じ め に

 一般の通学生ならばともかく、通信制大学の学部生が卒論を書くにあたって
は、非常に困難な状況が立ちはだかっている。つまり、テーマ設定・情報収集・
指導教員との卒論指導である。テーマ設定とは、大雑把な言い方ではあるが、
卒論を書き始めるまで、どの分野(日本史・東洋史etc.)かを自由に選択できる
ことを指すが、裏を返せば、外の学部や大学ではどうだか分からないが、授業
での選択においては、一貫した選択をしなくても良いということになる。例えば、
東洋史で卒論を書こうとしている学生が、概説や特講の授業以外の科目(つま
り、入門や演習)で、日本史入門や西洋史演習を受講していることもあり得るわ
けで、このような生徒が東洋史で卒論を書こうとしたときに、きちんとした判断材
料を持つことができるのかという問題になる。 

 情報収集とは、通信制大学の学生だけに限らないが、特に通信制大学の学
生に関しては、独立図書館を持たないために、どの図書館を軸にして情報の収
集をおこなったらいいのか不安な部分が多い。例えば、論文どころか、概説書
をも満足に読みこなしていない生徒が、いきなり国会図書館や 東洋文庫に出
かけて行っても骨折り損で、惨めなだけである。特に通信制大学の学生は、地
方から上京してくる場合が少なからずあるので、ただの笑い事だけではすまさ
れない部分がある。また、別な面から言えば、例えば、演習で調べものをすると
きに、辞書を引かずにネット検索で済ますということを何度か耳にしている。ネ
ット検索が悪いとは一概に言えないが、その場合でも一般的な史料批判的な作
業ぐらいはおこなってもらいたいものである。適当に検索サイトで見つけただけ
ではお粗末すぎて話にならない。 

 指導教員との卒論指導は、一番複雑な作業である。2年次に「卒論指導手
帳」なる小冊子を購入することで、卒論指導がスタートするわけであるが、東京
に在住の学生は、直接指導教員に指導を仰ぐことが可能であって、それほど問
題にならない(とはいうが、仕事を抱える学生が卒論指導を受ける場合には、
地方在住者とそれほど大差はない)が、地方在住の学生は、「卒論指導手帳」
を学校経由で指導教員に転送するシステムを取る。我々の日本大学通信教育
部では、このシステムは確立されており、なんら事故が起こることはないが、一
般の通学生に比べてはいくらか時間を要する。最近では、インターネットや電子
メール(E-mail)の普及と共に、「卒論指導手帳」と並行して、個人的に指導教員
と電子メール(E-mail)での卒論指導が多くなっていると仄聞する。この、卒論指
導に関する問題は、じきに大きく改善されるであろう。

  前書きが長くなったが、このページでは、テーマ設定と情報収集の問題につ
いて、通信制大学の学生(といっても、日本大学通信教育部の事例を参考に)
が、満足のいく卒業論文を作成できるよう、お手伝いできればと考えている。



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