Conformation

完璧な馬というものを求めるのは、不可能である。馬とは、肉体面あるいは精神面において、各々強さや弱さをもっているものである。つまり、優れたコンフォメーションを持った馬が、常に優れた能力を示すのではなく、訓練により得られた能力、気性といった様々な要素が折り合って能力を示すのである。しかしながら、コンフォメーションがその重要な一因を担っていることに間違いはない。また、コンフォメーションに何らかの欠陥があった場合、それに関連した怪我を起こしてしまうことが多いために、そのような意味でも、血統などの要因を除いた上での判断を下す、重要な役割を持っている。

そもそもコンフォメーションとは、四脚を含む馬体全体の形や大きさ、そして、身体各部分々々の関係のことであり、各々の部分についての善し悪しを決め、それに対応する各々の能力へと帰属することは出来るが、最終的には、影響しあう身体全体を通しての見解が必要である。


Balance<バランス>


人間や他の動物と同様、バランスの取れた身体を持った馬は、それだけ良いアスリートとしての能力を発揮できると考えられる。その”バランス”を見るにあたり、これと確立された理論というものは存在しないが、経験に 基づく2つの方法がある。

その一つが右図に示す方法である。右図のように、馬の身体を とに分け、それぞれが奇麗に等分化されるのならば、バランスが取れていると言える。もちろんどんな馬であろうと、完全に等分化されるわけではなく、これに近い形を理想とする。

もう一つの方法として、"正方形"を用いる方法がある。その図を左図に示した。理想は、正方形に馬の胴が収まるような形である。つまり、馬の身長と、胴の長さが近いほうが好ましい。

この"正方形"は、馬のそれぞれの品種によって微妙にことなってくる(例えば、アラブ種は、他の種に比べて胸部の骨が短いため、やや長方形になる)が、サラブレッドはなかでも最も正方形に近い。

馬は、その体重の60〜65%を前脚で支え、後四半部により前方への推進力を生み出していると言われている。身体のバランスが悪いと、(騎手の体重も含め)その前脚にかかる体重を中和しにく、推進力に欠け、つまりは能力を生かしきれないことにつながる。


Head<頭>


強い歯と、十分な空気を取り込む大きさが重要。もちろん大きすぎず、小さすぎず。特に、頭が大きすぎると、上半身への負担が大きくなってしまう。

Nostrils<鼻孔>


鼻孔は、大量の酸素を取り入れられるよう、大きいほうが良い。深く窪んだ顔は、鼻孔とそれにつながる空気の通路を狭めてしまうため、馬の走る速度と耐久力は大幅に制限されてしまう。

Jaws<顎>


狭い顎は、狭い通気口を意味し、喉鳴りを引き起こすことがある。つまり、十分な空気を取り入れる通気口を確保する空間が必要となってくる。

Eyes<目>


目の位置は、視野に影響するために額の角に位置するのが理想である。


Neck<首>


馬の首は、生物学の構造上言わば究極に設計されているといっても過言ではない。馬の首の筋肉は、前脚と相互作用し、一完歩ごとの動作で上下に動かし、馬の身体全体のバランスを保っている。つまり後四半部により生み出された前方への推進力を十分に生かすために、首は柔軟性に富み、自由に動くことが必要である。そして、走る時、馬は前脚を自分の鼻より前に出すことは出来ないといわれており、すなわち首が短いと一完歩の幅が狭くなり、同じ距離を走るにしても余分な動作が必要になってしまうため、エネルギーのロスが大きく、さらには前脚への負担も大きくなるため怪我も多くなる。
首の長さは、頚部にある7つの脊椎骨の長さにより決まる。短い首は、柔軟性が欠け、バランスの調和に欠かせない首の素早い動作に限界があることを示している。逆に首が長すぎると、柔軟性に欠け、バランスの調和に問題を生じる上、その先端に余分な重量がかかるため、前脚にそれだけ負担がかかってしまう。よいアスリートの条件として、バランスの良さとは欠かせない物であり、そのためにも調和のとれた首は非常に重要ことである。


Shoulder<肩>


肩に位置するScapulaとHumerusの2つの骨は、前脚の動作と、その一完歩の大きさに大きく影響している。2つの骨の理想の角度は90°から105°で、それ以上大きい、いわゆる肩が立っている馬は、一完歩が狭く怪我が多くなる。さらに、さらに、地面に対するScapulaの角度は45°が理想で、解剖学上、この角度は、骨格筋系にかかる衝撃を拡散することができ、騎手が乗り心地がよいだけではなくやはり、それだけ怪我も少なくなる。


Back&Loin<背中と腰部>


Swear back
背中と後四半部とのつながりを、"Coupling"と呼び、これにより後四半部は、強さと柔軟性を発揮でき、前方への推進力を生み出す。背中が短すぎると、脚を動かす範囲が限られてしまうため、競走馬にとっては致命的である。逆に背中が長すぎると、年とともにSwear Backになりやすく、背中を痛めやすい。

腰部は、横への動きができないため、長い腰椎は、背中が弱いことを意味する。理想の長さは手のひら大(約20cm)で、それより長いと、後四半部を動かす力が弱くなってしまう。


Hindquarters<後四半部>


競馬以外にも、ポロ、ドレッサージ、ショウジャンピングなどのあらゆる馬術で、馬の重心を前方に移動させるというのは共通の動作であり、良い後四半部なくしてその能力は発揮できない。
後四半部を見分ける方法のひとつとして、骨盤の角度と長さによるものがある。それらは、腰角から臀端への長さと角度により決定され、傾斜があり、長い骨盤は、推進力の強いことを意味している。逆に傾斜がきつく、短い物は、上方への推進力が強いことを意味し、歩幅が短くなってしまう。理想の角度は25°で(20°という説もある)、身体と比較して長めのものが望ましいとされている。これは、スピードに欠かせないもので、競走馬では非常に重要なことである。

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