2月のナベ家は平和であった。ちまたではインフルエンザが猛威を振るい、各地の小学校で学
級閉鎖や学年閉鎖が次々…なんて現実は全く感じられない。息子2人はスクスク元気で、「よ
ーし、この調子で越冬するぞ!」と気合を入れた2月下旬、私の耳に信じがたいニュースが飛
び込んだ。『体操のお兄さん降板』…うそぴょ〜ん!歴代のお兄さんの中でも絶大な人気を誇
る佐藤弘道お兄さん、なにを隠そうこの私も、その道10年の大ファンなのだ。いやもう本当に
私の中で弘道お兄さんは、キムタクなんかよりずっと上なのである。その人に会えるという私の
希望は、崩れ落ちた。茫然とする私に夫は「そんな世の中いい話ばかりのはずがないと思って
た。当日誰か風邪ひくとか、きっと何かあるでと思ってたけど、はは〜ん、こういうことやった
か。まぁ、諦めるこっちゃ」と冷たく言い放った。思えば、この預言者のような夫の言葉、このと
きから何やら不穏な空気がナベ家に漂い始めたような気がする。
 弘道兄さんのことは諦めるしかない。しょうこお姉さんは美しいし、ゆうぞうだって(呼び捨てか
い!!)
ほんとは子ども好きではなさそう、なんて噂あるけど、実はごっつええ人かも知れんし。よし、今
日からゆうぞうお兄さんのいいとこ探しをしよう、と意識してみたものの、「顔はまぁまぁ男前や
けど、やっぱりちょっと芝居がかってるかも・・」「実はちょっと小太りさんかも・・」いまいち前向
きになれない。
 3月に入って長男次男と続けざまに風邪をひいた。そして次は私がインフルエンザに!まだ
今なら大丈夫だ。今かかっておけば4月6日の収録日にはもう何も起こるまい。「かかるなら今
のうち」と日々唱えながら、時間は流れていった。
 いよいよ現実的になってきた、収録一週間前のことだ。長男がぼんやりぐったりしている。暖
かい日なのに「寒い」と訴える。熱をはかってみた。38.2度!こ、これは…明らかに発熱では
ないか!あわてて病院にかけこむ。もう一度熱を測る。39度を越えていた。やばいぞ、やばす
ぎるぞ。しかし誰を恨むことも出来ない。ただひたすら回復を待つしかないのだ。1週間あれ
ば、治るだろう。だか私の心配はそこにあるのではない。これが次男にうつったら!長男→次
男の経路は今まで100%の感染率を誇っている。勝ち負けで言うなら次男は全敗なのだ。お願
いだからうつらないで…でもうつるんだったら早くうつって。毎日手を合わせていた。普段ちっと
も信仰心のないヤツが、こんな時だけ手を合わせるなんて、かえってきいてもらえないかもな
ぁ・・・そのとおりだった。出発前日に次男発熱。私はストレスとプレッシャーでヨレヨレだ。もうど
うなるの、どうしたらええの、やりたいことをやり遂げるには、これほどの試練が必要なのか。も
うだれか助けてくださーい!!!
 
 そして迎えた出発当日、恐る恐る次男の熱をはかってみる。触ったかんじではけっこう熱い。
37度台なら御の字だ。・・・数字は「38.3」!一体どうすれば!しばしボーゼンとする。しかし行
くと決めた。行くしかない。私はオニか。オニ母か。しかし東京は日本だ。薬もあれば医者もい
る。ずっと抱っこしてれば、家でアニキにいじめられてるよりストレスないんじゃないか?!
 そして出発。仕事の夫を残して爺婆同伴で怒涛のように家を出る。誓知ぼんやり(熱のせ
い)、魁知ぼんやり(眠いせい)。近鉄特急に乗る。誓知嬉しそう。ヨカッタ。
 500系のぞみ、どうにか2.5時間無事過ごし東京駅にたどり着く。誓知はずいぶん元気になっ
ていた。暖かいので皇居を散歩した。馬車がパカパカ。外国のえらい人が来るという。みんな
待っているのでとりあえず一緒に待ってみる。来た!パトカーの先導で、パカパカ馬車から手
を振る民族衣装に身を包んだ黒人のかた。・・・?だれ?その場の誰もがわからない。わから
ないのに手を振っている。振り返してくれた。だれっっっ?!
 その晩ホテルで誓知36.6度に。きゃー!ありがとう神様!えらいぞ誓知!こんな母を許して
おくれー。明日が本番だ。この調子でがんばれ!息子達!
 








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