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7月28日(日)名古屋能楽堂にて隅田川の舞台後
お笛の大野誠先生のお計らいで
お話する機会を頂きました。
則久先生は、どういうきっかけでお能の世界に入られたのですか。
学生の頃、映画等の演劇評論を書いていました。そのうち演じる側の
現代劇に興味を持ちました。大学を卒業後、学校の講師として
演劇部の顧問でもあったので
いろいろと観に行ったり、学生と話をしましたよ。
そこで感じたのは、現代劇は役者個人の個性で非常に魅力ある
舞台になっている。
何処に魅力が有るのか、理屈では掴み難いんです。
それを、学生や自分達が身につける事は非常に難しい事だと感じた訳です。
今まで対極に有ると思っていた伝統芸能の良さを認識しましたね。
いろいろな事に対して長い年月に渡り議論されている。
今日の隅田川でも子方が居た方が良い。居ない方が良い。色々研究されて
出来上がって来ている訳です。
良いタイミングで国立劇場「伝統芸能伝承者養成」の案内を見て
伝統芸能の良さを吸収しようと思いました。
その内、本当に能の魅力に取憑かれて(笑)現在に至っています。
偶然の縁が自分の大きな転機に成る事って結構ありますね。
ワキ方を選ばれた理由は?
現代劇の頃から、激しく動いて表現する手法よりも
あまり動かない、でも一挙手一投足が的確に表現し、存在感を出している。
”静”の中の存在感に惹かれていました。
ワキ方を選択するのに全く迷いは無かったですね。
舞台に出られる上での信条を教えて下さい。
”無の境地”に成ることですね。時の経つのも何もかも忘れて
”無の境地”に成る事。
難しいんですよ。2時間くらいほとんど動かないで座って居るわけでしょ。
体力勝負の仕事だと思います。緊張感を持続させるのが毎回本当に大変です。
年に数回は、時間を忘れて痛さも全く感じない、そういう時が有ります(笑)。
今後の目標は?
一つ一つ目標を持って取り組みたいのですが、
舞台が多く、日程に追われている感じですね。
それではいけないと自分なりに、もがいている最中です。
若い人になかなか伝統芸能は受け入れられないんですが。
私も危機感を持って仕事をしています。
若い世代がもっと気軽に伝統芸能に興味を持ってくれればと
思いますよ。私のように、現代劇から能の世界に入ったり
自由に色々な事に興味を持ってほしいですね。
機会が有ったら、中京大学の学生にワキ方の事をお話しますよ。
シテ方以外の視点でも能を観る事が出来るように成りますから。
則久先生は、とても気さくにお話して下さいました。
先生の存在は私達の大きな励みに成ります。
今後ともご活躍を部員一同お祈りしております。
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