《広告媒体と折込み広告》

現代では、メディアの発達により多くの情報があらゆる媒体を通して毎日大量に流れている。私たちの日常生活を見渡してみても、情報を提供する場は至る所で目にすることができ、その存在が当たり前のものとなっている。そして、その情報を流す媒体もメディアの発達と共に数多く存在し、毎日流れてくる情報の量は数知れない。情報と一つの言葉でまとめると、非常に大きなものを指すため、その内容を一つ一つ調べるには莫大な時間がかかってしまう。よって私は、情報の中でも一番日常生活において密接に関係し、利用率も高いと感じる広告とそれを伝達する媒体について今回考えてみようと思う。

広告がどれだけ私達の生活に欠かせないものかということは、周りの景色を見渡せば一目瞭然で、大抵、普段の生活の中で広告はあらゆる所に存在している。例えば、娯楽時間などには欠かせないテレビ媒体では番組と番組の間などでテレビCMが流れているし、ラジオ媒体でも同様にラジオCMが流れている。その他にも新聞媒体では、新聞の空欄のスペースや時には1面全部を使って新聞広告が掲載され、新聞に折り込まれている折込み広告は買い物をする人にとっては欠かせない情報源となっている。雑誌媒体では、雑誌内容に沿って読者の年齢層等を想定し、その読者が興味を持つような広告のページを掲載しているケースが多く見られる。また、家から一歩外へ出てみてもたくさんの広告を目にすることができ、電車やバス等の交通系媒体では車内広告が掲載され、屋外テレビや屋外看板などでも広告を見ることができる。

しかし、このようにたくさん存在する広告も広告媒体が存在するからメッセージが伝わるのであり、広告媒体がなければ受け手にメッセージは伝わらない。よって、広告主が広告を出す際には、どの媒体を利用するかが重要になってくる。広告媒体は現在多く存在し、主な媒体には先程も述べたテレビやラジオ、新聞、雑誌などがあり、これらの電波系のテレビやラジオ、印刷系の新聞や雑誌は最も中心的な媒体として主要四媒体と呼ばれている。私たちが普段よく目にしているのもこの主要四媒体であることが多く、ここに広告を展開することで多くの人に広告のメッセージが伝達できる大変重要な媒体であるといえる。しかし、広告媒体は主要四媒体の他にもたくさんあり、その例が先程の折込み広告や交通系媒体、屋外媒体である。最近では家庭に送られてくるダイレクトメールやインターネットを利用した通信系の媒体も増加し、これらはメディアが発達したことによって生まれた新しい媒体であり今後もどのように展開されるのか注目する点であるといえる。こうしたあらゆる媒体を通して私達の元に広告は配信され、受け手はそこから情報を取り入れて生活に役立てているのである。

現代では広告の存在は当たり前のものとされているが、広告の元祖は奈良時代の市にかかげられた屋号表示のための看板であるといわれているほどで、平安時代では店先に掲げられた暖簾が広告媒体として利用されていたとされている。それほど広告の歴史は古く、広告が有料の媒体で伝えられるのが基本であるとされている現代の状態に至るまで、様々な広告主が趣向を凝らして広告内容に沿った適切な媒体を選択し、広告のメッセージの受け手に印象的なものが残るように工夫し発展してきたといえる。現代では、広告の存在は大きなものとなり、広告の良し悪しによって商品の売れ行きや、イメージなどが大きく変わってくる時代と言っても過言ではない。特にテレビCMではイメージに重点を置きCMにどのタレントを起用するかで大きな話題になるほどである。よって、広告主は広告のメッセージが受け手に的確に伝わる媒体を選択することが重要であり、それによって広告の内容の浸透度がかなり変わってくると思われる。

現代の広告を見たときに、先程述べた主要四媒体が占める割合は他の媒体に比べると非常に大きいものであるが、私はあえて主要四媒体程の規模ではないものの、普段の生活の中で一番活用されているように思う折込み広告について調べようと思う。なぜならば、折込み広告は、受け手にとって広告の中でも身近な存在であり、その活用度は高いと考えたからである。実際、日常生活の中で何気なく目にする折込み広告は、知らず知らずのうちに私達の生活に溶け込んでいるもので、大抵の人が、新聞を購読する際にはこれにも目を通し、なんとなくであっても、何曜日にはこのような広告が入っていると分かるという人が多いのである。しかし、私はこれだけ身近に折込み広告が存在していながら、今まで当たり前の存在として考えており、その特徴や傾向など深く考えたことがなく曖昧なものであったため、実際の折込み広告を調査しようと考えた。

具体的に折込み広告とは、チラシやリーフレット等の印刷物を新聞に折り込んで配布する広告のことで、新聞が配布される日は毎日、新聞と共に各家庭に配られているものである。この折込み広告のイメージといえば多くの人は、スーパー等のチラシを連想し、その利用者として大抵の人は主婦を想像すると思う。そうした中で、今回の調査では実際どのような種類の広告が折り込まれ、対象者の選択、広告の量、傾向にはどのようにして行われているのか。などを明確にしていこうと思う。

折込み広告の調査方法は、神戸新聞を対象に、毎日の折込み広告の枚数とその種類を2週間調査しそれぞれ比較していくというものである。そして、その中で折込み広告の特徴や傾向を見つけ出していこうと考えた。調査結果を述べる順序として、最初に二週間の広告枚数のみを曜日別に比較し、次に二週間に配布される主な広告を種類別にし、その枚数を比較した後、曜日別に折り込まれる主な広告を挙げていこうと思う。

まず、折込み広告の曜日別の枚数から見ていくことにする。二週間全体の広告枚数は合計376枚であったが曜日別に、広告の多い枚数順に並べると、土曜日、金曜日、火曜日、木曜日、日曜日、水曜日、月曜日の順であった。中でも、土曜日の広告枚数は二週間の広告枚数の32%を占め、非常に大きな数字となった。また、一番枚数の少なかった月曜日の広告枚数は、他の曜日に比べると極端に少なくわずか全体の7%ほどであった。土曜日に次いで枚数の多い金曜日は17%であったが、金曜日と土曜日を合わせると二週間の広告枚数の約半分を占めることから、週末にかけての広告枚数は非常に多いことがわかる。他の曜日の広告枚数は全体の10〜12%を占め、枚数に大きな差はないものの、休日の日曜日の広告枚数が平日の火曜日や水曜日、木曜日とあまり変化がないことは意外であった。

次に、二週間に折り込まれる主な広告を種類別にし、その枚数を比較してみようと思う。まず、主な広告の種類をスーパー、不動産、車、携帯、通信販売、電化製品屋、求人、その他に分類する。「その他」には専門店が多数存在するため分類すると非常に細かく、調査が困難なので専門店を含め今回は「その他」という表現で一つにくくったが、そのままでは内容が曖昧なため、「その他」に含まれる専門店を先に少し取り上げてみようと思う。例えば、折り込まれる曜日が決まっている広告には百貨店や、ユニクロ等の服飾店などがあり、その他にもパチンコ、塾、引越し屋、飲食店、酒屋、ドラッグストアー等が主に「その他」に含まれる専門店としての例に挙げられる。

元に戻り、二週間に配布される主な広告を種類別にし、その枚数を比較すると、やはり一番枚数が多いのは専門店を多く含む「その他」であり、主な広告の45%を占めていた。「その他」以外の主な広告を二週間の中で占める割合が高い順に並べると、不動産、スーパー、通信販売、求人と車、携帯と電化製品屋の順であった。このように種類別に広告を比較してみると、二週間の中でも不動産は全体の18%、スーパーは14%と比較的大きな数字を出しているがその他は全て一桁台の数字であり、広告の種類によって折り込まれる広告の枚数が大幅に変わってくることが分かる。特に、一番枚数が少なかった携帯と電化製品屋はわずか全体の2%で、不動産の広告枚数に比べるとその差は歴然としている。また、この調査の中で意外であったのは、車と求人が全体の6%を占めているのに対し、通信販売がそれを抜く、7%を占めていたことである。通信販売の内容は女性を対象としたものが多くダイエット製品や化粧品がほとんどであった。また、枚数は少ないものの携帯の広告を目にすることができるというのはメディアの発達に伴う一つの現象であると思う。

最後に、曜日別に折り込まれる主な広告をみていこうと思う。折り込まれる広告はこの場合さっき挙げた主な広告を種類別にして比較し、分類が困難な「その他」を省いて考えていく。まず、週明けの月曜日から火曜日にかけて多くみられた主な広告は通信販売であり、中でも、ダイエットに関する広告は月曜日に入る確率が高く、これには土曜日と日曜日に食事をとり過ぎたという人に目を向かせるためではないかと思う。また週明けは気持ちの入れ替えがしやすい時期でも有り、ダイエット広告を出す場合広告主にとって一番受け手に印象付けやすい時期を考えた結果週明けに入る傾向があるのではないかと私は考える。また、火曜日に入る主な広告の中で一番枚数が多かったのはスーパーの広告である。この広告は土曜日も入る枚数が多かったのであるが、この傾向には日常生活の流れが密接に関わった結果起こったものであると私は考える。なぜならば、火曜日に折り込まれる原因の一つに私は、土日に買いだめをし、火曜日あたりに買い物に行こうと考える人が多いことが関係していると思ったからである。実際、土曜日にもスーパーの広告が多く入るため土日のスーパーは広告をみた買い物客で賑わっているケースが多い。これは、私達の生活と広告が深く関係している証拠でもある。次に曜日別に主な広告をみた時に大きな特徴が見られたのは、週末から日曜日にかけてであり、火曜日以降から週末にかけてまでの間では、それ程大きな特徴は見られなかった。まず金曜日から土曜日にかけての週末に多く見られた広告を多い順に並べると不動産、車の順である。この傾向も受け手のターゲットを絞った結果起きたものといえる。というのも、不動産や車に興味を持っている人がその店に行くには、大抵まとまった時間が必要であり、土曜日や日曜日に行動に移すことを想定して、広告がだされているように思うからである。そして、土曜日や日曜日により多くの結果を出すためにはやはり週末にかけて、広告を出すのが適切であると考えられる。この考え方はどの広告に対しても共通する部分であると考えられ、土曜日に多い携帯や電化製品屋の広告も一番受け手に印象付ける曜日を考えてこの曜日を選択し、日曜日の広告のほとんどを占める求人も、受け手に印象付けることができる曜日を考えた上で折り込む曜日の選択が行われているといえるのではないだろうか。

このように折込み広告について二週間調べてきた結果、折込み広告にも様々な傾向があることが分かった。そして、最後に折込み広告調査の結果からこの広告全体の特徴を考えてみることにする。

まず最初に折込み広告の特徴として挙げられることは、この広告が新聞販売店単位で配布されているため配布する地域を選択することができ、その地域に結びついた細かい情報を流すことができるということである。こうした特徴によって折込み広告は、地域に結びついた広告を配布することができ、広告の受け手にとっても日常生活において非常に役立ち度が高い広告として利用されている。ここまで細かい地域との結びつきは主要四媒体には見られない事であり、これは折込み広告の大きな特徴であるといえる。また、折り込む新聞を選択することによってこの広告は読者層のターゲットも選択することができ、広告主側にとっても受け手側にとっても、無駄の少ない情報を流すことができるという点も折込み広告の特徴であるといえる。そして、最後に今回の調査でも、はっきりとみられた曜日や日の選択が折込み広告では可能であるということである。曜日や日の選択は今回の調査から見ても分かるように大変重要な役割を果たしており、広告主は受け手に一番メッセージが伝わりやすい曜日を広告内容に沿って選択し効率的に広告の効果をあげているといえる。また、その他にも季節に応じて折込み広告の種類が微妙に変化しているのも折込み広告の特徴である。主な広告の種類は一年を通じてあまり変化しないものの「その他」の種類に含まれる広告内容に変化が現れ、最近では合格速報や新学年の受け付けといったような内容の塾の広告が増え、季節に応じた広告が出されているといえる。

新聞と共に配布される折込み広告は主要四媒体程の大きな媒体ではないにしても、受け手にとって非常に役立つ広告であり、地域性にも優れていることがこの調査をしてみて実感した。また、広告主も受け手の立場を考え、配布する時期や地域、ターゲットの選択など様々な工夫を凝らしており、普段何気なく目にしている広告でもこれだけの工夫がされていることに驚いた。この驚きは広告が日常生活において浸透し、当たり前のものとなっているから起こるものであり、今回の調査で改めて広告の存在の大きさに気付かされたと同時に今後ももっと広告媒体に注目していきたいと感じた。