
「世界最強の男は誰か?」―世界中の格闘技ファンにつきまとう永遠の命題であり、格闘技界では未だその答えを見出せないままでいる。
第4回「気になるあいつ」テーマは『フレディーVSジェイソン』。
今回この映画をテーマとして取り上げた理由は、先述の命題「世界最強の男は誰か?」のホラー版、つまり「映画史上最恐の男」を決めてしまうという“ぶっとぅんでぅ”な映画であったからだ。格闘技フリークが集う外タレ一家でも大注目の映画なのである。
しかし、「気になるあいつ」は元来、世間があまり注目しないところを攻めるのが基本スタンスなはずであるが、世界中のホラーファンが大注目しているこの映画を取り上げてもいいのかという声が聞こえるのも百も承知で、この原稿を書いている。
なぜなら、この映画はB級映画の香ばしいテイストがプンプン匂っているからである。
ただでさえ、ホラー映画はB級扱いされている(最近では『リング』から随分とその地位が向上しているが…)のに、ホラー界の2大巨頭を盛り込んでしまっては、失敗に終わる可能性が高いのは目に見えている。
しかも、フレディーはご存知『エルム街の悪夢』の主人公で、その活躍した舞台は人々の夢の中の話である。一方ジェイソンは、これまたホラー界の東の横綱、『13日の金曜日』で活躍した現実世界の殺戮者である。
この二人の殺戮の舞台は『夢の中』と『現実世界』、すなわち、このモンスターどもが闘うのは無理があるのである。
言ってみれば、日本スポーツ界のスーパースターであるイチローと中田英寿が対決するようなものである。そこは、さすがにハリウッドも対策を練っているのだろうが、なかなか厳しいのではないだろうか?。
話を戻すと、同じフィールド内でのスター同士が共演して成功した例はないといって過言ではないだろう。
例えばテレビ朝日系列で放送していた『神出鬼没タケシムケン』は、ビートたけしと志村けんの共演が話題を呼んだが、一部マニアを除き世間では不評であり、番組は短命に終わった。
この例を見ても分かるように、ゴジラVSキングコングなどの例外を除いては、スーパースター同士の夢の共演といった類は基本的に無理があるのである。
2大巨頭を盛り込んだらヒットするという考え方は、
ガキの誕生日パーティーに、はりきってハンバーグだの、から揚げだのを大量生産し、果ては山盛りのスパゲッティーをこれでもかと皿に盛り、更にはポテトやサラダ、とどめにケーキといった波状攻撃を仕掛け、その挙句、パーティーに参加した友達に料理を残されまくるといった母親と全く同じ発想なのである。
つまり、ガキの好物(=フレディとジェイソン)をたくさん作れば、パーティーは大盛況(=映画のヒット)になるといった考え方は、安直で愚かな発想なのである。
いやいや、俺はこの手の映画を批判しているのではない。こういったいかにもアメリカンな大雑把な考え方は大いに歓迎しており、その証拠としてこの映画の「人気のキャラクターに“おんぶに抱っこ”なその姿勢」といい、「今の流行であるホラー映画に乗っかるというそのストレートさ」に、
俺のB級大好きチ○コはビンビン反応してしまっているのである。
(このコラムをB級映画界の雄『北京原人』に捧ぐ。)