1.東京都が、東京都大学改革大綱に基づき都立の4大学との緊密な協議を経てほぼ完成を迎えていた前計画を、事前に何の説明もなく、また日程上の無理を承知で一方的に破棄したこと。
2.これに代わって発表された基本構想の策定が、非公表の外部委員会に委ねられ、大学はいうまでもなく都民、都議会にもまったく知らされぬまま、秘密裏に行われたこと。また、上記計画破棄の理由とこの新構想の必要性について合理的な説明を行わず、大学側の質問にも答えていないこと。
3.教学面での計画実現に向けた準備委員会から、都立大学総長を排除し、個人として委員を委嘱された大学教員も、予め基本構想に積極的に賛同するという前提のもと、しかも厳重な守秘義務を課したうえで始めて参加を認めるという異常な体制を敷いたこと。
4.人文学部の教員定数に関しては、すでに前計画においてもかなりの削減が予定されていたが、新構想においては、さらに大きな定数削減が迫られていると聞く。このような極端な定数減は、現行の多くの学科・専攻の維持を危うくするのみならず、過員教員の大学院担当の有無も不明であり、在学生、特に院生に対する教育・指導体制の長期継続が不可能になる恐れが大きいこと。また、すでに学生・院生の間には、学習権が十全に保障されないのではないかという不安と動揺が広がり始めているが、これに対し都が十分な説明責任を果たしていないこと。
5.人文学部専攻の多くが全学の基礎教育に果たす大きな役割から見て、提示された条件では新大学の基礎教育は極めて貧弱なものとならざるを得ないが、この疑念に対しあえて明らかな回答を示そうとしないこと。また、外国語を必修化しない今回の構想は、大学教育本来のあり方からして容認できないとともに、基本理念としてうたわれた国際化、教養重視などとも大きく矛盾すること。
6.我々は、学部・大学院を通じ、教育・研究組織としての現人文学部の社会的評価は十分に高いと自負している。しかるに、今回の計画に従う限り、各専攻において積み上げられてきた教育・研究の蓄積の多くが途絶し、日本の人文系学術研究拠点のひとつが失われる恐れが大きいこと。
2003年9月25日 東京都立大学人文学部教授会