1-1. 始めに.
現在、私が勤めているカリフォルニア大学ロスアンゼルス校は日本をはじめとするアジア各国からの留学生の間では大変人気が高く、毎年たくさんのアジアからの留学生がやってくる.彼等のプライベートでの生活スタイルには
作者ははなはだ関心はないが、彼等のキャンパスライフには特筆すべき特徴
があると考えられる.これはヨーロッパでは、フランスからの留学生にもよく似た特徴がある.ここでは、主にアジアからの留学生がUCLAの学食における行動の特性について、簡単であるが考察を行う.
1-2. サンプルとその収集時期
サンプルは作者がこれはアジアからの留学生であると認定した人たちを対象にしているが、実際にどこの国の出身なのかは取材していないので不明である.その数については少なくとも100人以上で述べにすると数千人にのぼるかもしれない.サンプルを収集した場所はAckerman UnionのTerrace Food Court, Bomb Shelter DeliおよびNorth Campus Shopのレストランと大学キャンパス南側にあるGeology Building周辺である.収集時期は秋学期のテスト期間が近付きつつある12月の初旬、卒業式が近い6月中旬ならびに夏休み期間中の夏期講習時期である.
1-3.結果について
収集したサンプルの方々の出身国は使っている言語から作者が勝手に判断した.ここで特筆すべき結果は中国・韓国系ならびに東南アジア系の人たちの行動である.彼等は似たような出身の人たちと非常によく食事の時間を共にしていることが分かる.これは、彼等の民族意識の高さの現れなのか、それとも知らない国へ留学している不安感なのかよくわからないが、上記のような状況に非常によく出くわす.それと対照的なのが日本人系である.作者もこの傾向によくあてはまる.日本人系の場合には同じ学科・専攻同士ではよく団体で行動しているが、学会・専攻が異なる人とはほとんど接点がないのが実情であると考えられる.これは学生に限ったことではなく作者のような研究員でも似たような状況がある.作者の場合はまわりに日本語をはなす日本人系の人はおらず、できもしない英語で日々連中と格闘していることが容易に想像できるであろう.
次に男女間の行動について述べる.これは特に日本人系の人に特徴的である.日本人男性の場合、ほとんどが日本人男性同士で固まっているか、孤独な状態であると思われる.作者は比較的孤独な状態である.しかしながら、日本人系の女性については全く異なる.日本人系女性は大変行動的で、しかも社交的な一面を発揮している.例えば、日本人系女性がよくつれている友人連中を観察すると、大抵欧米系か日本人系以外の人が多い.もちろん、先に述べた中国・韓国・東南アジア系の人の女性でも似た傾向が認められる.これは英語の習熟度とよく似た傾向をもっていると考えられる.つまり、女性の英語の習熟度が男性よりも高いと考えられるのは、その行動力と社交性の高さに比例していると考えるのが自然であろう.
1-4. 考察
結果の節で議論した日本人系とそれ以外の方との比較を簡単に述べると、単なる民族意識の違いのような気がしてならない.しかし、男女間の違いに関しては民族間に違いはほとんどないかもしれない.つまり、アジア系の男性は女性にくらべて、民族意識が強いと考えられる.次に英語の習熟度と男女間の行動の関係については先に述べた通りに行動力と社交性が大きく関与している可能性は非常に高い.また、アジア人女性が欧米系ならびにアメリカで育ったアジア人男性とつきあうことで、コミュニケーションの手段として彼等の使っている言語を修得する凄まじい努力の結果であることは言語修得のメカニズムをこえた何かがあると考えられる.要するに、英語がへたなアジア人男性が英語を修得するには積極的に欧米人やネイティブスピーカーの人々と交流を深めないといけないことが容易に想像できる.
1-5. 結論
結論は一言で片付けられる.グローバル化に伴い、必要となってくるコミュニケーション能力を身に付けるために積極的に人種・民族関係なく交わることが必要である.日本人系以外のアジア系の方々はおそらくそのような経験をプライベート空間で実践し、その結果を同胞に報告するために食事時間帯に集合して語らっているのであると考えられる.