第2節 捜査の端緒(p48〜)
1 総説
捜査の端緒…捜査機関が犯罪ありと思料するに至った理由
行政警察活動…個人の生命等の保護、犯罪の予防・鎮圧、公安の維持という行政目的を達成するための警察活動
※任意捜査における適正捜査基準が準用される
司法警察活動…犯罪の証拠の収集、保全等の司法目的を達するための警察活動
2 捜査機関による捜査の端緒(p49〜)
(1) 職務質問
職務質問(警職法2条1項)…警察官が、「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者」などを、「停止させて質問すること」
q 停止行為または任意同行における有形力行使の限界?
a 個人の自由意思が制圧されたといえる程度に達すればもはや任意とはいえない
∵任意捜査における考え方を準用
q 違法な逮捕に基づく勾留請求?
a 令状主義の精神を没却するような重大な違法がない場合には勾留を認める
=@実質逮捕の時点で緊急逮捕の要件が存在し、かつA制限時間内に勾留請求がなされた場合
(2) 所持品検査
q 所持品検査の根拠?
a 職務質問に付随する行為(警職法2条1項)
q 所持品検査の許容性?
a @職務質問に付随して行う所持品検査は、所持人の承諾を得て、その限度において行うのが原則であるが、
A捜索に至らない程度の行為は、強制にわたらないかぎり、
B所持品検査の必要性、緊急性、これによって侵害される個人の法益と保護されるべき公共の利益との権衡などを考慮し、具体的事情の下で相当と認められる限度で許容される(米子銀行強盗事件)
(3) 自動車検問
自動車検問…犯罪の予防、鎮圧、捜査のために警察官が走行中の自動車を停止させ、調査・検分する行為
自動車検問の類型
@特定の犯罪に対する捜査活動の一環として緊急配備活動として検問をおこなう場合
A不特定の一般犯罪の検挙を目的とする警戒検問
B不特定の交通違反に対する交通検問(一斉検問)
q 交通検問の法的根拠?
a 警職法2条1項
∵自動車の場合には停止させなければ職務質問もできない
q 自動車検問の要件?
a @交通違反の多発する地域であること、
A短時分の停止であること、
B相手方の任意の協力を求める形で行われること、
C自動車利用者の自由を不当に制約することにならない方法・態様で行われること(宮崎交通検問事件)
(4) 検視
検視(229条)…変死またはその疑いのある死体について、その状況を五官の作用で見分すること
・犯罪の嫌疑の有無の発見を目的としておこなわれる捜査の端緒活動
・検視の主体は、検察官
・令状は不要
問題5(平成1年第1問)
問題6
問題7
3 捜査機関以外の者による捜査の端緒(p55〜)
(1) 総説
(2) 告訴
告訴(230条〜)…告訴権者が、捜査機関に対し、犯罪事実を申告し、犯人の訴追を求める意思表示
・方法;書面または口頭(241条)
・効果;捜査が開始される
親告罪の告訴手続の特則
@告訴期間として、犯人を知った日から6か月以内(235条1項)
A告訴人が数人あるときは、告訴期間はそれぞれ独立して進行する(236条)
B告訴の取消しは、公訴提起まで(237条1項)
告訴不可分の原則…親告罪の告訴に関し、一個の犯罪事実ないし共犯関係について、告訴の効力が全体に及ぶという原則
@客観的不可分(一個の犯罪事実の一部に対する告訴は、全部に及ぶ)
A主観的不可分(共犯の一人に対してした告訴は、他の共犯者にも及ぶ 238条1項)
q 告訴を欠く親告罪についても、捜査できるか?
a 任意処分であれば許されるが、強制処分であれば許されない
∵告訴されていない親告罪について、強制処分のような重い負担を国民側に課すことは妥当でない
(3) 告発・請求
告発・請求(239条〜)…告訴権者および犯人以外の者が、捜査機関に対して、犯罪事実を申告し、その訴追を求める意思表示
(4) 自首
自首(245条)…犯罪事実または犯人が誰であるかが捜査機関に発覚する前に、犯人自ら捜査官に対して、犯罪事実を申告し、訴追を求めること
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