いつしかサヨは、井沢にとってかけがえのない存在になっていく。しかし戦争の悪化により、戦火は彼らの住んでいる路地裏にまで広がり、2人はこの世の果てを目指し逃げるのであった。
 白痴であるサヨの自然な生き方、井沢の深い愛情から日常、現実の美しさが感じられる。また前編にわたり、CGが多用されているが、全く違和感がなく独特の映像美を持ち、シナリオ以上に映像から感じられるものが多い作品である。