佐藤友哉

フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人  評価★★☆☆☆
 <あらすじ>
妹が死んだ。自殺だった、と僕のイカれた家族は云うが。そして現れた男。手にはビデオ。内容は妹のレイプ中継。渡されたのはレイプ魔どもの愛娘達の克明すぎる行動表。こうされちゃあ、する事は一つ。これが自然な思考だね。そして僕は、少女達の捕獲を開始した。その果てに、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず。  私は病気。でも誰にも相談できない。絶対に云えないよ。七十七人の少女を屠った連続殺人犯、突き刺しジャック。彼が少女を殺すとき、彼の視覚が私の視覚に接続するの。怖いよ。もう駄目。しかも彼は、私の存在を知っている。そして私は、彼に立ち向かってしまった。その向こう側に、こんな馬鹿げた世界が用意されているなんて知りもせず。

<書評>
 すいません僕は駄目でした。とりあえず予知能力やあらすじに書かれている「接続」を理由無く受け入れられる人じゃないときついです。ただし主人公の壊れ方は嫌いではないです。後味の悪さも好きです。所々出てくるアニメネタはそれほどマイナスではないですが、何かきついです。どこに理由があるのかわからないですね。
 作中に出てくる偽名が安藤直樹。よく似てるって言われますからね。
<ねたばれ>
何で佐奈生きてるんだよ!微妙に公彦に同情。これミステリーにする必要あるんでしょうか。特にあの謎解き、件って言われてもなぁ。二重人格ネタもやっぱり浦賀和宏の「彼女は存在しない」の方がよかったように思えます。雰囲気は嫌いじゃないですが、何か僕の中で噛み合いませんでした。ところで最後の佐奈がお兄ちゃんの子、の辺りがよくわからないです。わかる人は教えてください。

水没ピアノ 鏡創士がひきもどす犯罪  評価★★★★★
 お祭り騒ぎはもうお終い。今回は愛をめぐる三つの物語だ。暗澹たる日々に埋もれた無様な青年。悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。密室状況の中で繰り広げられる、贖罪を含んだ惨殺劇。それらは歪んでいて、壊れていて、間違ってる。でも確かに愛の物語なのだ。俺は行動を開始した。その目的は、水没した全てのものを引き戻すため。そしてその果てに浮かび上がる真相。そこにはもう、馬鹿げた世界は存在しない。

 2作目とばしています。その理由は・・・いじめシーンが苦手なんですね。別にトラウマではないですが。人を食べるシーンは平気なんですけどね。さて『水没ピアノ』ですが、実に面白かったです。ちなみに密室殺人なんて事も起こりますが、あまりストーリーと関係ないです。騙し方もずるいかなぁなんて思わなくもないんですが、それ以上に「3つの愛の物語」 のからみとラストの後味の悪さが素晴らしいです。
<ねたばれ>
見事に「広明」のトリック?に騙されました。3つの物語の時間軸をずらしたことと合わさって僕は最後まで騙されていました。初め、紘子は存在していないのでは、と思っていましたが、同じ手は使わないですね。最後が救われなくていいです。創士今度は本当に大活躍。ところでほとんど創士の引用がわからないです。有名なのが多いんでしょうか。「安藤直樹じゃあるまいし」には驚きましたけど。最後の銃を持って立っている女の人は誰なんでしょう。

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